黒字倒産のつづきです。
トレカの棚卸では、棚卸還元率というものを設定し、売価×還元率で、原価を出します。
店内にある在庫の原価がわからないため、売価から原価を出すんです。
もちろん、1枚1枚管理されているところは原価で集計しています。
原価がわかっていれば、原価で数えたほうが一番正確なのですが、小さな店舗では原価の変わるものをいちいち管理はしてられません。
4割粗利を取るという事業計画ならば、原価は60%。
つまり還元率は60%になります。
売価で数えた結果、全部で400万あったとすると、
400万×60%=240万 原価です。
本当におおざっぱです。
実は原価3割のものもなかには混ざっているかもしれません。
3割だったものが、原価6割に跳ね上がってしまうんですね~
あれ?ちょっとまてよ?
前回、期末在庫が増えると、粗利がでるということでしたよね?
じゃあ、還元率をより多く、70%に設定してしまえば在庫が増えて、決算で良い経常利益を出せるではないか!!
在庫も抱えていたほうがいいじゃないか!!
と思いません?
私は最初そう思いました。
でも違うんです。
帳簿上で利益を上げても、実際に現金は入ってきていないんですよ?
在庫を多くカウントすることによって、帳簿上で経常利益をだしてしまうとどうなるか。
経常利益には税金がかかります。
現金はないのに、税金を取られ、結果マイナスに。
これが黒字倒産です。
要は在庫も資産になるということです。
現金ではなく、現物資産では会社はやっていけませんので、決算前にお金に変えてしまおうと、2月3月に各企業がおこなっているのが、
決算大セールなわけです。
もちろん、原価がふわっふわしているトレカならではの倒産なので、きちんと原価を把握している大企業はこんなことはありませんけどね。