トラブル修理-アルファロメオジュリエッタ()走行すると異音-「感覚」判断は誤診を招く | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

フリークによく修理を入れてくれる整備工場さんから電話。

 

「アルファロメオだけど、走るとウォンウォンうるさいので診て欲しい」

との事。

 

聞けば、

お客様が走行中に異音に気付き、そのままディーラーさんへ入庫したそうです。

そこで言われたのが「原因はフロントタイヤです!」との事。

ただ、何故か、その診断に疑問を持ったオーナー様。

 

続いて入庫したのが、弊社お付き合いのある整備工場さん。

そちらでの判断は、「走ったらフロントから音がするけど、リフトで上げても音がするので、もしかしたらミッションの中かも!?」。

 

 

 

そんなこんなで、早速お預かりとなったジュリエッタ君。

試運転してみると、本当にものすごい音!!!

 

早速弊社トップツー、2名のメカニックが試運転!

結果は、「右前から聞こえる!!」。

 

続いて私にお鉢が回って来たので、

近くにある広い駐車場でテストしてみる事に。

駐車場に向かうまでの道中、確かに前から音が聞こえて来る。

鈍いからなのか、右か左かの区別が私には付かない・・・

 

でも、最初に助手席に乗せて貰って試運転した時に比べ、

運転席に座ると音が確かに大きく聞こえる様になったので、発生源はやっぱり右なのか??

それにしても、ものすごいうなり音(^^;

 

そうこうする内に駐車場に到着。

かなり広い駐車場なので、左右にハンドルを切りながらの蛇行運転。

すると、

ハンドルを左に切ると音が消失する。

ハンドルを右に切った際は、直進状態よりも若干音が大きくなっている。

この事から、音の発生源は左である可能性が濃厚に。

 

でも、帰路に付いて道路を直進していると、やっぱり音は右前からに感じる。

なんだこりゃ??

自分の試運転の結果をスタッフに報告するけど、原因は左側である可能性が高いという位の事しか言えない・・・

 

その後、スタッフがタイヤ前後ローテーションして試運転に出るも、音の出方に変化が無いとの報告。

 

 

こうなって来たら仕方ない。

まずはタイヤであるという可能性に白黒つける為に、うちで中古車として在庫しているジュリエッタのタイヤと入れ替えよう!!

 

と言って作業している途中にスタッフが気付いた・・・

 

「左リヤ、よくよく診てみると、ガタがあります・・・」

 

全員 ズコッ!!!

 

(古い??)

 

 

 

 

後ろかよっ!!!

 

 

 

リヤハブベアリングを外してみると水滴が!!

 

 

 

外したハブベアリング。

 

 

 

あらら・・・

 

 

 

こりゃダメだ・・・

 

 

 

水が混入してグリースが乳化しているし、所々焼けて炭素化した様に黒ずんでいます。

インナーレースもポロリと外れて来るし。

そして何より、臭い!!焼けた臭いがする!!

 

 

 

新しいベアリングに交換。

 

 

 

ベアリング前後に使われているカラーも同時交換します(写真は古い物)。

 

 

 

そして、水分混入を防いでくれるハブキャップも新品に!

キャップ周辺には、更に水の混入を防ぐひと手間を施して取り付け。

 

そして試運転。

 

 

あれだけうるさかった異音は綺麗に消失!!

逆に、タイヤから来るロードノイズが目立つ様になりましたが(^^;

 

ちなみに、タイヤは東南アジアメーカーのもので、1本4,000円位のものが装着されていました。

溝も少ない事から、こちらも早めに交換を勧めてあげて下さいと進言し(あと、出来ればもう少しランクアップも)、お預かりの整備工場さんに納車。

 

 

 

それにしても、人間の感覚なるものは、これ程までに頼りにならないって事ですよ。

 

私たち整備士は、目で見て、触って確かめ、変な臭いがしないか、変な音がしないかなど、味覚以外の感覚を駆使して不調を探し出しますが、それらはあくまでも入口での話であって、そこから診断へと進んだ際には、今度は物理と数学を駆使する必要があります。

(大学も行っていなけりゃ、自称・文系の私が言うのも何ですが)

 

 

 

 

4年ちょっと前の修理を思い出して、ブログに使った写真を引っ張り出して来ました。

 

一見すると、問題無さそうに見えるヒューズ。

 

 

 

よく見ると一部分が切れています。

当然、ヒューズ飛びによって導通は遮断。

 

この時の、

「ヒューズは全て大丈夫でした!!」との報告に、

 

見たの?(Watch)

診たの?(Examine)

 

と詰めた事を思い出しました。

 

 

 

 

 

その隣では、W124のリヤ足回りが進められています。

年式も古い事から、ここまで外すまでの間も、幾度と無く錆との闘いが勃発。

 

「錆てボロボロ」という訳では無く、外そうとしたボルトやナットの頭が錆て丸くなっている・・・

なので工具が全く掛からない。

 ※もちろん、こんな場合でも使える専用の工具も持っていますが・・・それでもダメ。

 

そして、ここまでで一番時間がかかったのがマフラーの接合。

この時代は差し込み式になっているのですが、その部分は当然の様に錆が回っていて溶着。

錆により一体化していて動かない・外れない・工具も刺し込めない。

バーナーであぶったり、一晩も二晩もラスペネやマックスフィルムに浸したりしたけどダメ。

 

結果、どうにか頑張ってマフラーを外せたにはいいけれど(結局エキマニ部分が緩んでくれました)、

今度はマウントブッシュのカラー部分が錆で周囲と溶着し抜けて来ない・・・

外そうとすると、ゴム部分だけがスポンッ!と抜ける。

 

何かをする度に小さなプラスチック部品がボロボロ崩れたり、金属製のバンドが錆びていてパキポキ割れて行く・・・

 

でも、時間はかかっておりますが、着実に進んでおります。

 

 

 

更にその後ろでは、ルノーエクスプレスのエンジン組み立て進行中。

 

こちらは、W124なんて比じゃないレベルで大変。

 

コンロッドがブロックを突き破って破壊されたエンジンに代わり、

ルノーサンクのブロックを流用して組付け中。

しかし、ヘッド部分は元のエクスプレスのものでないと、今度はエンジン自体の制御が不能の為、その両者を組み合わせて使用。

 

しかし、同じ型式なのに、余りにも小さな変更点が多い。

エンジン自体は大きく違いが無いけれど、

補器類関係があれこれ触る度に違いを発見。

そして付かない。

ガスケットも無いからその多くを自作。

 

色々と部品を頼んでいた部品商からは、

「現状お届けしたもの以外は、もういつ入って来るか、誰も何も分からない」との事。

手元にある物で進めて行きます!

自作や何かの流用で行ける所は行ってみます!!

 

 

 

 


※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。

※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。

 

 

 

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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました