某・整備工場にて車検を受けたというお客様、
車検を受けてから調子が悪いという事で入庫です。
症状は、
・アイドリング時はずっと強めの振動
・走行フィーリングが結構悪い(もっとキビキビ走っていたはず)
・速度が最大で90km/hまでしか出ない
・ヘッドカバーガスケットからオイル漏れ
などなど・・・
でも、お友達から紹介して貰った工場に出したので、「車検を受けてから調子が・・・」というのはなかなか言い難くて我慢して乗っておられたそうですが、そんな折、たまたま助手席ドアが閉まらなくなったという事で、今度はフリークに入庫。
そもそも、入庫した当初の理由はこの”助手席ドアが閉まらない”という事のみで受付。
ドアが閉まらなくなった原因は、フロント左ドアのドアロック。
ここは交換して解決。
でも、お預かりした際、既にチェックランプが点灯している・・・。
「ドアが閉まらないのも大変な事ですが、このチェックランプも診させて貰っていいですか?」と伺い、点灯した経緯を伺うと、出るわ出るわで、上の様な事。
更に続けてお話しして下さったのですが、内容がなかなか凄い!
・車検後にチェックランプが点灯しているから、車検をしてくれた整備してくれた車屋さんに聞いたら「これを直すのには飛んでもない費用が掛かる。車を買い替えれる位。だから、もう直さない方がいいよ!と言われた。
・車検に預けて出来上がるまで1年以上かかった。
・タイミングベルトも交換してくれたんだけど、それら費用が結構な額だったが、大幅な値引きをしてくれたのでとっても良心的。
あははは・・・
一体、最初の金額って幾らで出てて、どの位値引きしてくれたんだろう?
聞くのが怖くて聞けませんでした。
診断を進めて行き原因判明。
出力低下&エンジン不調の原因は2つ。
1つ目は、車検の時に交換してもらったタイミングベルト。
残念ながら、1コマずれて組まれています。
2つ目は、インタークーラーに何かが刺さった様な穴が空いている。
タイミングベルトのコマずれは修正。
お客様には申し訳ないけれど、前に組まれた方が一体どうやって、どんな手順で組んだのかが分からないので、ベルトも新品にさせて貰ってイチからやり直し。
多分、SSTを使用せず、合わせマークをマーカーで記しただけで外し、それをそのまま信じて組んだのではないかと想像。
その手法は多くの日本車で有効ですが、逆に、多くの輸入車ではアウトです。
輸入車の多くは各プーリーの合わせマークなんて存在しないので、正規の位置をSSTを使って割り出し固定する必要があります。
きちんとSSTを使い、位置関係を正しく合わせて組みなおして完治!
そしてインタークーラーに空いた穴が不思議。
まるでフォークリフトの爪の先端がぶっすり刺さった様な穴で、しかも、フロントバンパーなどの外装は全く無傷。
お客様に聞いても、前回りに何かが当たったという経験は無いそうで・・・本当に不思議な穴。
でも、こんな穴が勝手に空く訳は無く。
過給圧が掛かった時にこの穴からエアが結構な勢いで噴出していました。まるで飛行機の逆噴射の様。
この穴が空いた原因は”不明”という事で、中古のインタークラーを取り寄せて交換して完治。
さて、今回のブログ表題に沿った内容はここからなんですが・・・・
なんか、色々書いてたら、ここまでの経緯の方がネタ的に何だか面白そうですよね。
って、、、おっと、、、、、
ネタ的に面白そうは、不謹慎でした・・・
いかん!いかん!!
さて、では、今回の表題の内容に入ります。
このボルボV60、タイミングベルトを交換し直して、インタークラーも交換した事で絶好調!!
お客様も、「こんなに走ってくれる車だったんだよね!!」との事で大喜び頂いたのですが、、、
あまりに調子良くて楽しいからと、そのままこの地域の山間部・峠道までドライブ!
ところが、峠に差し掛かった頃のタイミングで、
「あれ!?なんだかちょっと、絶好調じゃ無くなった」という状態になったそうで、その時ふっとメーターパネルを見るとエンジンチェックランプが点灯。
それ以後は点灯しっぱなしで、
アイドリング時には微妙にハンチング気味で、回転が落ちた時のブルブルがちょっと伝わってくる感じ。
走っていても、最近までの絶好調とはちょっと違う、なんとも重苦しい様な感じ。
お客様から連絡を頂き、すぐにお預かりへ。
チェックランプが点灯しています。
P223100 O2センサーのヒーター回路に短絡。
このDTCが消えてくれません。
※エンジンオイルは適量入っていて、オイルレベルの警告は消す事が出来ました。
O2センサー異常、もしくはチェックランプが点灯する事で何かしらの制御が入り軽い不調を起こしているのか、それとも原因は他にあるのか調べる必要があります。
※今回のDTC内容は別として、O2センサー不具合で本当にO2センサーが悪いパターンが少ないですが、今回は少々こじつけで(笑)
今回は、FLEXの日本代理店として、ちょっと変わった診断手順を実施してみます。
エンジンECUを取り外して、
O2センサーの不良を検知しているECUにアクセスして、この検知機能自体をプログラム上で一時的に停止させます。
プログラム上で、エンジンチェックランプとO2センサーの関連性を解きます。
これにより、どうしても消せなかったチェックランプは一時的に消す事が出来、チェックランプ点灯より何かしらが介入している可能性を消す事で、五里霧中の故障診断に少しずつ兆しを見い出していきます。
O2を切り離しても不調は直りません。
ま、それに、排気ガスが異常に臭いますから原因はまず他にあるのでしょう。
次に疑わしいエバポレータパージバルブ。
アクティブテストで強制停止させたり100%開いてみたり、色々テストします。
強制的に100%にすると調子が良くなります。
容疑者発見!
ライブデータをチェック。
アイドリング状態では0%を表示。
動いている様子がない・・・
デューティ制御なので、もう少しカチカチ言ってもいいはず。
でも、いずれの状態であっても終始無音。
インマニの所を外して指で塞ぐと調子が良くなります。
どこか他から二次エアを吸っているのか、それともパージバルブトラブルなのか。
内部弁が何かきっかけで不動となっている?と思い、ドライバーの柄の部分で軽く「コンッ!」って叩いたら、凄く速い間隔でカチカチ言い始めました。
お!数値が出だした!!
そしてエンジン絶好調です。
エンジンチェックランプも全て消えて良い感じ。
でも、カチカチの音が妙に大きいので、これは完全故障の手前と判断。
それに、何かしらのきっかけで、近いうちにまた壊れますね、これは。
この部品はお見積もりをして、次回再発したら交換をさせて貰う事でいったん納車となりました。
今回は、ECUプログラムをいじって、診断機にてアクティブテストとデータモニターを繰り返し、そして最後は昭和方式で直すという、なかなか興味深い診断ルーティーンでした。
※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。
※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。
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