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先日の施政方針演説と野党党首の質問に対する答弁で、我らが安倍ちゃんがまたまたトンデモ珍演説を繰り広げていました。

「憲法は国民の理想を語ったものであり、その国民の理想を示すため改憲をしなければならない!」というようなことを発していたのです。

もちろん憲法は国家の理念を表したものであるという見方もありますが、それよりももっと重要な基本原理は「憲法は政治権力を制限するためのもの」ということです。
 

第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


大前提として、国会議員や公務員は憲法を守らなきゃいけないし、憲法こそが公務員の行動規範となるんですよ。

私達一般国民の行動を制限するものが民法や刑法だとしたら、公務員の行動を制限するものが憲法なのです。

憲法は、私達国民が、公務員を暴走させないようにつけた首輪なのです。


安倍ちゃんの発言を受けて、すぐさま立憲党首の枝野氏は「憲法は政治権力を縛る規定。定義も理解できない人とまともな議論はできない」と一刀両断しましたが、安倍氏と自民党は、上述した「憲法は国民の理想を語ったもの」という発言を再三繰り返していますので、これから「国民の理念を示すために改憲や9条への自衛隊明記を促す」旨のプロパガンダを執拗に講じていくのだろうと予想できます。

安倍ちゃん達は憲法がどれほど重要なものなのか、まったく理解していないどころか、その解釈を捻じ曲げ、悪用しようとしているのです。
いや、彼らは憲法の重要性を理解しているからこそ、公務員に対するそのクビキを断ち切るために、嘘の解釈をもって国民をミスリードしようとしているのではないでしょうか。


僕も最近まで憲法にあまり興味がなかったのですが、民主主義とその成立過程、立憲主義や憲法のことを学び直すうちに、安倍ちゃんがどれだけヤバい奴なのかより理解できるようになりました。

安倍ちゃんの愚かさ、憲法や民主主義に対する無知を再確認できるうってつけのビデオがあります。

▼ 安倍総理の憲法への無知・無責任を明らかにした小西ひろゆき参議院議員の質疑
(2013329参議院予算委員会)
https://www.youtube.com/watch?v=vmu08w0ZJh4&feature=youtu.be

 

 

上記ビデオが示すとおり、安倍ちゃんは「基本的人権」がどの憲法条文にあるかも知りませんし、憲法学者の芦部信喜さえ知りません。(芦部さんは「芦部憲法」と言われる現代の憲法解釈を確立した最も有名な憲法学者です)

この質疑応答が行われた13年当時、僕も何がヤバいのかいまいち理解できず「また左翼が難癖つけてるのかなあ」と感じていましたが、この答弁後にいろいろ調べるうちに、安倍ちゃんの発言がどれだけヤバいことなのか理解するに至りました。

まず、憲法の1〜8条は天皇のあり方を規定する条文で構成されており、9条はご存知の通り平和主義に関する条文、そして11〜13条が基本的人権や、自由主義、公共の福祉などを記した該当部となります。
(10条は「国民の要件」を示す簡単な条文ですので説明を割愛します)

最初にこの国の王の権利や行動を制限する規定があり、その次に平和主義、そして次に主権は王ではなく国民に在することと、そのすべての国民が有する人権の説明となります。
さらに、主権を有する国民の人権がぶつかってしまうときの調整弁として「公共の福祉」を機能させるともしています。


つまり、「基本的人権」は、平和憲法と並ぶ、非常に非常に重要な概念となるわけです。

公務員(国会議員は特別公務員)が守らなければいけない憲法の最重要部分に書かれているのが、平和主義、国民主権、基本的人権(自由主義)の原則なのです。

ていうかこれ、中学生の時に学校で習った「憲法の三大原則」ですよ。

そして憲法以前に、民主主義の大原則でもあるわけなんですね。


民進・小西議員は、安倍ちゃんが基本的人権を示した条文を答えられないと見ると、答えられやすいようにもう少し的を絞り「では、幸福追求権を示す条文は何か?」と問うています。

ところがこの問いにも安倍ちゃんは答えられない。

 

第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする


そこで安倍ちゃんはこう反論しています。

「これはね、大学の講義ではないんですよ。
こんなやり取りが生産的ですか?
まず人を指差すのは止めたほうがいいですよ。
これは人としての初歩ですから。
それとですね、憲法の条文を今クイズのように聞かれてもひとつひとつはわかりません。
その質問に何の意味があるんですか?


このように言い訳がましく、民進・小西議員を嘲笑しながら答弁していますが、、、、
はっきり言って、こんなことも知らない人間がわが国の首相、行政の長であり、おまけに「憲法改正の首謀者」ってヤバすぎないですか??
(彼自身は「立法府の長」でもあるつもりですので、なおさらヤバイということになりますが)

私達一般国民が、上述した小西議員の問いに答えられないのであれば、これは仕方ない。

でも、安倍ちゃんはLaw Makerたち(国会で法律を作る役割を担う議員のこと)が選出した総理大臣ですよ??笑


上記ビデオで、小西議意が重ねて追及しています。

「今総理が答えられなかったことは、大学で憲法学を学ぶ生徒は一学期で学ぶことです!
こんなことはみーんな知ってることです!
13条は日本国憲法が何のためにあるのか、また日本国憲法のもとで立法府、行政、司法が何のためにあるのか、それがすべて行き着く究極の条文なんです!
この憲法13条がわからないというのは、驚愕の事実なんですよ、総理。
私は官僚時代に一日たりともこの13条を忘れたことはありません!」


