①untitled b.JPG
http://grumpyelder.com/2013/05/putin-called-he-wants-his-kgb-back/
①2 U.S.A.++has+become+a. b.JPG
http://geofinancial.blogspot.jp/2011/11/usa-has-become-kleptocracy-oligarchy.html


前回は、欧米の支援を受けた新興財閥・オリガルヒに対抗して、「ロシアを国民の手に取り戻す」ための戦いを繰り広げるプーチンさんの話。
(確かどっかの国の首相も「○○を取りもろす!」と息巻いてたくせに、結局負けて操り人形と化していたような...)

そして、ロシアの隣国をロシアから分断するために、各地で民主化という名の紛争を起こす欧米グローバリスト勢力の話でした。

これの続きね。
ロシア-ウクライナ紛争の背景をおもしろく語る①
http://ameblo.jp/cargoofficial/entry-11840375673.html


②8 Yulia Tymoshenko,.jpg
http://matome.naver.jp/odai/2125841923467845552

そういう状況を背景に、2004年、隣国ウクライナで、ロシア寄りの政権を、欧米寄りのユシチェンコ大統領とティモシェンコ(美しすぎる)首相らが打倒し、「オレンジ革命」を成し遂げました。

もちろんユシチェンコやティモシェンコは、欧米の(特にアメリカのヘッジファンドのジョージ・ソロスの)資金援助を受け、政権奪取したという背景があります。

ロシアはそれまで、ウクライナとは仲良くやっていたので(傀儡とも言えます)、ロシア産のガスを1000立方メートルあたり約50ドルで売っていましたが、

オレンジ革命を機に、ウクライナが欧米グローバリスト側に寝返ったので、ガス料金を1000立方メートル160ドルに、約三倍に値上げしました(笑)。

③2009014132136.jpg
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090104/1231043796

これには資源も経済産業も乏しい貧困国であるウクライナは「ちょちょちょ、ちょーっと待ってよー!!」と悲鳴を上げました。

そして、欧米側のメディアもこぞって「ロシアはウクライナに対して、非人道的だ!!」と、徹底的な批判キャンペーンを繰り広げます。


でもロシアにとって、「ガス産業」は国の礎とも言える基幹産業で、大事な資金源です。
(なにしろロシアのGDPにおけるガス産業の占める割合は25%ですから)

もともと、ロシアとしては「安全保障協定を結ぶんなら、ガスを安い値段で売ってあげるよ」とウクライナに約束していたので、「安全保障協定が破談にされたから、ガス料金を上げただけなんだけど」という論理です。

そのロシアの主張を裏付ける証拠に、ベラルーシやアルメニアなども、「ロシアとの安全保障協定とのセット価格で、ガスを安価で譲ってもらう契約」を結んでいて、、
彼らは安全保障協定を継続しているので、1000立方メートルあたり約50ドルで価格が据え置きになっています。

しかも、それまでも90年代から、ウクライナはロシア産のガス料金の支払いをたびたび踏み倒していたので、ロシアとしては「悪いけど、もう自業自得だね」というわけです。

④ガス b.JPG
http://www.afpbb.com/articles/-/2554812?pid=3653700
④2 4122 b.JPG
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/4122.html
④3 a47af790950af b.JPG

http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/a2a46ec6b04ea5cd7f079487f2108586


そして2005年、「ロシアウクライナ・ガス紛争が勃発します。

ロシアのガス事業を独占するガスプロム社が、ガス料金を支払わないウクライナに対して、ガス供給を停止したのです。
(ちなみにウクライナの電力供給におけるロシア産ガスへの依存度は約50%。 ガス止められたら死にます)

ウクライナへのガスの供給を停止したと言っても、ロシアのガス・パイプラインはウクライナを通って、ヨーロッパまでつながっていますので、

ロシアはウクライナへのガス供給分にあたる30%だけを減らすため、パイプラインの元栓を3割ほどキュキュっと閉めました。

これなら、ウクライナのパイプラインを通るガスの70%は、変わらずヨーロッパに供給し続けることができます。


ところが、あろうことかウクライナはひそかにガス・パイプラインに穴を開けてガスを盗んでいたのです。(笑)

