お店のなまえ


街を歩けば出会う色々なお店 ...

● 雑貨を売るのは「雑貨屋」さん
● 洋服を売るお店は「服屋」さん
● 駄菓子を売るのは「駄菓子屋」さん etc.

取り扱い・売られる商品により「●●屋さん」と
呼び名で直ぐに何のお店か分かるものですが、
床屋さんと八百屋さんについては「なで?」と昔からなり続けていました。

蛇の道は蛇とばかりに先日、床屋さんに行き春夏用のさっぱりヘアーに髪を切り(... 切り過ぎた?)、帰りに八百屋さんに立ち寄って春キャベツとアスパラガスを買い込んだ際、偶然にも同日、昔から不思議に感じていた二つの店の呼び名の疑問が解けることになったのでした。



床屋の名の由来

床屋さん(理容師)のルーツは古く、
古代ギリシャ&ローマ時代まで遡り ...
その当時は、理髪をする役割だけではなく、
髪をカットし、髭をシェービングすることに加え、
歯の治療をしたり、傷の手当てをしたりと、
現在の外科医や歯医者としての医療的な役割も
床屋さん(理容師)が担っていたのだそうです。

身体の悪いところを切って悪い血を出すという
治療法を「瀉血(しゃけつ)」と言いますが、
理容師は刃物を扱うため外科的医療(理容外科)
として瀉血を請け負い、医師は内科的医療を
行っていましたが、その後、薬学、外科、歯科
などの学理の進歩に伴い、理容と外科は完全に
分離されていき、現在に繋がるのだそうです。


以後、理容業はカットやシェービング、カラーなどの技術によって、人間の身なりを整え、より美しくすることに特化していくことになるのですが、美容師さんにおいては刃物を扱えない名残がここに現れているのでしょうか ...

そして日本においては、1200年代の亀山天皇の頃より、「髪結い」から始まり独特の髪型である「ちょん髷(まげ)」を結ってきた歴史があり、髪結いのお店には、床の間が設えられていたため「床の間のある店」が「床屋」になったのだとか ...


これ以外にも床屋さんの名前の由来は、諸説あるそうなのですが、そのなかでも有力な説は次の2つとなるのだそうです。

床几とこぎ:
 江戸時代、床几と呼ばれる簡易な椅子に座って散髪を行っていたことから、
 「床屋さん」と呼ばれるようになったという説。

床下とこした:
 当時、床下は賤民の住む場所とされ、床下で散髪を行う床屋さんは、
 身分の低い職業とされていて、ここから呼ばれるようになったという説。


こんな話をバリカンを当てられながら「へ~」と感心しながら聞いていたのですが、髪結は稼ぎが多いので、妻にすると夫は仕事をしなくてよい(妻の働きで養われている夫をたとえていう語)との意味の「髪結いの亭主」のことも聞きたくなってしまっていたのですが、大人の自制を以って口にはしませんでした ...




八百屋の名の由来


「八百屋」の呼び名の由来も諸説あります。

江戸庶民の暮らしが描かれた井原西鶴の
「日本永代蔵」には、「須田町、瀬戸町の青物屋」
という記述」があり、当時、野菜を売る店は
「青物屋」と呼ばれていたそうで、
この青物屋が後に「青屋」と略され、さらに
「やおや」という呼び名に変わったという説。


江戸時代の八百屋さんでは、野菜のみならず
精進の調菜(副食物)、乾物、海藻、木の実、
草根などのさまざまな食材も一緒に売られて
いたことから、「八百万の神」という言葉の
物事の数が多いことを表す「八百(やお)」という
言葉が当てられており、ここから「八百屋」と呼ばれるようになったという説。


上記の別バージョン?で、当時の八百屋さんで取り扱われていた商品は、野菜だけでなく、果物や魚介類、海藻類など、八百種類もの商品を扱っていたことから、「八百屋」と呼ばれるようになったという説。



これらのお話しは、いつも立ち寄る八百屋のオヤジさんから聞いたのですが、お目当ての春キャベツとアスパラガスを頼むと、色合いが良いからトマトも一緒に買うならおまけしちゃうよと言われ、ならお願いしますというと、サービスと言ってプチトマトを2つくれたのでした ... その心は・なで?









妙な個人的趣味の一環なのか、

名前・物事の由来について直ぐに興味を抱く癖があります。



見ようによっては悪癖のひとつかとも思うのですが、

自分だけの愉しみのひとつとして、

ここに関しては、探求心を解放し続けています。



言葉も写真も

そこから滲み出すドラマがなんとも好きなのです ...



そして由来を知った後に見えてくる

それまでとの景色の違いを感じることも

悪癖ながらもこれを続ける愉しみの理由なのでした。



さて ... 床屋と八百屋の呼び名の謎の解明の次は ...










笑顔の行方を見つめて

all written by careerwing  T.Yoshida@ponyo



素敵な笑顔溢れる1日でありますように!