安倍ちゃんのようなオツムの弱い63才児が、憲法を遵守しなければいけない立場である公務員を束ねる行政府の長である事実は、本当に本当に恐ろしいことなんです。

これは確かにインテリ左翼が怒るわ(笑)
いや、これは今日はじめて本件を知ったという人も含めて、誰もが怒っていいでしょう。

加えて言うなら、憲法を理解していないってことは、民主主義の成立過程や立憲主義をまったく理解していないということにもなります。

主権在民、自由(人権)、平等、とそれを調整するため公共の福祉。

この人類の究極の理念を成し遂げるために、いったいどれほどの人間が人類の隷属の歴史に立ち向かい、絶対王政との戦いで犠牲になり、そしてどれほど哲学者や思想家が何百年ものあいだ苦心したことでしょう。


http://ch-gender.jp/wp/?page_id=385
フランス人権宣言(1789年)。人権宣言をもとに憲法が確立された。

フランス革命は、フリーメイソンを中心とするジャコバン党により成し遂げられたので、人権宣言の上部にもプロビデンスの目が輝いていますが、メイソンには功罪の両面があり、民主主義の確立はその”功”の部分となります。

フランス人権宣言の1条と2条は自由と人権、そして平等の定義、3条で人民主権、4条で公共の福祉の定義を規定しています。

そう。これ、日本国憲法とほぼ同じ構成です。

だから憲法というものは民主主義そのものと言っても過言ではないのです。


おい、安倍。

民主主義を作った我々の先輩達は、人類が二度と隷従の憂き目に会わないよう、暴走する政治権力を抑制するために憲法を作ったんだよ!

そもそも憲法は「国家の理念を示したもの」なんかじゃないし、人類史において「人権」がどれほど重要な原則か知っていれば、そして国家公務員であれば、憲法の何条に「基本的人権」が規定されているかなんてわかるはずだ!!!

てめえのような抑圧されたこともないCIAスパイの孫の糞ボンボンが教養もないくせにテキトーほざくな!!

ホッブス、ロック、ルソー、モンテスキューから読み直せバーカ!!
(僕もちゃんとは読んでませんがw)

ということです。



ところで安倍ちゃん、成蹊大学法学部を卒業したはずなのに、上記ビデオで「私は学生時代に憲法を学んでいない」と豪語しています。

むむむ。
これもおかしいぞ。
法学部に属しながら憲法を学んだことがないというのは無理がある。

安倍の恩師が『安倍晋三氏は必修だった私の受け持ちの政治学の授業に一度も出席しなかった。だから不可を付けたが、気が付いたら卒業していた。』tと発言しています。笑

これって授業に出てない、単位取れてないってことなんじゃないの??

ま、まさか裏口卒業ですかあ???

彼は二年前まで南カルフォルニア大学政治学部留学と学歴を詐称していたので、嘘で塗り固めた人生なのでしょう。
 

▼ 安倍首相の成蹊大学の恩師が涙ながらに批判!「安倍くんは間違っている」「勉強していない」「もっとまともな保守に」
2016.06.05 リテラ
http://lite-ra.com/i/2016/06/post-2310-entry.html
【抜粋】
恩師であり、理解者。そして教え子を批判する者たちからかばってきたという宇野氏。
だが、その宇野氏ですら、現在の安倍首相の姿や政策には忸怩たる思いを抱かずにはいられなかったようだ。

 宇野氏はなんと、このインタビューで涙を浮かべながら安倍首相をこう批判したという。

「彼は首相として、ここ2、3年に大変なことをしてしまったと思います。
平和国家としての日本のありようを変え、危険な道に引っ張り込んでしまった。
現行憲法は国際社会でも最も優れた思想を先取りした面もある。
彼はそうしたことが分かっていない。もっと勉強してもらいたいと思います。

彼の保守主義は、本当の保守主義ではない(略)
彼らの保守は『なんとなく保守』で、ナショナリズムばかりを押し出します(略)
私は彼を……安倍さんを、100%否定する立場ではありません。
数%の可能性を、いまも信じています。
自己を見つめ直し、反省してほしい。
もっとまともな保守、健全な意味での保守になってほしい。
心からそう願っています」
 




まったく、困った63歳児です。

マクロ経済もチンプンカンプンだし、憲法の「け」の字も理解できていない。

おまけに大学を裏口卒業した疑いさえある。

これでも支持を続ける安倍サポは教祖様を祭り上げる狂信者なのだろうと思いますが、いい加減に気づいてほしいもんですね。


本日はここまで。


次回は自民党改憲草案から削除された「公共の福祉」と、加えられた「緊急事態条項」について書いてみたいと思います。

お楽しみに!

ご覧いただきありがとうございました。

cargo

GOKU

 

 

【追記】 憲法学者の小林節先生が、私が今回言っていることとほぼ同じことを言っている(笑)

ちょっとびっくりしたけど、僕の説が間違いではない、ちゃんとした学術的裏づけがあることが確認できて安心した。