『CEATEC JAPAN 2011』
主催:CEATEC JAPAN 実施協議会
会期:10月4~8日
会場:幕張メッセ
かつて「エレクトロニクスショー」と呼ばれていた頃はトレードショーの雰囲気が色濃かったのですが、いつのまにやら一般メディアでは「デジタルガジェット展覧会」みたいに報じられることが多くなったシーテックジャパン。
しかし家電メーカーのそうした新製品ばかりではなく、まだ実験段階の未来提案も以前と変わらず盛況。最終商品を手がけるメーカーからサプライヤー、素材メーカーまで幅広い業種で、そうした展示が行なわれていました。ここではそうした展示を紹介したいと思います。
パイオニアが展示したEV/PHEV用の非接触充電システム。Wi-Fi通信を利用して、クルマだけでなく家庭やスマートフォンとも情報を共有できることで、柔軟な運用ができるようにするというもの。株式会社アイホンと共同でドアホンとの連携を開発中とか。
また充電コイルと付属機器を可能な限り一体化し、タワー型スタンドを不要にして設置自由度を高める提案もされています。
一般紙でも報じられて話題になった「スマートEV屋台」は、バンダイナムコゲームスの出展。日産リーフの電池をそのまま搭載したプロトタイプが公開されていました。日本語で言えば「自立電源型可搬屋台」だとか。
どの程度の実現可能性があるかは未知数ですが「クルマ用としては使えなくなった電池のリユース方法のひとつとして、こういう使い方もあるのでは?」という提案だとか。床下に電池を敷くEVのパッケージレイアウトから発想した、決してシリアスではないものの楽しい未来予測。コンセプト提案としては大いにアリです。
直方体の家屋「エアロハウス」は、TBWA博報堂のプロジェクトのPRに使われていたもの。プロジェクト自体のキャッチコピーは「生活者発想によるオープンイノベーションで、日本のイノベーションを加速させます。」という、イメージ優先で意味がよくわからないものでしたが、このミニマルな建築は目を引きました。
コンテナのように規格化されたモジュールながら、ユーザーの希望に応じてユニットの増設や移設、機能部品の変更や増設が可能というもの。半透明の有機薄膜太陽電池(コナルカ・テクノロジーズ製)を窓ガラスに貼り付けるといった提案がされていました。
エアロハウス公式サイト:
http://www.aerohouse.net/ いっぽう日産自動車は、モノコック構造を採用し、リーフを蓄電池として使う未来型スマートハウス“NSH-2012”を公開。
高床式なのは「スペース効率を高めるため」だそうですが、同時に日本古来の建築様式にヒントを得たとか。また八角柱という多面体構造を採用したのは剛性確保と近未来感を演出するため。発電は屋根の太陽電池と定置型の燃料電池で行ない、エネルギーの「自産自消」を可能にするもの。
NTTドコモのブースで見つけたのは、自転車シェアリングシステム。「お財布ケータイ」で個人認証と課金をするというものですが、ドコモ以外のキャリアでも財布機能を持つケータイなら利用可能。すでに4月から横浜で実証実験が行なわれていて、一般の人も利用可能。
お財布ケータイを持っていない人は、クレジットカードを挿入して認証と課金をする仕組み。基本的な仕組みはパリの「ヴェリブ」と同じですが、レンタルのみで専用自転車を使うヴェリブと異なり、フロントフォークに専用金具を取り付ければほとんどの自転車で利用可能。集合住宅や公共施設などの駐輪場にも応用できそうです。
横浜都心部コミュニティサイクル社会実験:
http://docomo-cycle.jp/yokohama/whatiscs NECが提案するのは、スマートフォンの着せ替えセンサジャケット。ジャケットの中にさまざまなセンサーを搭載して各種データが計測できると同時に、スマートフォンに記憶させたデータを連携させることが可能。
位置情報と環境測定データをサーバに飛ばして共有したり、個人の生体データを蓄積して医療機関で活用する、といった使い方が提案されていました。
こちらは京セラのケータイコンセプト5種。アドバンスド・デザインのモックアップです。順に紹介していきましょう。
“GESTURE”
液晶面を「ノ」のようにカーブをなぞると電話、端末全体を握るとメールといったように、ジェスチャーで機能を立ち上げる。
“The Marlin Collection”
眼鏡にグラフィックを投影し、ジェスチャーでドラッグ&ドロップすることでインタラクティブなコントロールが可能……ということだそうです。
“CERAMICS”
硬質セラミック素材を用いて、自然な音の響きを忠実に再現する、というもの。京セラのルーツを個性的な付加価値にしようとする試み。
“ORGANIC TRANSPARENT”
回転する透明ディスプレイの表示と液晶画面の情報を組み合わせ、現実世界と画面世界が結びついた拡張現実を具現化する。
“UFO”
外周の透明部分に透過型液晶タッチセンサを内蔵し、簡易ナビゲーションやカスタム操作が行なえるようにする。
非常にわかりづらい説明ですが、説明板にはそう書かれていた、ということで……デザイナーがいればコンセプトを聞いてみたところですが、残念ながら出会えませんでした。
こちらは3Mの、シースルー太陽光発電フィルムのディスプレイ。
窓ガラスに有機薄膜太陽電池を貼れば、発電と太陽熱の遮蔽が同時にできるというもの。赤外線をカットすることで室内の温度上昇を抑え、エアコンの稼働率を抑制します。また保護膜が透明なので表裏の両面で発電できるメリットを持ち、大胆な二次曲面に対応できるのもメリット。
実はスケジュールの都合で最終日、一般公開日の視察となってしまったのですが、EVや有機ELパネル、太陽電池などさまざまなプロダクトが連携あるいは融合することで拡大する、商品展開の可能性を感じることができました。
次回CEATEC JAPAN 2012は2012年10月2~6日、幕張メッセで開催の予定。
CEATEC JAPAN 2011:
http://www.ceatec.com/2011/ja/ (文/写真:古庄速人)