⑤ガス泥棒7ccd7b3d-s b.JPG
http://blog.livedoor.jp/sekaitimes/archives/19094064.html
写真はウクライナではなく中国のもの。あくまでイメージです


びっくりしたのはヨーロッパです。

いままで、普通に出てたガスが、なんか出が悪い。

70%供給されていたものが、ウクライナが途中で盗んだことにより、40%くらいまで減ってたんだから当たり前です。


ロシアのガスを、ウクライナのパイプライン経由で輸入するヨーロッパの大国といえばドイツ。

ドイツ以外にも中欧のポーランドやブルガリア、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、オーストリアなどは、そのエネルギー供給の約10~30%をロシア産のガスに頼っていたので、大騒ぎです。
ヨーロッパは天然ガスの25%~30%をロシアから得ていて、その半分はウクライナ経由


さらにこの状況を受け、世界を流通する天然ガスの相場は、とたんに暴騰しました。

普通なら、この状況を受けて、国際社会は、ガスを盗んでみんなに迷惑をかけたウクライナを批判するはずです。

ところが、国際社会は、ガス供給を減らしたロシアを非難し、袋叩きにした。


実は2000年代中盤、こんなことが何度も起きているのですが、ウクライナがガス料金の支払いを滞納するたびに、ロシアはそれをもてあそぶかのように、ガスの元栓をキュッキュキュッキュと開けたり閉めたり。
(おそらく、したたかなロシアはガス供給を、EUに対する外交カードとして使うべく、このような策をめぐらせた面もあるのだと思います)

その度に、ウクライナはガスを途中で盗み、それを受けてEUは大混乱。(笑)

⑥元栓 b.JPG
http://www.afpbb.com/articles/-/2360269?pid=2706167


2006年、ウクライナに、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領を中心とした政権が生まれます。

ヤヌコビッチは、「ロシアとも仲良くしないといけないけど、欧米の圧力も怖いし、マジどないしょ?」というスタンスです。

結局、ヤヌコビッチはロシアとの関係を修復し、ウクライナに対するロシア産ガスの値段は、1000立方メートルあたり約100ドルに落ち着くのですが(元の価格の二倍)、ウクライナはロシアとEUのあいだに挟まって右往左往。

「ロシアとの安全保障協定と、安価でのガス供給」と、「欧米グローバリスト勢力との経済的奴隷契約」とのはざまのジレンマです。

どちらかと言うと、ロシアの覇権に取り込まれるほうが「アメ」だと思うのですが、、、欧米グローバリスト勢力による「爆撃によってウクライナを焦土化するというムチ」も怖い。
(欧米の傀儡になることを拒否したイラク、アフガン、リビア、シリアなどは、欧米による攻撃で、筆舌に尽くしがたい凄惨な状況に陥っています)




一方、天然ガスの供給不安に直面したEU諸国は、ガスの調達先や輸入ルートの変更、原子力発電の見直しなども視野に入れた、エネルギー政策の転換を模索し始めました。

というのも、このまま、EUの安定的な電力供給に対する不安材料を、ロシアが主導的に握っている状況は、たまったもんじゃないからです。


2009年、ウクライナのガスプロムに対するガス滞納料金は2100億円に膨らみます。

⑦1 2012110200003_1 b.JPG
http://globe.asahi.com/feature/2012110200003.html
⑦2 シェール01 b.JPG
http://www.eco-word.jp/html/04_energy/en-23.html

どうしてもロシアの影響力の拡大を阻害したい欧米は、2012年、「シェールガス革命詐欺」という苦肉の策を計画し、実行するに至ります。

これは、「アメリカやカナダですごい量のガスが取れたぞーー!!!」と大声で叫ぶことによって、世界に流通するガスの価格を下げて、ロシアに打撃を与え、国際的な発言力と影響を奪うためです。

(*このへんは、ぼく個人の憶測も多くはらむのですが、、、そもそも世界中どこにでもガス田や油田はあって、グローバリストさんの都合のよいタイミングで、「ここにガス田発見!」と号令をかけることで、世界統治のシステムをより確固たるものにしていく、という策略なんだと思うんです、それによって安全保障面から株価から、いろんなことをコントロール下に置けますし。 ロシア産のガスからの離反を決めた直後に、こんなタイミング良く新しいガスが見つかるわけないですよねw)


