コンタクト・インプロビレーションから真善美、MEME論、バランシング作用、不確定性原理とか


先日、映画監督兼役者やってる友達と話してて、「コンタクト・インプロビゼーション」の話題からおもしろい妄想の広がりと、結論めいたポイントまでを得ることができたので、備忘録的に書いてみます。



ぼくが「ハイゼンベルグの不確定性原理」の電子の速度と位置は同時には観測できないという例を出しながら、宇宙は不確定な量子のエネルギーによってできていることを説明すると、ぼくの友人は「コンタクト・インプロビゼーション」の例を出した。


*『コンタクト・インプロヴィゼーションは体重のやりとりを行ないながら2人~集団で即興的に動く即興(インプロヴィゼーション)の形式です。1970年代にアメリカで始まり、現在欧米では、コンテンポラリー・ダンスを学ぶ振付家やダンサーには必須のクラスとなっているばかりか、セラピストや美術家、さらに一般の人々にも広く親しまれています。
http://budo.blog81.fc2.com/blog-entry-53.html 』

Not Until Now - A Film of Contact Improvisation
http://www.youtube.com/watch?v=FTTIc_XHNrA


Contact Improvisation
http://www.youtube.com/watch?v=N4P3Mji8uDc


Contact improvisation in Italy Zipfestival RealTime track2
http://www.youtube.com/watch?v=YHlJotx0U0E


↑↑
コンタクト・インプロビゼーションはこんな感じで、Steve Paxtonというひとが創始者らしいんだけど、合気道の要素なども取り入れ、発展していったらしい。


友人は、このコンタクト・インプロビゼーションを最近やっているのだけど、彼いわく
「相手との呼吸がぴったりあって、心地よい動きができたとき、見た目にも美しいことになる」
ということで、
「一見無秩序に見える動きが、バランスが取れたとき美しいと感じるカタチになる」という例を提示した。



それに対して、ぼくは「アノニマスによる北朝鮮工作サイトのリーク事件」の例を出した。

この事件は、アノニマスというハッカー集団によって北朝鮮の工作サイトに登録しているメンバーのメールアドレスがリークされた、というものだが、日本では、2chの人たちがそのリーク情報を元に工作員と疑わしい個人名を特定していった。
そして、その名簿の中に、昨年実際に北朝鮮スパイとして逮捕された人物と、NHK職員二名の存在が確認できた、というものだった。

アノニマスはそもそも「名無しの集団」または烏合の衆とも言える集団で、組織として体系化されていない、まさに量子的な、一見無作為に思えるふるまいをする「粒子の集まり」と表現してさしつかえないフェノミノンだと思います。


すると友人は「正義感というものなのか、何なのかわからないが、ある一定の組織が作り上げた現象に対して、自然の摂理なのかそれを淘汰しようとする反作用的な力が生まれるのではないか?」と言う。

「何か良き方向に向かってバランシングしていく作用」が存在するのだと言うわけだ。


ぼくは「もちろんアノニマスや2ch民は、彼らの正義にのっとって行動しており、その正義は相対的なもので、絶対的ではないのだけど、それは浄化作用というか、自然の流れで形が整っていくということだろう」と答えた。

ぼくはさらに二つの例を出した。

カオス学における「フラクタル構造」のことと、「真善美」のことだ。

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フラクタル構造に関しては、一見無秩序に、カオスに思える森羅万象は、「極大と極小の形が似ている」といった論理であり、
「真善美」については「真理は善きもので、美しい」「善きものは、真理であり美しい」「美しいものは真理であり、善きもの」だとする論理で、古代ギリシャのプラトンの頃から提唱されていて、アジア的な価値体系のなかでも重要な位置をしめるというものです。

*フラクタル構造
http://ja.wikipedia.org/wiki/フラクタル
*真善美
http://okwave.jp/qa/q5852051.html

要するに、「善きものだとされる真実を求める行為自体が、美しいと認められる形に統制、整形されていく作用」のことを補填的に説明したということです。


そして、さらに「ミーム論」の例も出した。

なぜか、地球人の文化(もしくは地球に生存する全生物に言えることかもしれないが)において、時代の進む歩調に合わせて、いろんな畑で、似たような価値観を共有するというような現象が存在する、という論理からです。

*生物学者リチャード・ドーキンスによるMEME論
http://ja.wikipedia.org/wiki/ミーム学

例えば100年前、芸術の世界では、ダリやマグリットが夢の世界から得たインスピレーションを超現実的に二次元の絵画として描くとことを模索していたが、同時期にフロイトやユングという精神医学者は、夢の世界や無意識の領域が、人間の意識的な世界に影響を及ぼすのではないか、と研究していた。
MEMEはそういう、共時性とも捉えられるべき現象についてで、「なぜか人間は畑は違えど、同時期に同じようなことを考えてたりする」っていう論理です。

ぼくは、量子的なエネルギー、といっていいかわからないけど、なんらかの因子が伝染する、ということだと理解している。



すると友人は「フラクタルの観点から見た原子核と電子の構造と、太陽系における地球などの惑星の構図は似てるし、それはある種の”真理”と呼べるものなんじゃないか」

「”不確定性原理””シュレーディンガーの猫”の例をとっても、そのブラックボックス内には何か不確定な要素はあるものの、その不確定で混沌な状況にある宇宙には”何かを求める力”がはたらくのではないか?」

「とにかく宇宙の真理と言えるものの一つは、”バランスを求める=美しさを求めて、その方向に向かう”ということなんじゃないか」と言う。


ぼくは、「とてもするどい考察だな」と思った次第です。

こと”バランシング”ということにおいては、ある物理学者が言った「タンゴを踊るには二人要る」という言葉に集約されるのかもしれません。
(物質はそれ単体だけでは存在することはできず、相対的に対象とバランスを取ることで存在ができる。--私が存在するためには、私の存在を観測するあなたが必要ということです)

で、時間軸に沿って、その「バランシング現象」を考察していくと、おもしろいことになっている。



ちょっととりとめなかったけど、みなさまはどう思われますか?

ぼくなんかじゃ、浅学すぎてよくわかってないので、ぜひいろんな人からアイデアいただきたいなと。



今日は、そんな感じ。


では。