停止して黒歴史を振り返ってまた生産工場
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家族が増える事はない

私は積み上げられない

押し出され抜け落ちる

私はその不要な存在である

 

誰かが言う前に自分で教える

生きるべきではない

 

刃物で腹を突かれる夢を繰り返し見ていた

物音がする度に布団をひるがえし

目には目を

念入りに戸締りを確認する

私は誰よりも死ぬ事が怖い

 

結局ごめんなさいとしか思えない

結局ごめんなさいと言えない

結局ごめんなさいは戒めでしかない

 

 

彼らは人の目に触れる度に

成長していく

 

私の子供であった

 

放棄は出来ないのだ

いつまでも赤ん坊のままで

ただ私の腕に抱かれる

 

成長した彼らはやがて私を

地面に這い蹲らせた

美しい巨木

登るほど遠くまで見渡す事が出来た

多くの者は手を取り合い登った

ある者は引きずり下ろし枝を傷付ける

 

美しい巨木

物を言わず葉を揺らす

屍転がる美しい巨木の根元で

四肢を腐らせていた

心臓 

その忙しない鼓動に負けていた

脈吹く身体に 私がそよぐ

 

私は人々の終わる瞬間を考えるだけだった

 

私にそれらは勿体無く、見合わないだろう

どうか変わらないよう

願うくらいは許してくれるだろうか

 


海のほとり
砂が指の間にまとわりつく
別れの瞬間はあっさりとしている
いつか何処かで何粒か
薄情だというだろうか
自分もそう思う

小さな灯りが黒い所から手を伸ばし
いつの間にか首を撫でていた
まるで地面に足がつかない
それに近づいたのに それに恐怖した

自分はいつでも一人ではない
同じ自分は沢山居る
一人くらい居なくなっても大した事ないよ
他人事のようにそう言っていた
他人事のようにそう言っていた