答えのある場所

万物創世の神様が、
人々に分け隔てなく
平等に授けてくれた色々なもののなかで、
不変の真理となるものは、
命の終りを死として迎えることといえるでしょうか。

命とは、例えてみるなら
人間や生物が生まれてから死ぬまでの期間のことで、
その生涯の期間とは「時間」であるともいえます。

平等に命を与えられはするも、時間の使い方については自己責任となっていて、そこに神様は与り知らぬことと任され、与えた命が終わりを迎える時に時間の使い方への審判が下され、天国へ行くか、地獄へ堕ちるのかが決まるのかと思ったりもします。



ボブ・ディランの「風に吹かれてBlowin’ in the wind)」のなかでは、


The answer, my friend, is blowin’ in the wind   友よ ... 答えは風の中に吹いている
The answer is blowin’ in the wind         答えは風に吹かれているんだ


と歌われました。


風は過去から吹くことはなく、いま現在から未来に向かって吹くものです。
答えは「いま」あるのではなく「未来」にあるものだといえるのでしょうか。






時薬(ときくすり)の効用





ボクはキャリア関連の事案が専門の仕事なのに、なぜか命に触れるようなご相談が多く寄せられる特徴があります。

はじめてお話しをお聞きすることになったあの日 ... そのご相談をひと言でいえば、
「世の中に絶望し、未来への希望が持てない」という慟哭の叫びでした。

それでもご相談の連絡をくれたのは、どこかに気付いていない一縷の望みがあってのことなのかと思いながらお話しを伺っていたのですが、そんなボクを察してなのか「相談は、一縷の望みを抱いてとかではなく、迷いなど浮かばぬように後押しの確認のためだ」とお伝えされることになりました。

この言葉自体が行動との自己矛盾を抱えてる云々などは横に置き、無意識であっても絶望の洞窟に一条の光が差し込めたなら、ご本人の状況は大きく変わるだろうなぁと思いながらお話しを進めていました。

そんな時、「神様は不平等だ」と吐き出すように言われ、この時に先述のようなお話しになり、「神様がもう一つ平等に与えてくれたものがあると思っていて ... それは、時薬です」とお伝えすることになりました。





時薬(ときぐすり)とは



時薬ときぐすり)とは、「どんなに大変な困難を抱えても、時間が薬となっていつか傷が癒やされ解決(回復)してくれる」という意味で、人には、誰にでも自然治癒力が備わっているものなのだといえます。

医学が発達し、様々な薬が開発され、昔は治らなかった疾病が今は治療できるようになったことが増えたのも事実ですが、深い心の悲しみや傷を治せる薬はいまもありませんし、今後も完成はしないでしょう。

さらに言うなら、経験した記憶を忘れることが出来ないとしたら、それはとても辛いことであり、生きることさえ困難になってしまうでしょう。

傷は消すことは出来なくとも、癒すことは出来ます。

身体に傷が付き、血を流してもかさぶたが出来て出血を止め、傷口を無事に塞いでくれるとかさぶたは剥がれ、当初は動かし難さや残った傷跡にため息を吐くことがあっても、いつしか無理なく身体は動くようになり、残った傷跡に心奪われる機会も少なくなっていくのが常でもあります。

ここに至るにおいて大切な鍵は「時間」であり、正に時間が心身ともに薬となって効くことを物語っているものかと思います。


神様は命という時間を与え、時間の使い方においては信託をされ、傷を受けたとしても自分自身で治せるようにと自然治癒力を時間薬として、誰にも平等に与えてくれているのです。





時は全てを癒してくれる

Time cures all things.






時薬の効用についてご相談者の方とお話しし続けていました。



それはすっかり忘れていた自分自身の歴史(時間の軌跡)でもありました。

何度も々も、困難を乗り越え今に至っていることの確認作業のようでもありました。



一瞬、会話が止まり沈黙の時間が流れました。





一筋の涙が静かに零れ落ちると、

その後は止めどなく涙が溢れ出しました。




いま、現状打開の答えは見つからずとも、

耐え忍ぶことがそこに至る答えということですか ...




ご相談者の方は絞り出すような涙声で話されました。




The answer, my friend, is blowin’ in the wind
The answer is blowin’ in the wind





時薬の効用を信じてみるのもいいのかと思いますと、

応えるボクの言葉に、もう一度の長い沈黙の後、

静かに頷く姿がありました。




時薬を持っていることを忘れぬことが肝心なのだと思います。

それは、神様からのエールのような贈り物なのですから ...





時は全てを癒してくれる


Time cures all things.












笑顔の行方を見つめて

all written by careerwing  T.Yoshida@ponyo



素敵な笑顔溢れる1日でありますように!