何処かで知らない誰かが死んで悲しむだろうか
いつかの漫画の主人公はきっと悲しむだろう
自分もそのように悲しむと思っていた
自分は紛れもなく主人公なのだと
子供の丸い目で思っていた
涙一つ出ないどころかそれは残念ながら面白い小話でしかない
どうやら主人公の荷は重いようだ
そのくせ
何処かで死んでも知らない誰かが
自分の為に悲しんでくれるような気がするのは虫が良すぎるか
あくせくしながら自分を助けるので手一杯だ
紙っペラの優しい主人公はそんなにも遠く尊かった
失いたくないものがあれば
幸せなのだろうか
失ってしまったら
また探すのだろうか
消える事が怖いのだろうか
だが失いたくない ものが常に足を引っ張っていた
それを失ってしまったら何が自分を繋ぎ留めるというのだ
その一瞬だけ放たれた
本物の自由か
それは酷く足場が脆い
気が付けばゴミ置き場に立つ
どこにやろうというのか
これも宝物にして
小さな箱に乱雑に入れて
汚くてたって 崩れてしまったって
もう見たくなくたって
捨ててはならない
一つづつで充分だろ
一つづつで充分なんだ
昨日も一昨日も木曜日 そして今日も
気づかない程に早く
気づいた時程重く苦しい事はない
此処は底ではない
底だとして這い上がる気力もない
希望が転がっていたとして
それを拾う意味を問うだけだった
自分を殺して
真っ当な道を歩むべきだと思うか
楽だ
とても楽で忌々しい
草花と
希望に満ち溢れた瞳への
ひと握りの憂鬱
空を見るのが好きと言うなら
君にはもう見せられない
星に酔い今宵もまた眠りにつけず
冴えた目の見つめる先は黒
藤は咲き乱れ緑紫 空の青と夕焼けの橙色
恵まれた季節に恵まれない心
ただすがっているだけ
枯れゆく草花を今年もまた見送るしかないのか
香りが気を奪う
一緒に
散りたい