こんにちは、塾長の川口です。

 

大学入試を取り巻く環境は、ここ数年で劇的に変化しています。

 

その中でも、特に合否を大きく左右するようになっているのが「英検(英語外部試験)」の活用です。

 

かつては「持っていたら有利(プラスアルファ)」だった英検ですが、今や入試においては「持っていて当たり前」のスタートラインになりつつあります。

 

今回は、現在の大学受験における英検のリアルな現状と、志望校レベル別の目標目安について徹底解説します。

 

1. 知っておきたい「英検利用入試」のいま

現在、多くの私立大学・国公立大学が何らかの形で英検利用入試を導入しています。

 

  • 点数換算: 英検のスコアや級に応じて、一般入試の英語を「80点」「100点(満点)」などと換算してくれる。
     
    ※多くの大学では、当日の英語試験も受験することができ、高得点の方を合否判定に使用します。

 

  • 加点方式: 当日の英語の試験点数に、英検の資格に応じた点数が上乗せされる。

 

  • 出願資格: 「英検〇級以上(またはCSEスコア〇点以上)」がないと、そもそも出願できない。

 

現代の受験において、英検を持っていないということは、

 

「周りが武器(持ち駒)を持っている中で、自分だけ手ぶらで戦う」

「最初から差をつけられた状態からスタートする」 

 

ということと同義です。

 

実際に受験が終わったあと、合格した生徒たちに話を聞くと、

 

「結果的に英検を取得していたことが、本当に合格につながった」

「英検のおかげで精神的に救われた」

 

 という声が毎年多数を占めます。

 

2. 【大学別】求められる英検レベルの目安

最近のトレンドとして、「英検2級は私立・国公立の基本目安」 であり、「準1級を取得している受験生が急増している」 という現状があります。

 

具体的に、志望校別で求められるラインを見ていきましょう。

 

・日東駒専 レベル:【目標】2級

  • 現状: 一般入試・推薦入試ともに「2級」が大きな基準となります。

 

  • ポイント: 日東駒専の英検利用、また共通テスト利用では、リーディングだけでなく「リスニング」の完成度が求められます。

 

  • 注意点: 現在、MARCHを第一志望にして「準1級」を持っている受験生たちが、滑り止め(併願校)として日東駒専に出願してきます。

    2級をギリギリで受かるレベルだと、彼らに押し切られてしまう可能性があるため、2級であっても高スコアを目指す必要があります。

 

・MARCH レベル:【目標】準1級

  • 立教大学: 独自の英語試験を廃止し、原則として「英検(CSEスコア)」または「共通テスト」の点数のみで評価します。

    準1級レベルの高スコアを持っている人が圧倒的に有利です。

 

  • 明治大学など: 一般入試の英語ではリスニングがない学部が多いですが、英検利用や共通テスト利用(リスニングあり)をうまく活用して「なんとか引っかかって合格できた!」という受験生が毎年多く存在します。
     

・受験を有利に進める「併願戦略」
先に英検で基準をクリアしておくことで、MARCHレベルの併願校を確実に押さえることができます。

 

精神的な余裕が生まれるため、結果的に第一志望の対策に集中でき、受験全体がうまくいくケースが非常に多いです。

 

3. 「英検の勉強って、一般入試の遠回りにならない?」への回答

「自分が受ける大学は英検利用を使わないから、英検の対策(リスニングや英作文)をするのは時間の無駄では?」と考える人がいます。

 

しかし、それは大きな誤解です。英検の学習は、一般入試や併願校対策に直結しています。

  • すべては「英語」という同じ言語: 一見、不要に見えるリスニングや英作文の勉強も、実は英文を頭から塊で理解するスピード(リーディング力)の向上に深くつながっています。
     
  • 相乗効果: 「英検のリスニングや英作文の対策で何度も使った動詞が、一般入試の長文読解で出てきて一瞬で意味が分かった」ということは日常茶飯事です。

 

確かに、英検が1ミリも関係ない大学「しか」受けないニッチな受験戦略であれば、多少の非効率さはあるかもしれません。

 

しかし、受験校の選択肢を広げ、全落ちのリスクを減らすという意味でも、英検対策をやって損することは絶対にありません。

 

4. 【学年別】今から始める英検スケジュール

最後に、限られた時間の中でどう動くべきか、学年別のロードマップです。

 

【高校1年生・高校2年生】積極的に取りに行く!

時間はまだあります。

 

定期試験の勉強と並行しながら、高2の終わりまでに「2級の高スコア」、できれば「準1級」への挑戦を積極的に進めてください。

 

ここで貯金を作っておくと、高3での受験勉強が劇的に楽になります。

 

【高校3年生】限られた時間の中で「取捨選択」を

高3生に残された時間は限られています。

 

「絶対にリスニングや英作文が出ない大学しか受けない」と割り切る受験生であれば、あえて英検を捨てる選択もゼロではありません。

 

しかし、少しでも併願校を広げたい、チャンスを増やしたいのであれば、第1回(従来型:5月〜6月、S-CBT:随時)のチャンスを最大限に活かして、早めに2級・準1級を確保しに行くのが鉄則です。

 

まとめ:合格への引き出しを、今すぐ増やそう!

