(ネタバレあり)水嶋くんの小説は社会実験的インスタレーション

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*以下、多少不適切な表現があるかもしれませんが、悪気はないし、ぼくなりの推測とユーモアでもあるんで、水嶋くんのファンの方は気を悪くされないでください。



初版43万部という異例の話題作"KAGEROU"
(ちなみに世界の春樹の5年ぶりの長編"1Q84"は25万部 笑)

さっそく読んでみた。


結論。

これは、ほんとに問題作だ。


うーん。。
なんつったらいいんだろ、とにかくいろいろ考えさせられた。


この作品自体は1、2時間で読めるライトノベルズに近いものなんだけど、

ほんとにいろんな思いが生まれた。



重病を抱える歌手絢香さんとの結婚、そして役者引退などの美談で世間をにぎわしていた作者を、ぼくは「若いのにかっこいい人だな」と思い、

その作者の作品ということで、すごく期待していたが、

同時に今回の賞に関しては陰謀説もある以上、ナナメにも読んでしまうとこもありました。




まあ、個人的な感想で言うと、作風は

阿部公房
星新一
阿刀田たかし
乙一

なんかに近いとこを狙ったのかなと思う。

でも、実際のKAGEROUはもうちょっと文学としては低い年齢層に向けられたものかと思うので、

Y氏の隣人
笑ゥせぇるすまん

に近いのかもしれないです。


いや、ほんと25歳以下の人たちは楽しめると思うんです。

そして、「26歳の役者が書いたもの」という事前認識があると、

「二束のわらじを履きながら、しかも若いのになかなかうまく書けてるなぁ」とも思うんです。


しかし、「物語を通しての世界観が統一されてない」、「異世界にいざなってくれる感が足りない」、「ストーリーテリングの手法、や登場人物の心象表現が稚拙」

等々を感じてしまうのも確かなんですよ。。





この本のオビには"小説の新たな領域に挑む話題作"と銘打ってありました。


いろんな意味でそうとも言えるが、疑惑も生まれてきます。
(当然ですが、ネット上でもいろいろ言われてますね)



①賞を与えた×××社の売名のための出来レース説
②ゴーストライター説



①に関して言うと、たとえば、何年か前にそこそこ見た目が良い少女に、権威のある文学賞を与える、というのが流行りましたが、

まあだいたいこんな構図だと思います。

芥川賞を話題性のある人物に与える > 賞自体の露出が増える > 賞の権威が増す > 協賛出資する会社が増える > 結果儲かる


大人の考えることって、基本、「カネと権力」なので、ナントカ賞を純粋に優れた芸術作品を称えるものではないことは誰もがわかっていることかとは思いますが、

良い意味でとらえるなら、この「一連の金と権力の循環系」を奨励し、賞を与えることによっての波及効果、経済効果までを見越し、

それを含んでの「ナントカ賞」ということになるのかもしれません。


たとえば、最近の事例で言うと「AKB48にグッドデザイン賞授与事件」も完全にそのたぐいで、

大人たちがAKBにぶら下がろうとした結果、とも言えると思います。


良くも悪くもそんな感じでしょう。



②のゴーストライター説は、出版社の編集者のかたと共謀して文面を改ざん/編集する、ということだと思いますが、

とくに、自分は、そんなに悪いことだとは思っていません。

結果的に、優れた文学が生み出されて、ひとびとに感動を与えることになるのなら、それでいいではないですか?ということです。


ゴーストライティングに関しては、音楽業界でも良く起こっているし、たとえば基本DJナントカさん系のクラブアーティストはほぼみんなそうだと思うので、

個人的には良く出来たビジネスモデルだくらいにしか思っていないです(笑)
(一応cargoはCDのクレジットにある通りの感じですが。 職人根性スタイルw)



とにかく、①の出版社の売名のための出来レース説、②のゴーストライター説、どちらでもいいと思うのですが、


結局、ほんとにこの作品は、×××社の大賞賞金の2000万円の価値のある芸術作品なのか??



ぼくは、けっこう、この問いには「YES」だと思っています。



だって、こう考えてください。

完全に自分の妄想ですが、もし、以下のような感じだったら。。


絢香さんとの結婚発表 > バセドー病会見 > 絢香さん歌手引退 > 水嶋さん役者引退 > 作家デビューと同時にポプラ社大賞 > 賞金2000万円を辞退 >

に至るまでの一連の流れ。


もし、この一連のできすぎた全部の流れが、特大の社会実験的インスタレーションで、完全に仕込みだったら、ほんとにほんとにすごい作品じゃないですか!??


このドラマティックな筋書きを考えた人は、まさしく天才☆



もちろんこの後、

カゲロウ映画化 > 絢香さんと水嶋くんの自伝著作 > その自伝を映画化して、水嶋くん、監督兼役者で再デビュー!!

みたいに続けたいです(笑)


ここまで筋書き書けてたら、リアルに大天才だ。

自分、一生ついていきたいです。





まあ、以上の話は完全に妄想でありますが、とにかく、"KAGEROU"は良くも悪くも、問題作です。

本のオビの"小説の新たな領域に挑む話題作"は、まさしく、そういうことなんです。


発売わずか一日でアマゾンのレビューが500件を超し、みんながいろいろ考えさせられることになった。


こんなにも世の中を揺るがした、ということまで、含んで、一連の社会実験的インスタレーション作品として、優秀なんです。
(小説が少々稚拙だとかは、関係ない)



世の中ってほんとおもしろいなぁ。


自分はこういう感想に尽きます。


笑えたし、皮肉れたし、楽しかったし、薄ら寒くなったし、熱くなったし、

そんなふうに考えさせてくれた「KAGEROU」は確かに賞にふさわしい。




ps:友達と話題になったのだが、最後の1ページの誤字の訂正の件、「あれは意図的だったらそこそこアバンギャルドな手法だね」という話をしてました。
ページの裏を透かして見るとなんて書いてあったかわかります(笑)




そんな感じで~。