2021年総括&ブラジル・ディスク大賞2021〜カンタスの選んだ10枚、詳細解説〜 | カルナバさんのシャバダバ散歩

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祝祭系ロックバンド「Carnavacation」公式ブログ。
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今年もやってまいりました!

 

🇧🇷輝く!ブラジルディスク大賞2021🇧🇷

 

今年も選盤させて頂きました。

全体の投票結果はこちらをご参照ください♪

 

私が選ぶ基準は毎年同じですが、

①リズム🪘

②メロディー🎹

③ボーカル🎙

です。というか、音楽を聴く基準が常にそれです。

①リズム=ありふれたアレンジよりも、刺激を探してます。さらにブラジルらしさが出たりすると胸キュンですし、パーカッションは入ってないと物足りないです。

②メロディー=コード進行から雰囲気で作ったようなメロディーよりも、何かもっと自然で自由なメロディーを探してます。ちなみに、もともとサンバ自体が日本人の琴線に触れる旋律が多いのは面白いトコ。

③ボーカル=最近、歌が上手い感じの人がすごく出てきてますが、みんな同じように聞こえてきました。そういう人は好きじゃないです。

 

この3つに共通してるのは、ニオイのない音楽は好きじゃないってこと。

 

だからニオイのある音楽をいつも探してるし、そういう音楽を作りたいとも思ってます。

そう思うのは、ブラジルの街中に流れる空気が愛おしいからかもしれないし、そういう音楽を浴びてきたからなのかなぁって思います。

 

それではさっそく紹介しまーす♪

 

①Liniker/Indigo Borboleta Anil(関係者1位)

結構個人的には圧倒的だったこの作品。サウンドの肉体的な感じが素晴らしかった。骨までしなやかなバンドサウンドで、重心の低い良いサウンドだった。

もしかしたら、これをネオ・ソウル系と言える可能性もある。

今回はYOÙNやPedro Alexというアーティストも候補にあげていたのだが、この2者はもっともっとアメリカナイズされている印象で、別にこれを聞くならブラジルじゃなくても良いなぁ、、、と思ったり。

その点、このLinikerはパーカッションの入れ方が絶妙で、すごくストーリーを感じた。

 

 

 

 

②Caetano Veloso/Meu Coco(関係者2位/一般2位)

カエターノのアルバムがこんなにリアルタイムで好きと思えたのは嬉しかった。スタジオアルバムとしては多分9年ぶりくらいのはずだけど、今年8月で79歳になった人が作るアルバムとは思えない。(この79歳という年齢はポール・マッカートニーと同じ)

非常に雑な言い方をすると、これくらいの年齢のアーティストは悪い意味で歌に逃げる傾向にある。(ポールは違うけど)なんか老後の楽しみみたいなつまんない曲をたっぷり歌うとか、、、とにかく面白いない確率の方がずっと高いのに、このアルバムと来たら、もう攻めに攻めててビックリ

まぁカエターノが攻めたアルバムを作ることっていうのは別に昔からあった訳だから、それは良いとしても、今回はさらに聴きやすいポップなメロディーな楽曲が多くて、私はいたく感動してしまった。カエターノはロック歌手なのだ。マジで忘れてました。

 

③Marisa Monte/Portas(関係者3位/一般1位)

この人もまた、全く引かない伝説。どうなってんねん。自分名義のスタジオアルバムとしては10年ぶりなのに『いえいえ、ずっとアルバム作ってましたけど』みたいな感じで昔と変わらず最高なマリーザ・モンチなのであった。そして、この人はバンドマン的感性の持ち主なんだよな。これも上のカエターノ同様に、忘れてはいけないことだわ。

 

 

アルバムは全16曲で49分。この辺も正直バケモノである。平均して3分の曲が多い訳だが、通して聴くとマリーザ・モンチがいかに素敵な声の持ち主かってことを再確認することになる。カレン・カーペンターの声が大好きって明言してきたけど、今後はマリーザ・モンチも言おうかな。

 

④Silva/Cinco(関係者5位/一般5位)