英語の試験本番で、ガチガチに緊張しながら一発勝負のテストを受けるのか、すでに英検の換算点で8割〜9割を確保している状態なのかで、気持ちの余裕が違います。

 

英検の持ち駒があると、こんな心強いことはありません。

 

大学受験を有利に、そして賢く勝ち抜くために、まずは次の英検で一歩先へ抜け出しましょう!

 

「自分の志望校の場合、何級の何点を目指せばいいの?」

 

「英作文の対策はどうすればいい?」と迷ったら、いつでもキャリアパスの面談に相談に来てくださいね。

 

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
ご相談・お問い合わせもお気軽にどうぞ。

清澄白河の個別指導塾「キャリアパス」| 江東区
https://www.careerpath.tokyo/

 

こんにちは、講師の三浦です。


春が終わり、夏が近づくとやってくる「梅雨」。連日雨が降り続き、洗濯物が乾かなくて憂鬱になる時期ですが、なぜ毎年この特定の時期にだけ、これほど長い間雨が降り続けるのでしょうか。

実は日本の頭上では、誰もが知る「2つの巨大な空気の塊」が、年に一度の大ゲンカを繰り広げているのです。


1. 梅雨の正体は「空気の境界線」

梅雨の時期の天気予報で、必ず耳にするのが「梅雨前線(ばいうぜんせん)」という言葉です。前線とは、性質の違う空気と空気がぶつかり合う「境界線」のことを指します。

日本付近の梅雨は、主に次の2つの巨大な高気圧(気団)がぶつかることで発生します。


オホーツク海高気圧: 日本の北東(オホーツク海側)からやってくる、冷たくて湿った空気。


太平洋高気圧(小笠原高気圧): 日本南東(太平洋側)から張り出してくる、暖かくて湿った空気



この北からの「冷たい空気」と、南からの「温かい空気」が、ちょうど日本の上空で正面衝突します。お互いにパワーが拮抗しているため、どちらも一歩も引きません。この「勢力がつり合って動かなくなった境界線」こそが、長期間にわたって雨を降らせ続ける梅雨前線の正体です。


2. なぜ前線の周りでは雨が降り続くのか?

空気の勢力が押し合っているだけで、なぜ雨が降るのでしょうか。ここには密度の違いという物理の基本が関係しています。

温かい空気は軽いため、冷たい空気とぶつかると、冷たい空気の斜面を這い上がるようにして上空へ昇っていきます。空気は上空へ行けば行くほど気圧が下がり、温度が下がります。

すると、空気中に含まれていた水蒸気が冷やされて水滴(雲)になり、それが雨となって地上に降り注ぐのです。

この「温かい空気が上昇して雲ができる」という現象が、前線が同じ場所に居座り続ける間、ずーっと同じ場所で繰り返されるため、何週間も雨が続くことになります。


梅雨のしくみ理解できましたか?

学習塾キャリアパスでは身近な不思議を題材にした実験教室も不定期開催しています。

お待ちしております。


清澄白河の個別指導塾「キャリアパス」| 江東区


数学科4年、講師の山本です。

 

 

みなさんウサギとカメの童話をご存じですか?

 

あの、ウサギがカメに競走をふっかけて、カメの移動速度を考えれば余裕のよっちゃんでウィニングランを為せるはずであるウサギが、なんとまあ負けてしまうというお話ですね。そうそう、ウサギが余裕をぶっこいて競走の途中でぐーすか寝ていたら、いつの間にかカメがゴールしちゃっていたのですよね。そんな傲慢なウサギ故の結果だったわけですが…

 

それ、ウサギの傲慢さ故の結果ではないのかもしれません。

ただ単純に、カメが「世界最速」だったからかもしれません!?

だってウサギは寝ていたのですから、その間にカメが猛スピードでウサギの横を通り過ぎて行ったのを、見ていなかっただけの可能性もありますよね?(屁理屈)

 

 

 

 

アキレスと亀のパラドックス

「アキレスと亀のパラドックス」って何?

有名なパラドックスがあります。
それが、「アキレスと亀のパラドックス」です。
どういうものかご紹介させていただきます。
 
足が速いことで有名な、ギリシャ神話の英雄「アキレス」(アキレス腱の語源となった人物です)。
彼は、亀と競争することになりました。
その競争の様子をちょっと数学っぽく数直線を使って図示してみます。
 
下の図のように、A点にいるアキレスが、B点にいる亀を追いかけます。
しかし、アキレスがB点に着いたときには、亀もゆっくりではあるが動いているはずですよね。
ですから、そのとき亀はその先のC点まで動いたとしましょう。
またまたアキレスがCに着いたならば亀は今度さらにDまで進みます。
このように亀は少しずつ先行して、アキレスは永久に亀に追いつきません。
 
…もどかしいですね。
別に亀でなくとも、二人の人間の競争に置き換えて考えて考えてよく、そうすると、体育祭のリレーなどは、スタートダッシュが一番早かったチームのことをほかのチームが一生追い越せないという、イカサマのようなゲームになってしまいます。それかスタートダッシュゲーになってしまいますね。
きっとこのパラドックスにはおかしいところがあるに違いない!
でも確かにこのパラドックスに納得させられてしまった!!
 
