シクラメンの伝説


冬の季節を代表する花といえる シクラメン ...
( Cyclamen persicum )

シクラメンの花言葉は、「遠慮」「清純」「内気
となり、どこか控えめなこれらの花言葉になったのは、
こんなシクラメンの伝説が由来なのでした ...


その昔、イスラエルのソロモン王が、
王冠に花のデザインを取り入れたいと思い、
さまざまな花たちに相談をしてみたのですが、
誰にもみな断られてしまいました。

そんな中、とても恥ずかしそうに小さな声で
「私の形を使ってください」と囁き、唯一承諾してくれたのがシクラメンでした。

シクラメンの想いにソロモン王が心から感謝の言葉を伝えると、それまで上を向いていたシクラメンの花は、その時から、恥ずかしさと嬉しさのあまりに照れてうつむいて下を向いて咲くようになったのでした ...



... という伝説にちなんで、シクラメンに付けられた花言葉なのだそうです。



                     湘南の花農家さん

 シクラメンは、地中海地方が原産の多年草で、
 日本には明治時代に伝わり、戦後急速に普及し、
 品種改良も進められて、今では日本国内における
 鉢植え植物としての栽培量はトップクラスで、
 冬の鉢植えの代表格として定着しています。

 シクラメンのシ・クの言葉が、「死」・「苦」と
 なることの語呂合わせや、艶やかな赤色が血を
 イメージさせること、鉢植えの根を下ろす姿が
 入院を長引かせてしまうことの連想を呼ぶこと
 などから、シクラメンを病人への見舞いに供する
 ことは縁起が悪いとされています ...

そんなシクラメンですが ...
花付きが良く、気温・日当たり・水やりにも然程、神経質にならなくとも冬の季節に可憐な花姿を見せてくれる、とても身近な花であるようにも思います。


茅ヶ崎のお隣の寒川町から厚木においての間には花農家さんが多くあり、大きなビニールハウスでシクラメンの栽培をしていらっしゃる姿によく出会います。

卸し専門の花農家さんもいっらっしゃるのでしょうが、ビニールハウスに直接訪れた方々には、直営販売もしてくれることが多く、ボク自身、一時期はお歳暮はシクラメンの鉢植えと決めていた時もある程で、お世話になったお宅へのお届けに合わせ「栽培をされている花農家さんにお願いをしてハウス内での一押しの一鉢を譲り受けた」とお伝えすると、花が大好きな奥さまから「一度、花農家さんのハウスに連れていって欲しい」と頼まれご案内をさせて頂き、心から喜んで頂いたことも幾度となくありました。


余談ですが、この時、奥さまはお歳暮にとお届けしたシクラメンの鉢を動画で撮影し、ハウスにお伺いした時に花農家さんにその動画を見せ、本当に素敵な一鉢と出会うことが出来たと言うと、驚くことに花農家さんご自身がその一鉢のことをよく覚えていて、しっかりと手を入れて愛でてくれていることに感激し、売り物ではない自宅にある特別な一鉢を感謝のお礼にと贈られたこともありました。

そこからは、もうボクと花農家さんとの関係など太平洋の一粒の砂の如くで、奥さまと花農家さんは、旧知の仲のように物凄く濃密なお付き合いを続けていらっしゃるとのことをご主人からお聞きする程なのでした ...



ちいさなシクラメンとの出会い

そんなことある毎に人生を彩ってくれる
シクラメンの花なのですが、
人生初の出来事が1年越しに起きたのでした。

去年のちょうど今頃、
何かの用事で出掛けた先でたまたま通りかかったところに花屋さんがありました。

最後の愛息子が夏に虹の橋を渡ることになり、年末年始には恒例の花飾りも今年はする気になれずにいたのですが、花屋さんの店頭で直径10㎝位のポットに入ったシクラメンと出会ったのでした。

棚にポツンと置かれていて売れ残りだったのかも知れぬそのシクラメンは、お財布からではなく、ポケットの中にあったお釣りの残りで買えてしまえる値段でしたが、このシクラメンがなぜか妙に気になり、思わず購入をしたのでした。

シクラメンは11月の終り頃から3月頃まで花芽を伸ばして花を咲かせてくれますが、「この子は3月まで咲いてくれるかなぁ」などと思いながら、家に戻り適当な大きさの鉢に植え替えた後は、小さく可憐な花姿をずっと楽しませてくれ続けたのでした。

そして他のシクラメンと同じように春先まで花芽を付けて小さな花を咲かせ続けてくれたのですが、花芽の姿が無くなっても枯れることのない葉っぱの姿に触れ、ダメ元でひと回り大きな鉢に植え替えをしてあげ、水やりと温度と日当たりに注意をして花咲き後もそのまま育て続けたのでした。

酷暑の夏も乗り越えた11月になったある日、葉っぱのなかから新しい花芽が伸びて来て、今では去年以上の花数を付けて可憐に花を咲かせてくれているのです!

シクラメンとはかなり長い付き合いになりますが、1年を超えての成長に触れることははじめての体験で、生命力の強い花であることを改めて教えられたのでした。



                       花と暮らし

年を跨いでのお歳暮などあり得ないのですが、
11月の終りに花農家さんへ立ち寄り、
お勧めの鉢を贈るためのお願いをして、
殆どのモノは年内中にお届けとなっているのですが、品種改良で様子を見ている鉢でお勧めがあり、その出荷は1月になってしまうと連絡を貰い、お届け先の方には、花農家さんにお預かりした鉢の写真をお送りさせて頂いたのでした。

例え儀礼的なお礼の言葉であっても有難くはあるのですが、シクラメンの鉢植えの花をお送りした先からは、心からの言葉を返して頂くことが多く、この時は、1ヶ月超えの間ずっと眺め続けたシクラメンの写真の実物の鉢が三が日明けに届けられたそうで、その感激振りにこちらの方が幸せのおすそ分けを頂戴させて頂くような気分でもありました。


花との付き合いは切り花が主で、鉢物はプルメリアとシクラメンだけになります。

それでも花農家さんにお任せのお勧めの鉢を毎年お送りし、それを年末年始の愉しみにしてくれている方々もいて、ボクにとってシクラメンは不思議な程にご縁を繋いでくれる花なのでした。

この時期になると、先述のシクラメンの花姿の伝説のことを想い出し、誰かの笑顔が自分の笑顔に通じることの、本当の幸せの姿をシクラメンの花に知らされています。


小さなシクラメンの鉢植えがいつまでもってくれるかは分かりませんが、1日でも長く花を咲かせられるよう手入れを怠らず、これからも愛で続けていきたいと思います。










笑顔の行方を見つめて

all written by careerwing  T.Yoshida@ponyo



素敵な笑顔溢れる1日でありますように!