ユルい声で良い曲を歌う。それだけなら、別にここにラインナップさせないと思うけど、Silvaは風を運ぶアーティストなのである。

この人の音楽を聴くと、夜の強めなブラジルじゃなくて、昼の爽やかな方のブラジルを思い出すことがある。景色も良いし、フルーツも美味い。そうそう、そういうブラジルも好きなんだった、と忘れかけていた感覚を取り戻させてくれるのだ。

 

サウンドは裏打ちのリズムが入ってたり、柔らかいサンバホッキだったり、、、あと、この人はドラムのサウンドメイクが実に良い。角が取れてて、良い意味で古臭い感じが好きだ。

 

⑤João Donato, Jards Macalé/Síntese do lance(関係者8位)

個人的にはすごく好きな2人。ドナートは最近息子のドナチーニョに引っ張り出されてエレクトロな方面でも色々やっていたが、私はこの感じの方が職人的で好き。

半々くらいでエレピと生ピアノを弾いてるんだけど、どちらも素敵すぎるのだ。この人の歌モノのバッキングはいつも正しい

あ、、、その点に関して言うならば、ブラジル人にリズムが’’鋭い’’って感じたことない。別に打鍵スピードが速いとか、そんな次元のことではなくて、、、、リズムと会話してるみたいな演奏するんだな。

ジャルズ・マカレーはもともと好きな歌手なのです。特に「Anjo Exterminado」って曲が好きで胸がキュンとしちゃう。

 

 

 

⑥Mallu Magalhães/Esperança

マルーのこのアルバムがこの順位にいることがもはや不満なんです。何しろこのアルバム、超絶に良いのです。

彼女の作品は一貫して手作り感があって「おうちでロック」みたいな質感で、デビュー当時から全然おうちから出て来ない感じが良いのよね。

 

曲もとてもキュートだし、聴きやすい曲がいっぱい。アレンジに関しては、ブラジルの古典的なリズムアレンジとかも踏まえて、2010年代のロックと綺麗に融合されてて、彼女の声がまっすぐ聴こえて。かなり素敵なのです。

 

⑦ANAVITÓRIA/COR(一般9位)

この2人のアルバムを入れられたらのがすごく嬉しい。良いシングルたくさん出してたのに、アルバムになると「えー!なんでよー」っていうのが続いてた。

 

 

ここまで音楽性の高いものを作ってるのはすごいと思うんだけど、どこかインテリジェンスを感じるのよね。それがまた好き。アイドル的な存在じゃなくて、きちんとアーティストって感じなのです。ハーモニーも素晴らしいけど、曲も良いのが憎いよ!

 

 

⑧Chico Chico/Pomares

このアルバム、一瞬自分的にすごく上位にいたんだけど「最近リリースされた新しさに引っ張られてるのではないか」という自分審査があって、ここまで下がってしまったけど、最近すごく良く聴いてるアーティストです。

 

 

彼はシングルでリリースしてた曲がやたらテクニックがすごい曲が多くて、なんか技巧系の若手ショーロアーティストなのかなぁと思ったのが最初だったのだ。

でも、このアルバムが出た時に、きちんと歌ものだし、バリエーションも豊富だし、ずっと聴いてられるサウンドで嬉しかった。

 

 

⑨Orquestra Afrosinfônica/Orín, a Língua dos Anjos(関係者4位)

これは超カッコ良かったなぁ、、、なんとなく自分が上位に持っていかんくても必ず別の方が上位に運んでくれると思うので、この位置だけど、もうね、アンサンブルとしては神々しかったよね。まずさ、1曲目とか何回聴いたかって。その1曲目、貼っておきます。

 

 

つまりアフロってこういうことなんだよな。太鼓と金属系パーカッションと、、、それできっちり重心下げて踊る感じ。歌が入ってる訳なんだけど、なんか舞いながら歌ってそうなのです。火を囲みながら。そもそもがそういう部分から派生した音楽なんだから不思議じゃないけど、そこの線が見えるって録音物として凄いよなぁってつくづく思う。

 

 

⑩V.A./Rios de Janeiro (Projeto da Lei Aldir Blanc produzido por Yug Werneck & Fil Buc)

