元々アメリカで中古車販売、新車の海外輸出などの仕事をしていたこともあり、2011年に日本に戻ることになった際ネットを使ってできるパーツ販売なら日本にいても(時差のバリアを除けば)仕事を続けられるはず、と思ったことが今の仕事を始めるきっかけでした。(それまでにも、アメリカから日本に向けてパーツを輸出するという仕事、また日本での小売りもやっていました)

 

日本で販売されていない商品、そもそも海外のサイトで買っても輸送手段がない(= 送料が商品の何倍にもなる)商品、並行輸入(メーカー正規ルートではなく、海外に住む個人/法人の方が販売・発送もやって輸出してくれる)のため買った後の保証が心配な商品、、簡単に言うとこのあたりのニッチな市場を狙って仕事をさせていただいています。100%車に関係する商品、アウトドアに関する商品が多いのは結果的なもので最初からそのセグメントを狙っていたわけではありません。お客様から「こういうのを輸入してほしい」「これはないか」というお問い合せにこたえた結果のラインナップという側面もあります。

 

海外で行われるいくつかのイベントにこれまで行ってきました。例えば同じ目的でつかわれる商品でAというメーカーとBというメーカーがある場合、我々が扱っている商品に関して言えば機能面を含めそこまで大きな違いはありません。文章にして書くのははばかられますが、正直なところです。では、売れる・売れないの違いは何か。扱う、扱わない、一度買ってその後も仕入れ続ける、の違いは何か。価格、デザイン(色)、納期、、、

 

あるメーカーと取引が始まり、仕入れの数が大きくなっていくと価格交渉をして、納期もコミットしてもらって、ということをやってきました。ただ、相手をみてこういうことをしないと小規模かつほぼハンドメイドで製造しているメーカーにこういうことをするのはいいことではないのではないか、と思うようになりました。もちろん、ある程度幅をもっての pricing だとは思いますが相手を変えてとにかく価格と納期の交渉。吉野家の社長さんが「今の時代は早い、安いじゃ牛丼は売れない」とおっしゃってました。

 

海外のイベントでも、いわゆる我々のようなセレクトショップ的な会社がブースを出し、そこにメーカーが相乗りして出展というのもよくあります。そこが我々の目指す先かどうか。

 

メーカーとのパイプを太くして、アメリカでは販売されていないけれでも日本で売れている車の商品をつくってもらう、というのは興味があります。いやいや、それよりも自分たちでものをつくって販売して、ブランディングしてという方がいいんじゃないか、面白いんじゃないか。と当然考えますね。お客さんからフィードバックをもらってすぐにそれを活かす、「SPA はノウハウがたまる」と柳井さんは言ってます。Snowpeak Way のようなイベントをやってコアファンをつくり、関係を維持していくというのはお客さんにとっても望ましいかたちでしょうね。

 

先週行ってきたイベントは、イベント自体が企画会社に売られたようですね。https://lodestoneevents.com/ やたら「Overland Expo」て書いただけのグッズを販売してるトラックがあちこちにあるなぁと思っていましたが、出展社、お客さんからのチケット収入+のグッズ販売+飲食(酒)というかたちでライブイベントのように商業化していたんですね。

 

今我々がいる業界は、アメリカでの流行がまだ価値をもっている世界です。これがいつまで続くかは分かりませんが、アメリカ好きの人はたくさんいて、4歳の甥っ子でさえも「トランプ大統領」を口にします。アメリカは世界最強のアイコンですね。

 

冒頭の類似商品の各メーカー間の違いですが、私が思うに結局は人ではないでしょうか。もちろんこっちを馬鹿にするのではなく、またそれなりの量を買っているから厚遇するのでもなく。何かの縁があって出会ったこういう人たちとの出会いをこれからも大切にしていきたいと思います。ただ、ビジネスなので我々もお客様から選んでいただけない限り成り立たず、そこを最優先するのは言うまでもないことですが。

 

これからも海外で開催されるいろんなイベントに行き続けます。モノによっては非常に似てる、同じような商品を目にすることになっても。そこで真剣に考えて、自分たちが提供できる付加価値を常に探す努力を精一杯しながら強みを磨く努力を怠らず進んでいきます。