トラブル修理-ボルボ240(AB230)エアコンが効かない & 発電不良 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

少し前に、県外の車屋さんにて購入されたボルボ240。

 

 

エアコンが急に効かなくなったとの事でディーラーさんに行かれたそうですが、そちらで出して貰った見積もりは、

 

 ・エアコンコンプレッサー交換

 ・エバポレータ―ホース交換

 ・アキュームレータ―交換

 ・エアコンガス充填

 ・エアコンコンディショナー(オイル)充填

 

という内容で、総額 21.3万円。

 

その後、お知り合いの方に相談されて、

フリークを紹介されご来店頂けました。

 

 

 

 

 

ご来店された時に点検をしてみますと、

電動ファンが回っていません。

 

 

 

 

 

まず怪しんだのが、240のウィークポイントでもあるファンリレー。

 

 

 

 

 

リレーを抜くと、ギボシがスカスカでカプラーに収まっていません。

本来は、カプラー部に固められ固定されているのですが、

経年劣化でこのコーキングがボロボロになっていて、

みんな自由に飛び出して来ます(^^;

 

 

 

 

 

リレー配線直結すると電動ファンは回ります。

 

 

 

 

 

 

調べた結果、ここが原因である可能性は低いのですが、

元々が非常にトラブルの多い所である事と、

既に接触が不安定である事などから、

新品に交換をしておく事に。

 

 

 

 

 

みんな自由に飛び出してくるので、お隣同士の接触に気を付けながらリレー交換。

 

 

 

 

 

 

電動ファンモーターはバッ直入れてチェック。

(ブレーカー付きのテスターで入れますので、バッ直でも過電流は流れません)

 

電動ファンは元気に回ります。

 

 

 

 

 

ヒューズも全て問題無し。

 

 

 

 

 

 

電動ファンを止めている犯人を捜していると、

高圧センサーに繋がるハーネスが車両下に。

 

 

 

 

直結してエアコンのスイッチを入れると・・・

 

 

 

 

 

電動ファンは元気に回ります。

 

 

 

 

 

ハーネスを短絡し、エアコンをONにしたら電動ファンが回る様にしました。

 

エアコンは冷えだしましたが、

それでもまだ冷えが甘いので、エキスパンションバルブも交換します。

 

 

 

 

 

よく不具合を起こすエキスパンションバルブ。

 

エキスパンションバルブはこの部分の配管内部に装着されています。

他の輸入車メーカー(アウディなど)でも、このタイプのエキパンがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドロドロドロ~~~

 

 

 

 

 

物凄い汚れ・・・

エキパンの働きも期待出来ない状態です。

 

 

 

酷い状態ですね。

 

 

 

 

 

新品のエキスパンションバルブ。

Oリング部分にはエアコン部品組み付け専用の潤滑剤を塗布。

 

 

 

 

 

取り付けて完了。

 

 

 

 

 

 

真空引きをしてガスを充填。

 

エアコンオイルは、蛍光剤でもあり、

小さな穴なら塞いでくれる特殊なものを充填しておきました。

(サービスです)

 

 

 

 

 

エンジンをかけてエアコンをON!!

暫くすると、車両下にポタポタと水が落ちて来ました。

エバポレータがしっかり冷やされている証拠です。

 

エアコンの風もしっかりと冷えています。

 

本当はレシーバードライヤーも交換したいのですが・・・

 

今回の修理は、このボルボを購入した販売店さんが費用をみてくれるというお話になりましたので、診断をし、見積もりをし、了解を貰って順次作業を進めています。

 

今回のエアコン修理は一旦ここで完結となりましたが、

費用をみてくれるだけでも、本当に良かったと思います。

 

殆どのお店は、突っぱねられるか連絡が付かなくなるか、どっちかです。

 

 

 

 

 

 

 

アンダーカバーが装着されているのですが、

前側左右の肝心な部分に割れがあり、

ボルトで止める事でどうにかそこに留まっているという状態です。

 

このまま使っているといずれ外れるでしょうし、

走っている時に外れると、走行風を巻き込み、

アンダーカバーがベロンッと剥がれて大変な事になります。

 

 

 

 

 

もうこれで割れる事はありません。

(サービス)

 

 

 

 

 

固定しているボルトは全部が酷く錆びていましたので、

スレッドコンパウンドを塗っておきました。

これで脱着がスムーズになります。

 

 

 

エアコンも効く様になったし、ホッと一安心。

エンジンをかけてエアコンの冷えを確認していると・・・

 

 

急にエンジンの調子が悪くなり・・・

「ガタガタガタ・・・・、  プスンッ」

 

エンスト・・・!?

 

まさに、一難去って、また一難(^^;

 

エンジンをかけようとキーを回すも、

「カッチン・・・、 カッチン・・・・・」

 

 

 

 

 

バッテリーは見た感じ少し古そうなのですが、

まずは充電をしっかりしてから、オルタネータの発電をチェック。

 

 

 

 

 

 

オルタネータの発電量が低すぎます。

 

お客様にお返しした後で発覚しなくて良かった~!!

でも、入庫時にもバッテリーとオルタネータはチェック済み。

その時は問題無くパスしていたのに!?

 

 

 

 

 

オルタネータのボルテージレギュレータを点検。

ブラシがメチャクチャ摩耗しています!!

