ラスベガスで毎年あす世界最大規模の社外品自動車パーツの trade show です。

プロ野球日本シリーズ、メジャーリーグのワールドシリーズ決勝とハロウィンとも重なる10月終わりから11月最初に毎年あります。

 

多くの日本の方が行っており、「今年も来ました!」のまくら言葉がもれなくつきますが私も行ってきました。今年は社員2名を連れての、初の海外出張でした。福井→成田→サンディエゴを経由して空路でラスベガス入り、丸々1週間の旅程でした。

 

我々は輸入パーツの販売を生業にしておりますので、この SEMA Show は「観に行く」ところではなく「商談の場」です。新商品の説明を聞いたり、仕入れ価格の交渉をしたり、問題がある商品のクレームを経営陣に投げたり、新しい取引先と話したり、等々やることは結構あります。3日間で13ミーティング、その他新規開拓もやりました。また、ここ5、6年続けて会っている人間とは家族の話にもなり、子供が○○に引っ越したとか家族に幸・不幸があったとか、そういう話も結構します。政治の話はあまりしません。

 

なので、我々にとっては SEMA に行って終わりではなく、帰ってきてからが大切なんです。期間中はみんな忙しく、特に新規取引の場合は細かい話にまで及ぶことは少ないため期間後のやりとりを経て実際の取引開始となるからです。アメリカの鉄も熱いうちに打たないといけなくて、メールを送って数日経ってもレスがない場合は縁がないと割り切っています。実際会場に行けば分かりますが、無数の出展者が場合によってはほとんど酷似の商品を扱っていて、そこから取引が始まるのは縁という要素も大きいと私は考えています。ただ、商談中にいかにアピールして他社ではなくうちと取引するメリットを伝えるか、ということはもちろん重要ですね。時間とお金をかけてわざわざ行ってるのに、すべてを「縁」のせいにするのはあまりにも無能だと思うので。

 

車の上に取り付ける「ルーフトップテント」という商品がありますが、これが非常に多かった。当社ではヤキマ製ルーフトップテントをお勧めしています!あと、ルーフラックはフラットなタイプですね。あれだけの車が展示されていると注意していても難しいですが、アメリカ式カスタムとオーストラリアスタイルが混在していました。出展者はアジアの製造工場も非常に多くいます。メーカーからの外注先として、ですね。

 

ブースの位置もかなり熾烈らしく、毎年出展して少しずついい場所になっていき、ただ1年でもスキップするとまた振り出しに戻るとか、で。ブースの組み立てもかなり大がかりで、CURT ブースのモニター設営だけで約50,000ドルらしいです。(部材はすべて会社所有、Labor のみ)余談ですが、会場での朝ごはんも12.50ドル+飲み物でほぼ20ドル。私にとっては超高い朝食ですが、結構な人が食べてるんです。これが。こんな費用まで会社からは出ないでしょう、自腹?とかいろいろ考えてしまいます。

 

数社といい話ができました。実物をみて、自分たちでは解決できなかった問題が解決できたものもありました。

 

アメリカ人は適当だから、仕事してると大変でしょ?とかメール送っても全然レスがなくて、どうやってるんですか?とかよく聞かれます。何かあって文句言っても無視されて終わっちゃいましたよ、とか。私は特別語学が得意なわけではありません。大体同じ言い回しを、ちょっと工夫して言ってるのと新聞や会話でいいね!という表現があれば覚えてつかう努力はしています。ただ、何人でも相手は人間で、アメリカの場合「買うの?買わないの?」「考える?じゃあいいよ」ってのがより露骨なだけだと個人的には思っています。言うときは言う、でもちゃんと買うってことをやっていれば変なしがらみもなく、ある意味日本よりやりやすいと思うこともあります。

 

輸入っていっても右から左で売ったらはいおしまいでしょ、と言われることもあります。うちの商品を見ていただければ分かりますが、単価は結構高いものが多いです。「いい給料もらってるわけじゃねーんだよ、少しずつ貯めてやっと買ったんだよ」と仰っていただいたお客様もいらっしゃいました。できる、できないは出てきてしまいますが、最後まで責任をもって仕事に取り組むことだけは忘れてはいけないと思っています。

 

越境ビジネスの隆盛で、アメリカにいながら日本のネット販売なんて随分前から当たり前になっています。人のマネ、二番煎じではなく自分たちの手で商品を見つけ、市場を拡大していくんだ、という気概をもって日々の業務に取り組んでいきます。隣よりもいくら安い、じゃもたないでしょ。せっかく大学まで出て入社してきた社員たちにそんなことはさせたくない、と今の私は思っています。

 

商品を見つけ、仕入れルートを確保し、注文をなげて輸入する。税関の指導にのっとって輸入申告をかけ入荷。ネット販売であれば商品ページをつくり、プロモーションを考え、あれこれ提案の嵐の広告を見極めて選びぬく。いろいろやることはあるんです。電話一本で届く商品ではなく、売れ筋ランキングをみて「うちもこれやってみようよ」というアプローチではないので、時に難しいこともありますがだからこそやりがいがあり、オートプロズが存在する意味が少しはあるのかなと思っています。

 

アメリカ、いいですね。今も野球の試合前の国歌を聴くとブルっとします 笑。

自分たちにしかできないことは何か、どこをもっと工夫すればいいのか。もっともっと真剣に考えて、抽象と具体の間を行ったり来たりしながら少しでもお客様のお役に立てるよう今後も頑張っていきます。

 

今年も残り2か月をきりました。体調管理にはくれぐれも気をつけて平成最後の年末年始にそなえましょう。