トラブル修理-ハイゼット(S200P) クラッチオーバーホールと水漏れ修理 | フリークのブログ

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自動車の整備を、もっと身近に、もっと分かりやすく!!

「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

取引先法人会社さんの冷蔵冷凍車です。

車検は別の整備工場さんで、
定期点検は当社で行ってくれています。


先日、定期点検でお預かりした際、
クラッチが滑りかけているのと冷却水が漏れているのを発見したので、
お預かり出来るタイミングを作って頂いて、お預かりしました。





リフトで上げます。




 
このミッションを降ろして、中身を交換します。




 
エンジン側は、冷却水が漏れています。




 
ミッションを取り外しました。
クラッチカバーが見えます。


ダイハツのミッション取り外しは、
防汚カバーの一部がエンジンルーム側から止まっています。
これを早目に取り外しておかないと、
いざミッションが降りるって時に苦労します。





クラッチカバーを取り外しました。
その奥に挟まれる形で収まっているのが、クラッチディスク(写真左)です。




クラッチディスクが摩耗する事により、
エンジン動力が伝達出来なくなってきてクラッチが滑り出します。

写真左が取り外したディスクで、右が新品です。





このリベット部分の段差が無くなる頃には、
車は登り坂を上れなくなります(^^;)




 
クラッチをオーバーホールする際は、
エンジンの真後ろまであとちょっとなので、
フライホイールを取り外して、
その奥にあるシールも交換します。

まずはフライホイールの取り外し。
 




これがエンジンの真後ろ。
黄色い矢印の丸い部品が、クランクリアシールです。
ここからオイルが漏れています。

この部品はミッションを取り外して、フライホイールも取り外して、
という流れを取らないと辿り着けない部品ですので、
いわば、クラッチオーバーホールの際の同時交換部品の様な物です。




新品のクランクリアシールです。




 
漏れていたオイルを含め、周辺の汚れを綺麗に掃除して、
新しいクランクリアシールを組み付けます。 



 
表面を綺麗に磨き上げたフライホイールを組み付けます。




 
新品のクラッチ部品を組み付けて行きます。
先程のフライホイールと、この写真のクラッチカバーの間に、
クラッチディスクが挟められて取り付けられています。

この際、綺麗にセンターを出さないと大変なのです。
(中心の穴が、手前のクラッチカバー、その奥のクラッチディスク、
  そしてその奥にあるフライホイールの3つが綺麗に揃わないと、
  この後の作業の、ミッション組み付けにすご~~~く苦労します)


修業時代、一日に4~5台のクラッチオーバーホールを
していた時がありました。
上記3点のセンターを出す、センター出しツールという物があるのですが、
それをいちいち使っていたら時間が無いので、
クラッチディスクにちょびっとの瞬間接着剤を付けて、
クラッチカバーの真ん中に綺麗にセットして組み上げていました。

瞬間接着剤を、ほんのちょびっとだけ、ホントにちょびっとだけつけて、
そっと置いておくと、すぐにしっかり引っ付きます。

組み上げてからパンッと繋げば、ボンドが剥がれて普通に動作します。
サービスの方、興味がある方は試してみて下さい。
あくまでも、付け過ぎに注意です!!





取り外したミッションは、内部を綺麗に掃除します。






綺麗になったミッションに、レリーズフォークとレリーズベアリングを組み付けます。
当たり面やシャフトにはグリースを塗布。




 
ミッションドッキング!!

ミッションオイルも交換です。
真っ黒です(^^;)



ミッションはこれで終わり。

続いて水漏れ修理に移ります。






ドライブベルトを取り外し、タイミングベルトカバーを取り外しました。
ウォーターポンプのメカニカルシールがダメになり、
水抜き穴から冷却水が漏れています。



 
漏れた冷却水はタイミングベルトカバーの中から外に流れ出し、
エンジン下廻りにも付着しています。
点検の時に、この漏れ跡を発見しました。



 
タイミングベルトを取り外すと、漏れている状況がよく解ります。




 
ウォーターポンプ本体を取り外しました。




 
写真左が新品のウォーターポンプ、
その下がガスケットです。




 
ウォーターポンプを取り外したエンジン面です。
取付の面に付いたガスケットの残骸や汚れを取り除き、
綺麗に磨いておきます。



 
新しいウォーターポンプを組み付け。





ウォーターポンプ取り外し前に、
内部に溜まっている冷却水を抜く為、エンジン側ドレンプラグを取り外しておきました。

パッキンを新しい物に交換し、組み付けておきます。




 
タイミングベルトを取り外したので、
カムやクランクのシールを確認しましたが、

取り外す際に工具が当たった痕跡があり、
シールも新しい物に変わっていますので、
そのままにします。

タイミングベルトも念の為取り寄せておきましたが、
漏れた冷却水の付着も無く、状態も良かったので、
そちらもそのまま再度組み付けて使用します。

ウォーターポンプもその時に交換してくれていたら良かったのですが(^^;)





タイミングベルトを組み付け、カバーを装着。
ドライブベルトはギュルギュル音が凄かったのと、
細かなひび割れがあったので、新品に交換しておきました。



 
ラジエータキャップ、こちらも大変な事に・・・(^_^;)
もはや機能していません。
バラバラになっていて、部品の一部がラジエータの中に残ったままです。
先端が細くなったペンチを使って全て取り除きます。



 
こんな感じで、バラバラになっていました。
もちろん新品に交換です。



今回のトラブル修理では、上記内容も含め以下の作業を行っております。

 ・クラッチカバー交換
 ・クラッチディスク交換
 ・レリーズベアリング交換
 ・クランクリアシール交換
 ・ミッションオイル交換
 ・エンジンオイル交換
 ・ウォーターポンプ交換
 ・オルタネータベルト交換
 ・エアコンベルト交換
 ・冷却水交換
 ・冷却水エンジン側ドレンプラグパッキン交換
 ・ラジエータキャップ交換


今回の修理ご請求額は、 ¥ 91,830- となっております。


ご用命、ありがとうございました<(_ _)>


 
 <参考データ:車両走行距離  164,400km>


 

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