まずさ、このジャケットが良いじゃないですか。リオデジャネイロ。しかも複数形ですよ。

これは140人の作曲家から提出された180曲の中から選ばれた曲らしいんだけど、、、まぁいわゆる企画モノって訳だな。

 

 

毎年この10位に関しては、何か未来に繋がるような作品を大予想ということを考えたりしてる。この中で何曲も良い曲を見つけたので、そこからまたアーティストを広げていきたいと思ってます。

 

なお、僕が’’最も影響を受けた(敢えて)リスナー’’でもある、ブラジル音楽の生き字引的存在の中原仁さんが選ぶベスト10は以下のリンクにあるので、是非チェックしてみてください超絶に勉強になりますし、毎年、一番被りの作品が多くて、個人的には胸熱です❣️今年も正座して読んでおります🙇‍♂️

 

 

 

ここからは番外編です✨

 

カルナバケーション/素敵な未来予報

今年はアルバムをリリースさせて頂きました♪

今回は本当にたくさんの方からお祝いのコメントを頂きまして、ふと最近読み返しております。是非ご覧ください❣️

 

 

こんな状況だったのですが、作れたことに感謝です。ちょうど去年の今頃はクラウドファンディングの準備をしていて、不安しかなかった頃で、、、年が明けたら一気にレコーディングもスタートして、そこから半年はずっと制作でした。途中何度も終わらないのか?!と思ったほどでしたが、なんとか駆け抜けることが出来ました。

 

こんなクラウドファンディングをさせて頂きました🙏

 

この一年を振り返って思うのは、妥協なく作れて良かった、とひたすら思います。

コロナになって、制約がたくさん出来てしまったけど、その中でもオンラインとかを使いながら、色んな人の手が加わって、自分の想像をどんどん飛び越えていく感覚。正直なことを言うと、毎回終わった瞬間は『もう一生作りたくない』と思うけど、またみんなと作品を作れたらなぁとも思ってしまうのです。

思った以上に困難は多かったのですが、この日々をカタチに残せたことは自分の人生にとっても、すごく自信になりました。

こうした機会を作ってくれた、いつも応援してくださる皆様には改めて感謝です。

 

 

そして、遠くブラジルとも、、、

「リモート」ということが可能になったからこそ出来たこの作品などは特に思い入れもあります。

これまでの楽曲とは違い『環境』というテーマがテーマだっただけに色々と取材もして頂きました。是非ご覧ください🇧🇷

 

 

 

 

来年はブラジルに行けたらと考えています✈️

コロナ禍に静かに切れたパスポートも更新しないとな、、、🤔

 

 

そしてこの2曲。個人的にはすごく思い入れあります✌️

コロナ禍になってから作った曲なのですが、ミュージックビデオに関しては、いつか「あぁこういう日々もあったよね」というようなね。2021年の日記のような映像だなぁと。是非ご覧ください。

 

 

 

そしてそして、、、全然方向性は変わりますが、、、🙃

 

おかあさんといっしょ/最新ベスト おたすけ! およよマン

そして、私が作詞作曲して、昨年末にNHK『おかあさんといっしょ』で放送されて以来、同番組で何度も放送がありました「かおたいそう」。こちらも秋にリリースされたベストアルバムに収録されました🌈

ボーナス・トラックという扱いで、なんだか嬉しい。。。むふふ。

 

放送がされてから、本当に色んな方にこの話をされますし、お友達のパパママからも褒められて、とってもミュージシャン冥利に尽きる日々を過ごさせて頂きました😁

また面白い曲書けるように、ワクワクした日々を過ごせたらと思ってます。

 

 

と、こんな感じで締めくくりたいと思います✨

 

年内には久々に原宿クロコダイルでライブをすることになってます。

相変わらず、たくさんの人で集まってパーティーしようぜ!って感じに出来ないですが、私たちにとっての聖地ですからね、心込めてライブをお届けしたいと思ってます🤟

 

以下、詳細です❣️

 

 

 

皆さまのミュージック・ライフがますます良いものになりますように、、、✨

 

良いお年をお迎えください🎍

 

村田匠(カンタス)