日本の夏の装い

年賀状・暑中&残暑見舞いなどの
季節ごとに便りを届ける日本の習慣は好きです。

お中元やお歳暮などの経済負担が伴うような
儀礼的なものは100%好まぬため、
ここに義務感を感じるなら微塵もすべきではないと思うのですが、
疎遠気味になってしまっている人に対する状況伺いの接触機会として捉えてみると、嫌味なく自然と活用出来る点に素敵な文化・風習などと思ってしまい、それでも深堀するなら、そんな便りを出さなくても良い関係を普段から築け・気付けやこのバカチン目が!ともなるのですが ...


想い出の中にある夏の日々ではなく、見たことも行ったことも無いのですが地獄の釜茹でのような酷暑続きの8月でしたが、最近は日の出が少し遅くなり、日の入りが少し早くなり、朝焼けと夕焼けの朱色の色具合が少し白っぽく変わりはじめ、吹き抜けていく風の芯にどこか秋の冷気を感じることも増え始めてきました。

湘南のこの数年は塩辛トンボの異常発生が続いていましたが、今年はカナブンの異常発生の攻撃?を受けており、あの頃の夏に戻って欲しいと願い続けてもいます。



そんな残暑厳しい夏の終わりに
有難く・とても素敵な贈り物を頂戴することになりました。



高校生のキャリア形成支援


知人からの依頼を受け、迷える?
高校生の進路相談の対応をしていました。

今では珍しい相談内容なのですが、
「学校の先生・両親・友達のみんなは、大学に進学しろと言うのだが、自分自身は高校を卒業したら直ぐに社会に出て働きたい」のだと彼は言い、この状況をどうしたものだろうか?と悩んでいるというものでした。

聡明な彼とのやり取りは、つまらぬ大人の事情や世間の常識などとは違い、しっかりとした芯があり筋も通っているもので、大人からの依頼は大学進学をするように言い聞かせて欲しいというものだったのですが、彼とのはじめてのやり取りのなかでそんな依頼などどうでも良くなり、目的はつまらぬ大人どもにどう自分の生き様を頷かさせるかとのことに変化していきました。


結論的には、大学進学・就職のどちらか一つということではなく、4年間働きながら学び、大学の卒業は必ずすることと、学費は奨学金の活用も含め自分が働いた稼ぎから支払うこととする基本方針が決まり、より具体的に現実調整するために夏休み明けから関係各所へと働き掛けを行うこととなったのでした。


そんな彼との約1ヵ月間のやり取りのお礼として、
宅配便でプレゼントが届いたのでした。


... 本来は依頼をしてきた者がすべきかとも思われるお礼の付け届けを、まだ若い高校生の彼が行い、しかも年上に対してと考えると、意外と難しい対応を自然と行ったことにも同時に驚きを感じていたのでした。



作務衣という名の甚平の贈り物


「アルバイト代で作務衣を買いました」との
メッセージカードの文字を眺めながら、
手にしたのは、手触りも涼し気な甚平でした。

彼とのやり取りの中で、ご近所にある町工場の印刷会社の社長さんがいつも着ている和装の服に興味を持っていたらしく、「格好いいんですよ」というのでよくよく話しを聞いてみると作務衣だとのことがわかり、それはね ... などと伝えたことがあったのでした。


本麻の藍色の甚平は、袖を通さずとも夏に涼を呼び込む爽やかさを感ずるほどのものでしたが、実際に上着を羽織り、下のズボンを履いてみると思わず日本人のDNAがキュンとレモンハートに反応するようにしっくり馴染むことを感じていたのでした。

バミューダ丈の下のズボンの長さは、見方によったら作務衣のズボンに見える?などとひとり突っ込み&ボケをかまして見たりもしながら、前後ろ斜めと部屋の中で姿見に自分の姿を映してニヤニヤし続けていたのでした。


早速彼にお礼のレスを入れ、
Zoomで「どう?」と伝えると、
「やっぱり日本人には、
     こういうのが似合いますよねぇ」と、
どう解釈すべきなのかを悩む発言があるも、
そこは気持ち良くスルーして、もう一度、
印刷工場の社長さんが着ていたのは、
どんなものだったのかと尋ね直してみました。

すると朝夕は、甚平を着て過ごし、日中は作務衣を着て仕事をされている風なことが分かり、分かりやすいのはズボンの丈と生地の厚さかなぁと伝え、幸いにも酷暑続きだから物凄く助かり最高の贈り物だけど、送ってくれたのは作務衣ではなく甚平っていうんだよと伝えたのでした。


Zoomで全身を見せる調整が難しく上手く出来なかったのですが、そんな会話のやり取りと雑談をしながら、感謝のお礼を伝えてZoomを終了したのでした。



そして甚平を買う


その夜、彼から連絡が入り、
またZoomで繋がることになったのですが、
ボクは甚平を着たままで対応すると、
彼も甚平を着ていたのでした。

日中のZoomのやり取りをした後、どうしても自分用が欲しくなってお店に行き、店員さんにあれこれ相談をして選んで貰ったというもので、千歳緑・常磐色・鉄色・エバーグリーンのような色味で、やんちゃにならず、甚平であっても崩し過ぎず、若い子が着ても良い感じの落ち着きがある不思議な緑色の甚平を羽織っていたのでした。


作務衣と甚平のどちらを買うかを迷ったらしいのですが、お店の人との話しで、印刷工場の社長さんの作務衣の話しとなり、ストーンウォッシュされたダメージジーンズのような色合いの上羽織のことになり、その風合いを纏いたいならしっかりと作られたある程度高価な品になると伝えられ、それを手にすることを目標に先ずは第一歩目の入り口とのことで、いい感じの甚平と決めたのだと嬉しそうに伝えてくれました。




作務衣が似合う男



2023年の夏の季節の締め括りは、

笑顔と共にこんな感じの言葉となったのでした。



日本の四季の「夏」

ずっと大切にし続けたいものですね ...










笑顔の行方を見つめて

all written by careerwing  T.Yoshida@ponyo



素敵な笑顔溢れる1日でありますように!