ところが、2012年に声高に叫んでいた「シェールガス革命」だったが、予想以上にガスの埋蔵量が少なく、またその採掘にかかる経費も膨大で、採算が取れないことが徐々に明らかになってきています。
(おそらくこの点は、グローバリストさんたちの思惑の範疇外だったのか、詐欺が露呈していっただけかと思います)


⑧マイダンimg_ b.JPG
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http://0p0td.blog.fc2.com/blog-entry-2319.html

2014年、どうしようもなくなった欧米グローバリスト勢力は、「もう、めんどくさいからウクライナ潰すべ!」ということで、、、デモ隊を扇動して「ウクライナ騒乱」を起こしました

実際にウクライナのヤヌコビッチ政権(親ロシア派)をクーデターによって打倒したのは、CI△のポーランド支部と、NATOの指揮下にあるUna-Unsoという武装組織、そしてウクライナの極右ナオナチ組織ズヴォボダ党だったのです。

さらには、親ロシア派をぶっ潰すために、アメリカ系の民間傭兵部隊であるブラックウォーター(現アカデミ)やグレイストーン、米軍のターミネーター無人機を、ウクライナに送り込み、ひそかに軍事行動を行わせています。

その影では、アメリカのヌーランド国務次官が「ウクライナの反ヤヌコビッチ勢力を援助するために50億ドル投入した」と発言したことなどを皮切りに、欧米グローバリス勢力による卑劣な裏工作が、どんどん暴露されている状況もあります。


それにもかかわらず、現在みなさんが日々、テレビや新聞を通して目にするように、欧米&日本のプロパガンダ機関であるマスコミは、、、、

「EUに入ることを望むウクライナ市民達が、自由と民主主義を求めて、独裁者である親ロシア派のヤヌコビッチを打倒した!!」

「ロシアの強行な軍事行動は、国際法に違反しているから、経済制裁だーー!!」

などと、大嘘の報道をして、我々西側の庶民を欺こうとしているのです。


そしてわが国日本に対して、宗主国アメリカ様は、、、

「おまえもロシアへの経済制裁に加われよな」

「おまえ、わかってるよな?ロシアのガスを買わずに、うちのシェールガスを高値で買うんだ」 などと脅迫。


マスコミは「日本企業、シェールガスに商機!」などとプロパガンダしだし、

騙された企業は喜び勇んで(騙されたフリをしなくてはいけないのでしょうがなく)、米帝様とシェールガス貿易の商談をしにいく。。。(笑)




どうでしょうか?

ロシアーウクライナのガス紛争、現在のウクライナ紛争に至るまでの過程、そしてそれをめぐる欧米グローバリスト勢力の攻撃、、、おもしろおかしく読んでいただけてたら幸いです。


では。





【参考】ーーーーーーーーーーーーーー


ロシアの新興財閥 - Wikipedia?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%96%B0%E8%88%88%E8%B2%A1%E9%96%A5

ロシア・ユダヤ人実業家の興亡  田中 宇
http://tanakanews.com/e0309russia.htm

Russian Mafia is in fact Jewish (part 1)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=FG_bACkcDL8

Rothschild Russian Oligarchs vs Putin
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=GU3SkEellQE

ロシア最大ガス会社”ガスプロム”とエネルギー市場
http://s.ameblo.jp/jacqueline508engcafe/entry-11747231463.html

ロシア・ウクライナガス紛争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%B4%9B%E4%BA%89

ガスプロム - Wikipedia?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%A0

図録天然ガス供給のロシア依存度
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/4122.html

ウクライナの国情およびエネルギー事情
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=14-06-02-01

ロシア財政危機
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%8D%B1%E6%A9%9F

オレンジ革命 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E9%9D%A9%E5%91%BD

シェールガス革命
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%9D%A9%E5%91%BD

ネオナチが作ったウクライナ偽政府に反対しているロシアに対して、米がロシアへの追加制裁
http://hellow42.blog.fc2.com/blog-entry-292.html