①1984-1 b.jpg

昨日の続きです。
ダブルスピークについて  ~たった37回の振動の違い vol.1
http://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12028306165.html

オーウェルの「1984」の表紙(何版目かは不明)には、

WAR is PEACE
FREEDOM is SLAVELY
IGNORANCE is STRENGTH


と、でかでかとタイポグラフィーが掲げられています。


戦争は平和、自由は隷属、無知は強さ....


これが、"1984"の本文中に出てくる、「ダブルスピーク」の一例です。



このへんのことを、井坂幸太郎さんは、2007年の"ゴールデンスランバー"の中で、中学生の言葉を借りる形でこう語っています

② ゴールデンスランバー.jpg

(前略 : 病院の喫煙室で)


「何の話?」田中徹は隣に座る。
「警察庁の総合情報課って、いつのまにできたんだって山田君が言うからね」と彼が指差した先には、仙人じみた風貌の皺だらけの老人がいて、「俺の知ってるのは、公安とか捜査一課だからねえ」と言っている。
この老人相手にも君づけなのか、と田中徹は少し、感心した。
「いつできたんだっけ?」
「三年前。警備局を再編成した時だよ」
「おまえ、なんでそんなに詳しいんだ?」
「入院患者は暇だからだよ、田中君」と彼は真顔で答える。
「でね、公安とかって、すでにいろんなイメージがついちゃってるでしょ?治安維持って言葉も、安全保障って言葉も、きな臭いイメージあるし、そもそも、国家、って言葉が怖いくらいだ」
「おまえさ、もっと中学生らしい話し方しろよ」イメージというのならば、この中学生には、若者のイメージが似合わなかった。
「だからさ、そういう時は抽象的で、何てことない名前をつけるに限るんだ。たとえば、総合情報課。何やってつ課なのか分かんないけど、情報は大事だな、って一般の人は感じるじゃない。何か悪くない部署なんだろうな、ってイメージができるでしょ。公安課よりもずっといい」
「そういうものか?」田中徹は煙草に火をつける。

「思いやり予算てのも、あるでしょ?」
「ないよ」知らなかったので田中徹は否定した。
「あるって、田中君。在日米軍の駐在経費のうちさ、日本が出してあげてるお金のことだよ。思いやり予算なんて言われると、慈善事業に使っているような気分になるけど、 結局は、米軍のために払ってるだけなんだよ。アメリカに対しての思いやり、ってよく分からないでしょ。これもきっとネーミングの技術だよ。聞こえが良い名前はたいがい怪しい。思いやりとかふるさととか、青少年とか、ホワイトカラーとか」
「偉そうだなあ、青少年」と田中徹はからかうように言った。
ふん、と中学生は鼻に皺を寄せた。「あのさ、政治家とか偉い人ってさ、一般人には大事なことを説明しないで、水面下でいろいろ進めるんだから、気をつけたほうがいいよ、田中君」と言った後で、「山田君も」と老人を見た。

「例のセキュリティポッドにしたって、いつの間にか導入されたでしょ。プライバシーの監視を堂々とやってるのに、誰も怒らないし、そのほうが怖いって」
「まあ、そうかもな」と田中徹はのんびりと答え、口から煙を細かく吐き出した。
「けどまあ、物騒な犯罪が増えるよりマシじゃね?もともとそこから始まったんだし」
「でも例の連続殺人犯だって、結局、捕まってないし」

仙台市がセキュリティポッドを導入し、全国ではじめて、情報監視区域のモデル都市と定められたのは、二年前に起きた連続殺人事件が契機だった。


(中略)


「アメリカで例の自爆テロがあって、すぐ愛国者法ってのができたでしょ」中学生は雄弁だった。
「良さそうな法律だな」
「これさっきのネーミングの技術だよ愛国って言えば、良さそうだけど、中身は何てことない、政府が国民の通話記録やEメールの送受信記録、何でもかんでもデータを覗けるって話だ」
「何だよ、それ」
「前はね、誰か怪しい人間がいれば、そいつの情報を手に入れればよかったけど、いまやどこにどんなテロリストが紛れ込んでるのか分からない。だから、もう、全員の情報を全部押さえて、怪しい奴を探すってやり方に変わったんだよ。世の中は」
「アメリカは自由を重んじるんじゃねえのかよ」と田中徹は嫌味交じりに言ってみた。
「テロを防止できるなら、政府の監視もしょうがないって割り切る人が多いんじゃないの?現に、日本だって、仙台で監視をはじめますって言ってもあっさりだったし」
「そこまで監視されてるとは思ってねえんだろ。殺人犯が捕まるならしょうがねえなあ、ってくらいの感覚だよ」
「まあねえ。でもさ、僕が思うには、あのキルオの事件もね、作り出されたものだよ」
「作り出されたもの?」
「国民を怖がらせて、監視システムを導入しようとしたんだよ。そうに決まってる。怖がらせれば、たいがいのことは受け入れられるんだ、この国の人間は」
田中徹は笑った。中学生のおまえが考えるほど、物事は単純ではない、と言う。「簡単に国民が騙されるかっての」
「現に、導入されたじゃないか」

