「クラウドに保存する」という言葉を聞くと、多くの人は空の雲のように、ふわっとした場所へデータが消えていくイメージを持つかもしれません。しかし実際のクラウドは、とても“物理的”な存在です。
たとえば、スマートフォンで撮った写真をクラウドへ保存するとします。その瞬間、写真データは電波として送られ、海底ケーブルや通信基地局を通り、世界中のどこかにある巨大なデータセンターへ運ばれます。そこには何万台ものコンピュータが並び、24時間休まず動き続けています。つまり「クラウド」とは、実際には大量の機械と電気によって支えられているのです。
しかも現在、そのクラウドに保存されるデータ量は急激に増えています。SNSの動画、オンライン授業、AIとの会話、自動運転車の記録など、私たちは毎日膨大な情報を生み出しています。AIが発展している今、データ使用量はますます増え、2030年には世界中のデータ総量が1,000,000,000,000,000,000,000,000バイト、5年後に現在の5倍以上にもなると予測されています。インターネットが普及してから約30年たった今までに蓄積されたデータ量を、たったの5年で5倍以上まで増えると考えると、凄まじい増加速度ですよね。
ここで面白いのは、インターネットが「情報の世界」に見えて、実は非常に“重い”という点です。
動画を1本見るだけでも、世界のどこかでサーバーが動き、電気が流れ、熱が発生しています。特にAIは膨大な計算を必要とするため、巨大なデータセンターでは小さな町ほどの電力を消費することもあります。そして、その熱を冷やすためにさらに大量のエネルギーが必要になります。
そのため、最近では寒冷地にデータセンターを建設する例も増えています。北欧では外の冷たい空気を利用してサーバーを冷却していますし、海水を利用する施設もあります。さらに、「海の中にデータセンターを沈める」という実験まで行われました。まるでSFの世界のようですが、目的は非常に現実的で、「熱を効率よく逃がすため」です。
私たちは普段、データを「軽いもの」と考えがちです。しかし実際には、データが増えるほど、コンピュータ、電力、熱、建物など、多くの“物理的な問題”が大きくなっていきます。データ総量が爆発し、情報社会に物理的な障壁が出てくる今後に備えて、科学者が試行錯誤しているわけです。
クラウドとは、空に浮かぶ雲ではありません。世界中に存在する巨大なコンピュータの集まりであり、その裏では膨大なエネルギーと科学技術が働いているのです。
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