 

 

 

 

 

こちらが新品のボルテージレギュレータです。

 

 

 

 

 

差はこんなに。

 

 

 

 

 

交換をして再度診断。

 

 

 

 

 

 

 

バッテリーの充電、そして診断を繰り返しますが・・・

 

う~ん、残念・・・

 

ボルテージレギュレータは、

フリークの不良在庫になりました(^^;

 

更に調べて行きます。

 

 

 

 

 

バッテリーの所でこの電圧。

 

 

 

 

 

ハーネスの経年劣化による抵抗もあるので、

B 端子の所でも計測。

 

 

 

 

 

それでも低い・・・

もっと欲しい。

 

 

 

 

バッテリーは、充電すると復帰してくれたみたいですが、

 

 

 

 

 

そこからオルタネータの診断に移ろうとすると、

「これはディーゼルですか?」という質問が。

 

つまり、発電自体を検知できないという事・・・

 

 

 

 

 

やっぱり、出力電圧無し・・・

 

 

 

 

 

他にもある、オルタネータの出力診断が出来るものを持って来て、

再びテストを実施。

 

「 CHE 」の表示。

これは「チェック必要!」の意味。

やはりオルタネータはダメみたいです。

 

 

 

 

 

現状を把握する事は大切で、

更に負荷をかけた状態でもチェック。

 

エアコン最大風量で、ヘッドライトはハイビーム。

 

 

 

 

 

この電圧。

 

 

 

 

 

ブースターケーブルと、

 

 

 

 

バッテリーを直結しても計測。

 

そこからの、

マイナス端子を外してもチェック。

他にも色んな方法で計測しました。

 

さすがにもう諦めが付きました。

 

オルタネータは、社外新品が手に入るので、早速取り寄せました。

 

 

 

 

 

新旧です。

 

 

 

 

先端のプーリー部分は移植の必要あり。

 

 

 

 

 

当初から気になっていた、オルタネータ本体のぐらつき・・・

手で強めに左右に動かすと、グラグラ動くのです。

 

240搭載のオルタの発電量の基準値も知りたかったので、

何年も前に取引をした事があったというだけで、

「コクスン」さんに突撃電話(^^;

 

すると、対応して頂いた方がこの「フリークのブログ」を見て頂いているとの事で、話は多方面に広がりながら、240に付いても色々教えて頂けました。

 

 

 

補器類の固定部分にはラバーブッシュが使われている事や、

このオルタの発電量はやはりおかしいという事なども分かり、

交換を踏み切って良かった!と胸をなでおろしました。

 

 

 

 

 

 

色々みていきますと、オルタのぐらつきの原因はこの部品。

 

 

 

 

 

オルタネータを上から支えているブラケットですが、

その根元に使われているブッシュがダメになっている様子。

 

この部分がグラグラしています。

ボルトはしっかり締まっている事を確認。

 

 

 

 

 

他の補器類の殆どに、ラバーブッシュが使われています。

 

 

 

 

 

 

オルタを組み付け。

現状はまだガタがありますので、ベルトの張りは手力にて調整。

 

 

 

 

 

おっ!!

早速いい数値が!!!

 

 

 

 

 

そうそう!!

これを見たかったのです!!

 

 

 

 

 

240 を修理していたら、ルノーもやって来ました。

 

最近、ちょっと古めの輸入車も入って来ています。

 

全てのメーカー、全ての年式に精通している訳はありませんので、

分からない事はその専門のプロの方々に聞いたりもしています。

 

快く教えて頂ける所は本当に稀で、

殆どは 「知るかっ!」 的な扱いを受けますが、

心折れつつも、頑張って教えて頂ける方を探したりしています。

 

 

なので、逆に全国の整備工場さんから質問が来た時は、

誠心誠意回答しています。

 

今日も関東の整備工場さんから、

「BMWの修理をしたらエンジンが掛からなくなったのだが、原因は何か?」

という電話が入りました。

終わってみれば40分近く説明をしていました。

挙句の果てに、「SSTが必要なら送りますよ!」と話している私の横で、うちの奥さんは呆れ顔でした。

 

 

「情けは人の為ならず」

 

「情けをかける」という言葉自体は、何だか上からみたいで好きではありませんが、

 

この意味は、

「困っている人が居たら、情けをかけて手を差し伸べてあげる事で、巡り巡って、いつか自分にもそれが返って来て、誰かが助けてくれますよ」という事。

 

恥ずかしくない行いと対応をする様、心がけないといけませんね。

 

 

 

 

 

あと、

 

余談ですが、

 

ボルボの部品は非常に安い!!

 

先日、警告灯が点灯しまくりのV40が故障修理で入庫しましたが、

トラブルの原因はリヤのスピードセンサーでした。

 

国内在庫は無かったので本国スウェーデンに手配。

1箇所の価格が何と 4,240円!!(税別)

金額が間違っているかと思い、思わず聞き直した位(笑)

 

この安さだと、予防整備も兼ねて左右セットで交換を提案出来て、

お客様からも快諾頂けました。

 

ちなみに、先日書いたブログのW221の場合、

リヤ左右だけで5万円・・・(^^;)

 

両者比べても、何が違うんだろう・・・

メルセデスベンツの方が、配線部分があって少し長い位(^^;

 

 

 

 

今回のトラブル修理では、

上記内容も含め以下の作業を行っております。


 ・エアコンファンリレー交換

 ・高圧センサーカプラー加工

 ・エキスパンションバルブ交換

 ・エアコンガス充填

 ・バッテリー充電

 ・オルタネータ(社外新品)交換


となっております。


ご用命、ありがとうございました<(_ _)>


 
 


■作業メカニック - 野間雄司
■写真撮影 - 野間雄司
■文 - 野間雄司

 

 

 

※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。

 

 

 

 

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