活性酸素は人間の体内にあって、善悪両面をもつ物質です。

私たちの体には、細菌やウィルスなどの異物が侵入してくると、これらを撃退する免疫が備わっています。

免疫を担うものに、好中球やマクロファージといった食細胞があります。

食細胞は、血液中に存在し、異物を食べてしまいます。
その際、取り込んだ異物を処理するために、細胞内で活性酸素をつくり、活性酸素の酸化作用を利用して、異物を溶かします。

このように免疫に不可欠な活性酸素も、必要以上に多く産出されると、食細胞の外へ漏れ出すようになります。

すると、本来体を守る働きをしていた活性酸素が、血管の内壁や内臓を傷つける結果となってしまいます。


たとえば動脈硬化の場合、血中コレステロールが増加しても、直接動脈硬化にはなりにくいのですが、コレステロールに過剰な活性酸素が作用すると、コレステロールが過酸化脂質という物質に変化します。これが血管壁に付着して、動脈硬化を起こします。

このように、活性酸素は過酸化脂質をつくることによって、あらゆる病気に関与していることが明らかになっています。


主なものを挙げてみても、ガン、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症、肝炎、腎炎、一般の炎症、膠原病、肺硬化症、潰瘍、アトピー性皮膚炎、パーキンソン氏病、男性不妊症、ベーチェット病、川崎病・・と、枚挙に暇がありません。


私は、病気の90%近くが、直接、間接、過剰な活性酸素によって引き起こされていると考えています。


ですから、過剰な活性酸素を抑えることは、あらゆる病気を防ぎ、健康を維持するためのポイントと言えます。


-PHP本当の時代より-