停止して黒歴史を振り返ってまた生産工場 -10ページ目



ゆっくりと始まる

夜に話しかける


「辛いだろう」

星は流れた

「寂しいだろう」

月は沈んだ


浜辺に立ち尽くす私は

波がうねうねと光を揺らす姿を

ぼんやりと眺めていた

月は今頃地球の裏側

冷たい夜に何を思うか

すると海は


「辛いだろう」

「寂しいだろう」

私は俯いた



君がとても幸せそうだ

僕はそれが羨ましく同時に妬ましい

そして強欲な僕はそれを欲しがった

僕が僕のままでは手に入れられない

君を殺して君の皮を被って

幸せを手に入れたとしても

それは結局僕の幸せじゃない

僕には僕の幸せを見つけるしかないのか

君は軽い言葉で僕をあやす

僕は心にもない言葉で君を切りつける

それを楽しいと言えば楽しい

憎いと言えば憎いんだ

嫉妬に狂う僕は刃物を振り回す


「どうして僕なのどうして君なの」


あらゆる君の才能幸せ仲良し友達

君の笑顔



本当は僕のほうが幸せだった

僕は君の幸せが欲しかった

頑張って掴み取った幸せを踏みにじりたかった

僕は普通にしていても幸せが手に入ってしまったから

自分の望んだ幸せが手に入る君を殺したい

僕に作り笑いを見せる君を抱きしめたい

皆の思ってることを代弁しただけ

僕が正直者で皆は嘘つきなだけ

嫉妬して同情して

人間がにじみ出てきた僕は最高に幸せ

幸せじゃない君を幸せにしてあげたい

それだけ

それだけ

全部嘘だよ

愛しい

朝ぼらけに

染み渡った空気の上で

空中散歩


素敵を見た

素敵を描いた

でも上手くいかない

なぜ君は描けるのか

僕に足りないものをおしえてよ


恋しい

夕焼けに

淀みきった空気の下で

海中散歩








君は

素敵な言葉を囁いた

でも

それは君に似合わない

そう

僕にも似合わない





今日怖い夢見たんだって言ってた

さっそく罰が当たったんだろって

小さな口で笑ってた


春が来ても

実質寒いし 君は冷たいし

春なんかこなきゃ良かったのにとか

なんでも春のせいにしてみたり


君は自立とほざいた

孤立した君は不登校

クリーンな時代になったもんだ


カッコよく決め台詞

やらかしちゃったらしい

彼は今や人気者


いつだって僕らは

切り取り線で繋がっていた

おもむろにハサミを取り出した僕は

線にハサミをあてがって

目を見開いた


君は何を望むの

僕に何を期待したいの

クズはクズだったけども

それでも捨てないでくれるのか

そんな君のことを

妬んでいた


ハサミを動かした