う~ん。
 
でもアキレスと亀が限りなく近づく点はありますよね。
 
おっと、極限か。極限を使えば何か数学的に考えられそうです。
 

数学的に考えてみよう

ちょっと具体的に数を置いてみましょう。
 
〔設定〕
  • アキレスは亀の2倍の速さ(時速2km)
  • 亀はアキレスの1km前方の地点Bにいる
(先ほどの図の再掲)
 
アキレスがBまで進むには1/2時間かかります。その間に亀は、アキレスが1km進んだので半分の1/2km進みます。進んだ点はCです。
アキレスがBからCまで進むには、BからCは先ほど亀が進んだ1/2km進めばよいので、1/4時間かかります。その間に亀はアキレスの半分の1/4km動きDまで進みます。
このように繰り返します。
 
「アキレスと亀のパラドックス」では、この動作を何回繰り返してもアキレスは亀に追いつけないという話でしたね。
 

時間を計算してみると…

しかし、この間の時間を計算すると、4回目までに経過した時間は
 
 1/2+1/4+1/8+1/16=1ー1/16 (∵等比級数の和)
 
より1/16時間です。
n回目までだと、経過した時間は
 
 1/2+1/4+…+1/2^n=1-1/2^n (∵等比級数の和)
 
より(1-1/2^n)時間です。
 

計算からわかること

「アキレスが亀に追いつくことはない」は部分的に正しく部分的に正しくないと言えるでしょう。
どういうことかといいますと、この、「アキレスが亀に追いつくことはない」というのは、n回目までの経過時間が(1-1/2^n)時間であることから、1時間未満における話だとわかります。(1/2^n>0なので。)
つまり、
「1時間未満においてアキレスは亀に追いつかない」という命題は真ですが、
「アキレスは永久に亀に追いつかない」ことの真偽はまだ示していません。
 
しかしながら、亀にもアキレスにも1時間後の位置があるはずで、1時間後にはアキレスが亀に追いつきます。
これはただの小学生の算数です。
一時間後のそれぞれの位置は
  • アキレス:2km地点
  • 亀:(1+1=)2km地点
でピッタリ同じ位置にいます。ですので1時間後にちょうどアキレスは亀に追いつきますね。
 
 
「…え、めっちゃ簡単じゃん!
なんでパラドックスを信じてしまったんだ…」
と落胆している?不思議がっている?そこのあなた!!
多分、

回数の無限と時間の無限を混同しちゃってる!

「回数の無限」
アキレスがB→C→D…と移動するステップの回数は無限です。
ステップ1、ステップ2、ステップ3、…
これは確かに終わりがありません。
 
「時間の無限」
ステップの回数が無限でも、それにかかる時間の合計(1/2+1/4+1/8+…)は有限の1に収束します。
 
その一方で、
「ステップの回数が無限」→「時間も無限にかかる」
と暗黙に思い込んでしまったのが、パラドックを見破ることができなかったミソです。
 
実は、19世紀前半にコーシーやワイエルシュトラウスなどにより等比級数の収束という概念が数学的に整備され、20世紀初頭にラッセルにより初めて「無限回の操作が有限時間で完了する」ことが厳密に示さるようになりました。
う~ん「無限回の操作が有限時間で完了する」…。無限と有限という言葉が一文に混在していて、文字にするとなんか不思議な感じがしますね!
 

カメは世界最速なのか?

…残念ながら、そんなロマンティックなことはありません。亀は普通に人間よりもウサギよりも移動速度が遅いですし、ウサギが競走に負けたのはウサギ自身の怠慢以外の何物でもありません。
 
逆を言えば、そんな「世界最速」などという神がかった才を持っておらずとも、なんならそれとは正反対の性質の者でも、努力次第で自分の才以上の者を打ち負かすことが可能であるということです。
 
間違っても、ウサギの立場に立って、「アキレスと亀のパラドックスより、俺がお前の何倍努力してもお互いが少しでも継続して一定に頑張っていれば、一生お前のことは追い抜かせない運命なんだよ!だから今回負けたのは仕方ないしお前の何っ倍も努力したんだぞ、すごいだろ」などと言わないほうがいいですね。(誰もそんなこと言わない)
アキレスと亀のパラドックスを鵜吞みにして、数学的な評価をしていない軽率な人、と周りから思われてしまいます。
 
え?「数学的な評価とか考えて生きたくない」?
…そうですよね、
ではたまにこちらのブログを訪れ、たまに数学的に思考してみることを、たまにでいいので、おすすめします。
わたしが喜ぶので。