第二の男 | 時代の片隅で...

時代の片隅で...

70年代や80年代のレトロなものが好きです。
日々思うことを書いていきたいと思います。

みなさまごきげんよう

この本を持っていたという話なんですが

第二次世界大戦の戦時には満州方面で
衛生兵として出征したようで
その際にとあるエピソードがあるんですが

今はまずこの国語辞書をなぜ
購入したか?という話なんです

どうやらこの昭和40年にこの男が
辞書を買うとき
なぜ新品でなく古本だったのか?




  買えなかった?


実は新品を買えなかったんです

非常に貧しいにも関わらず

毎晩のように飲み歩いては

月末は家に飲み代のツケが届く

という状態で


妻が全て商売や色々なパート(土方など)

をして家計を支えていた

というんです


そんな状態であるにも関わらず

この辞書をパラパラと

使用感を出すことにこだわっていた

というんです


辞書は使ってナンボ

いかに辞書を使いこんでいるかが

勝負なのだ


と、言ったかどうかは知らないが





この有り様だ


補強することで実際に強度が

増してるかどうかより

使用感を出すということが

この男にとって大事だった


  飲まぬが仏


酒を飲むと荒れてしまうが

飲まないときは

几帳面で料理もできるというこの男


カレーライスはカレー粉から

煮詰めて火入れしては寝かせておく

ということを一週間してから

ではないと子供に出さない


実際、次の日のカレーが

美味しいということを

今では当たり前の話ですが

当時すでに知っていたんですね


他にも


メロンにウイスキーを入れて飲む

などと意外にグルメだったが


若いときは拳闘部に入って

3回戦ボーイだった(弱い)というこの男


裕福な家庭で育っていたが

だんだんと歯車が狂って行く


それが

あの戦争での出来事だった


  貴様っ!


『それが上官に対する口のキキ方か!』


軍靴(ぐんか)でその男は

思い切り叩かれた

その痛さよりも悔しかったのは

名前を呼ばれて懐かしい同級生に出会い

自分も『柴田!』と同級生を呼んだ所

柴田に殴られたのでした


つまりもう


その『柴田』は自分より階級が

上であって歳が同じでも

上官だったんです



※画像はお借りしています



  手榴弾


更に戦地では手投げ弾を『投てき』する

訓練があった



※画像はお借りしています



1、2、サンで投げろ


という説明に


1で手投げ弾のピンをくわえ

2でピンを口で抜き

3で手投げ弾を持つ手を後ろにし

4で投げた


という右手がふっとんだ戦友の

看護をしたようです


この男

だから几帳面で気難しい性格へと

繋がる訳ですね


そしてプライドが高いのもそう

子供の頃はおぼっちゃま

だったが訪れたのは思わぬ戦争だ


人が理不尽に○され

理不尽に殴られる

救っても救っても○んでいく


この男の中で戦争が終わったあと

残ったのは虚栄心と恐怖だったんです


第2の男の正体とはこれいかに!


というところで話がいよいよ

佳境になっていくところでありますが

残念ながら今回はここまでと

なりました



続きは次回にへと繋がっていきます...