藤井聡京大院教授、中野剛志京大院准教授、三橋貴明氏といえば、保守左派・極右として知られる西部邁先生クラスタの学者で、私もずっとフォローしてきた好きな部類の人たちなのですが、彼らが講師となって自民党・安藤裕議員らと勉強会を催しています。

これは、山本太郎議員もたびたび言及しているので、気になっていた人もいると思いますので、少し説明したいとおもいます。

この勉強会、すでに1年くらい続けられていて、主に積極財政を推すグループとなります。

先日出された「日本の未来を考える勉強会」の提言書を見てみましょう。
 

▼ 日本の未来を考える勉強会 提言Ver.2 2018年5月11日
https://www.andouhiroshi.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/62e04b2beb720db169bf64ec9d395bef.pdf

要約すると消費税は凍結ないし減税、PB黒字化目標凍結、積極財政って感じです。

積極財政の部分を抜き出すと以下の通り。

4. 「2019 年経済危機」を乗り越えるためは 20~30 兆円規模の超大型対策を
2019 年には「働き方改革」における残業代の縮小で最大 8.5 兆円の所得の圧縮や、
オリンピック特需の終焉に加えて、10%への消費増税が断行されれば 2019 年には大幅
な経済低迷圧力がかかることになる。これを乗り越えるために 20~30 兆円規模の超大
型対策を、実施することが必要である。

5. 成長を効率的に促す「未来投資長期プラン」を策定し、18 年度から開始
人口減少下の日本においても経済成長を効率的に促す生産性革命や地方創生、そし
て首都直下地震や南海トラフ地震等事前防災に対する国土強靭化、国際競争力の強化
に資するインフラ整備(新幹線、高速道路、港湾、都市鉄道など)や科学技術投資、教
育投資、防衛装備投資などの「未来投資事業」を合理的に進める「長期プラン」を策定
し、地方交付税増額も含めつつ、(19 年度危機対策もかねて)18 年度中から大規模か
つ持続的に推進する。


なかなか良い線ついてるなあと思います。
大筋は藤井先生の理論がもとになっている感じですが、結論としては...、まあ、まだ大丈夫かなという印象。
彼らはまだ肝心なことに気づいてないと思います。

私は極右を標榜しているので、当然のことながら、反日ネオリベ自民党が大っ嫌い。
2012年くらいまでは多少支持していたのですが、TPPに前のめりで突っ走る安倍政権を、尾辻議員ら以外止めようとしなかったので、政党としては終った存在だと思っています。

たとえ彼らが経済政策で多少良いことを言っても、自民党伝統の金持ち優遇亡国政策を続けているかぎり日本をダメにするし、民主主義も理解してないクズどもが心を入れ替えるとは到底思えません。
本来なら保守・右翼がネオリベ自民党と相容れることは絶対にないのです。


そんなわけで、安藤議員のサイトに「日本の未来を考える勉強会」のビデオもあるので、気になる方はおさらいしてみてください。

▼ 安藤裕議員 公式 「日本の未来を考える勉強会」
https://www.andouhiroshi.jp/category/workshop

そのなかでも私のお勧めは藤井先生のこちらのビデオです。

▼ 「日本の未来を考える勉強会」ー成長可能な財政規律を策定せよ〜デフレ完全脱却までPB目標設定・消費増税の凍結を〜
平成30年2月5日 講師:京都大学大学院教授・内閣官房参与 藤井聡氏
https://www.youtube.com/watch?v=iITJAuuaWd4

もうひとつ、こっちは中野先生のほうの講演なんだけど、信用創造システム=借金通貨経済なんかについて語っています。
中野先生は経済産業省時代にテレビの生放送でTPPに大反対しブチ切れたことによって放送事故扱いとなり、NEDOに飛ばされ、一度社会的に抹殺された経緯のある真の愛国者です(笑)

▼ 「日本の未来を考える勉強会」ー貨幣と経済成長ー 
平成30年3月7日 講師:評論家 中野剛志氏
https://www.youtube.com/watch?v=PIVG7XDGrH4

上記ビデオを見て、自民党議員にここまで気づかれてしまったか、という印象です。
さすが中野先生。

天野統康さんや私がいつも言ってるようなことがここで説明されています。
…というか本当は自民党には気づかれたくなかったのですが...。


中野先生のこのビデオのほうは若干難しいので、信用創造マニアレベル初級以上じゃないと理解できないと思いますが、中野先生も過度なインフレへの対抗策にインタゲを想定しているようです。

5/11の「日本の未来を考える勉強会」の記者会見のビデオもありますので、こちろもよければどうぞ。

▼ 「デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言(Ver.2)」記者会見 平成30年5月11日
https://www.youtube.com/watch?v=7OLxF5jZOBw

自民党議員の賛同者が39名いて、これからも増えるとか。
しかしこの記者会見を見て気づくのは...、良くも悪くもですが、和田正宗と杉田水脈というバカが参加しています。
おそらく彼らはわけもわからず「いっちょ噛みしとこか」くらいの感じで名を連ねたのだろうと思いますが、バカと名を並べることを避ける自民党議員からの支持が集まるのかという懸念もあり....、とにかく、いずれにしても私としては複雑です。


理想としては、緊縮財政の安倍政権をブッ倒すのは積極財政を掲げる野党であってほしいと思うのです。

彼らは二階幹事長に当該提言を提出すると言っていますが、それは二階さんが積極財政派だからということなのでしょう。
日本が良くなってほしいとは思うけど、クソ自民にはクソのままでいてほしい。
いやあ、複雑だ。


いずれにしても、この安藤議員ら「日本の未来を考える勉強会」は、自由党以外の野党よりはぜんぜん先に行ってる。

野党よ、マルクス経済学にこだわるな!

松尾匡先生と、太郎議員に学べ!

 

…と言いたいです。



 

本日はここまで。

ご覧いただきありがとうございました。

また次回

 

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