6月2日(木)「まことの花」
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室町時代の能役者、世阿弥は能楽を総合芸術に大成させたことで知られています。世阿弥が後進のために遺した指南書『風姿花伝』では、能役者が舞台の上で発揮する魅力のことを「花」と呼びます。
この花は、大きく分けて「時分の花」と「まことの花」の2種類があります。
時分の花とは、たとえば少年期や青年期の声や姿が持つ魅力です。子役のかわいらしさや青年の瑞々しさは、観客を引き付ける大きな魅力がありますが、あくまで一時的なもので、成長とともに失ってしまいます。
対して、まことの花とは、本人が自由に咲かせることができるもので、長く続くものだとされています。これは、修業により身に付けた力、年齢を重ねても揺らぐことのない魅力だと考えることができます。
世阿弥は、「若者は時分の花を、まことの花と勘違いしてしまうことがある」
と戒めており、謙虚な姿勢で稽古を続けた者だけが、まことの花の境地に至ることができると教えます。
年齢を重ねるごとに、自分を見つめ直し、努力することが大切です。地道に研錯を積むことを忘れないようにしましょう。
【今日の言葉】「まことの花」を咲かせましよう
《一言コメント》
世阿弥の教えには、とても興味が湧きます。
時代を超えて、人間として生きるための知恵が詰まっているなと思いました。
皆さんの意見も聞かせてください
※この記事は、コミニケ出版「月刊朝礼」より。ご希望の方は下記のHPで
https://www.kominike-pub.co.jp/