やっと駆けつけたときには、火葬場でした。
最後に顔を見ることができて良かった。
たくさんの話を教えてもらった祖母。
その昔、子供を背負って、土方仕事でやっと暮らしていたと話していました。雨の日でも子供を背負って現場に行ったときのこと、親方に『雨だから今日は仕事にならないや、熱心なのはいいけど、今日は休みだ。』と言われたとき『わっちは、雨でも現場に来たのは少しでも金になるとわかってたからだよ。誰が子供背負って土方なんかやりたいもんか。』と啖呵を切ったと言ってました。
大正生まれの祖母は頭が良いのに、決して頭が良いそぶりを見せませんでした。よく一緒に酒を飲んだとき世の中と人間性についての話を聞いたことも思い出されます。
寂しいですが、教えてもらったことは、私の中でちゃんと活きています。