(抜粋終了)


中2病患者のたわごとの中に内包した、「中学生でもこの程度のセオリーは理解できるんだぞ、おまえらもいい加減気づけよ」という著者のメッセージなのかもしれません。



どっかの総理大臣がぶちあげた「積極的平和ナントカ」とか「国際平和支援法案」とか、、、まったく、もうね。


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③ 007b.jpg

さて、ビッグブラザーの工作員の話ですが、

工作員ていうのは、なにも黒幕の人達から指令が下って、そのプランに沿って工作活動を行うわけではない場合が多いようです。

工作員たち本人も、自分が工作員であることを知らない場合が多い。


マイ○ル・グリ○ンさんや、リチャ○ド・アーミテ○ジさんから電話がかかってきて、「行政の力を弱くして、大阪市民の富を外資に付替える為の道筋を作っておいてくれな、橋下くん」と指令が下るわけではないのだろうと思います(たぶん)。

もちろん”日米年次改革要望書”のような対日工作ガイドラインや、”CSIS”のような対日工作機関も存在するので、直接的な命令が下る場合もあるにはありますが。


彼らビッグブラザーが作り出す社会システムや世論統制の結果として、

我々一般市民も含め、いつのまにか、知らないうちに、自然と工作員になっている状況が作られているということです。
(被害妄想でも糖質でもないっすよw)



この世界では、売国奴であればあるほど、評価され成功し、売国すればするほどお金儲けできます。

世界の支配層の意向に沿うことで成功できるので、「自分のやってる事は正しい」と信じこむようにセルフ洗脳していくわけです。

メインメディアも世論も、それを後押しする。

そうやって自然に工作員になっていく。


地方自治体のいち首長にすぎない人間が、ヤング・グローバル・リーダーなどとおだてられて、ダボス会議(世界経済フォーラム)に呼ばれたりもする。


この罠にハマると、自分だけはそれなりに成功することができても、結果的には、自分の属するコミュニティに不利益をもたらし、崩壊に繋がることとなるのですが、彼らは、その事に気づけない。

もしくは、知っててあえて利用する。



国家単位での例を挙げるなら、グローバリズムの雄などと称される韓国なんかは、もうビッグブラザーさん達に侵略しつくされて「終わった国」となり果ててしまいました。

国民の生活そっちのけで、売国の限りを尽くし、グローバリズムに迎合した結果、総労働者数の2割しか属していないサムソンなどのグローバル企業(10大財閥)が、GDPの8割を占めるような状況に陥り、
さらにはそのグローバル企業の株式の7割以上を外資に保有されているので、 韓国人たちはどんなに必死に働いても、その富を外国人に搾取されるかっこうとなっています。

また、内需が2割しかないので物価は高騰、スタグフレーション化、格差社会は広がり、もう企業は、何のために経済活動しているのかわからない状態で、ナッツの為に搭乗機をリターンさせる始末です。


④ thrive 2.jpg


こういった状況下では、為政者や企業のトップたちは、グローバリストの工作員と成り果て、

「隷属」「自由化」と、

「解体」「改革」と、

「売国」「民営化」と、

「アメリカ資本に下ること」「グローバル化」と、

「ルールの破壊」「規制緩和」と、

「合コン」を「紳士の社交場」といったふうに、

ダブルスピーク翻訳し、市民に向けて絶賛押し売り
してくれているわけです。


これらは、安倍首相や橋下市長、あらゆるBKD達が使う常套句ですので、テレビ新聞でもよく見かけるでしょう。


BKDの皆さんは世界中に生息していて、国境を越えて活動し、「グローバル帝国(世界統一政府)」を着々と形成していこうとしています。

また、このダブルスピークの使い手であるBKDの皆さんは、ある時は愛国者の仮面をかぶり、またある時は地球市民や優秀な実業家の仮面をかぶって、「国家」や「コミュニティ」という大事な枠組みを破壊するべく、雄弁に、また巧妙に世論を操作していきます。




個人的な推しメンでもある山本太郎議員が、本人の属する「生活の党と山本太郎と仲間達」という党名はふざけてるのか?と、記者たちにつっこまれた際に、

「自由民主党」という、「自由」で「民主的な」党というネーミングのほうが、よっぽど皮肉めいてるじゃないか、とつっこみ返したくだりが、"ダブルスピーク"の全てを物語っているのだと
思います。



今回はここまで。

もうちょっと続けたいんで、続きを次回に持ち越すこととさせてください。

では。

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