カラス好きの扱いは ...


人前で「カラスが好き」だと言うと、
殆どの場合 ... 変態 ... 否 ... 変人扱いというか、
「変わってますねぇ」などと怪訝そうな顔を
されることが少なくありません。

カラスの知能が高いことはよく知られていますが、
黒い羽毛が死を連想させたりすることと相まって、
狡賢くて狡猾な印象を与えることになっていたり、
都市部では、食物を得るためにゴミ集積所を荒らす
という行動や、農耕地では農作物を食害するという行動により害鳥とみなされたり、雑食性のため、生ゴミや動物の死骸の腐肉食をついばんでいる姿や獲得した食物を物陰に隠し、後で食べるという貯食行動なども含め、カラスの自然な姿や生態そのものが、人間から見た時に忌み嫌われる理由に繋がっているのかと思ったりします。


これらの行動特性や姿そのものが、様々な物語における悪魔や魔女の使い(使い魔)や化身のように、悪や不吉の象徴として描かれることが多い所以なのでしょうか ...



黒猫さんと同じく ...

 他方 ... 朝日や夕日など太陽に向かって
 飛んでいるように見えるカラスの姿により
 神聖視され、世界各地で古くから神話・伝説に
 登場し「太陽の使い」や「神の使い」として
 崇められてきた生き物でもあります。


また、古代には鳥葬の風習があった地域が世界各地に存在し、猛禽類やカラスなど肉食性の鳥類が天国へ魂を運ぶ、死の穢れを祓ってくれる者として、神の御使いであるなどの理由で神聖視されたという説もあるそうです。


日本では、カラスの羽色は、「烏の濡羽色(からすのぬればいろ)」という表現もある通り、深みのあるつややかな濃紫色である烏の濡羽色は、黒く青みのあるつややかな色の名前として、特に女性の美しい黒髪の形容に使われることが多く、濡烏(ぬれがらす)、烏羽(からすば)、烏羽色ともいわれ、世界のなかではカラスへの好感度が高かった国なのかと私見を抱きます。

童謡にも登場するカラスは、ねぐらに帰る時に鳴くことも多く、この行動が深く印象付けられてきたことから、物事の終り・帰る(帰郷・帰宅)や夕暮れを想像させる生き物として認識化されているようにも想います。


忌み嫌われ恐れられる一面と神聖視されている一面を踏まえると、カラスには黒猫さんと同じ状況背景を感じてしまう自分がいます。






相田みつをさん 「にんげんだもの」より



いま泣いたカラス -柔軟心


いま泣いたカラスがもう笑う
子供の世界はいつでもそうだ
大人のわたしはそうあっさりとはゆかない
面子や体裁やらてれくさい、
なんて事がいつでもつきまとって
そんな早わざはできない

面子、体裁、照れくさい
皆周りを気にしてのこと、何で気にするの
少しでも自分をカッコよく見せたいと思うから
誰に見せたいの
それは人間
常識豊かな人間
分別豊かな人間
相手はいつも人間

幼い子供は仏の世界にいるから
人間の常識を相手にしない
分別豊かな人間を相手にしない

泣くときは全身で泣き、
笑う時には全身で笑う
一生懸命泣いて、一生懸命笑う
しかも、
泣くことから笑うことへの転換がすばやい
頭の切り替えが早い
なぜ?

子供は頭がやわらかいから、
子供はこころがやわらかいから
やわらかい仏のこころを生きているから、
柔軟心をいきているから

いま泣いたカラスがもう笑う

大人のわたしにはそれができない
からだばかりではなく
頭が固いから
心が固いから




好きなものは好き

これまでの人生で一度だけ
「カラス(烏)の行水」を見たことがありました。

「カラス(烏)の行水」とは、
「入浴時間が短い人・ことのたとえ」ですが、
綺麗に整えられた庭先の水盆にやって来たかと
思うと突然水浴びをし出したのですが、
ちょいちょいっと羽と身体に水を掛けたと思ったら
直ぐに終了となり、思わず「これがカラスの行水なのか」と思ったものでした。


カラスの何が好きかと問われれば、「とても滑稽で可愛らしく愛嬌に溢れる姿に悪い奴じゃないと思えている」と答える自分がいます。


●小首を傾げて何かを思案しているような態度
●陸に上がったペンギンのような歩き方
●悪戯好きでちょっかいを出すも直ぐに叱られてしまう姿
●孤高が似合いそうでもつがいで過ごす仲睦まじさ    etc.



そして、あの独特な鳴き声ですが ...

●「カ~カ~カ~」:
  餌を見つけ、仲間を呼び寄せる時の声
●「カッカッカッ」:
  鷹などの天敵が近づいてきた危険を仲間に
  知らせたり、警戒する時の声
●「クア~クア~」:
  安全だしねぐらに帰ろうとする時に発する声

などがカラスの鳴き声の意味として研究されていますが、個体によって独自の鳴き声を持つ子がいて、まるで歌でも歌っているかのように鳴く鳴き声は、上記の3つにも含まれず、強い個性をそこに感じたりもします。


また、余談になりますが、カラスにはカラスの子供が成長するとその親に餌を運んで養うことから、「烏に反哺の孝あり」と言われて「慈鳥(じちょう)」という異名もあります。

そして、相田みつをさんの思考と近いのかも知れませんが、「何にも捕らわれることがなく生きる上での柔軟心」を感じることがカラスが好きな理由なのでした。



ネコさんやイヌさんの特性とも違うカラスの姿

嫌うのは人間側の方であり、カラスの側は泰然自若のなかで過ごし、時にはツンツン嫌い過ぎとちょっかいを出すも基本は「あるがまま」そんな姿にどこかシンパシーを感じてしまうのかも知れません。


とは言っても都会のカラスより田舎のカラスの方が好きですが ...










笑顔の行方を見つめて

all written by careerwing  T.Yoshida@ponyo



素敵な笑顔溢れる1日でありますように!