先週は3回にわたり、

自立支援ケアで実績を上げている

介護施設『杜の風・上原』(東京)

排便ケアのノウハウを紹介した。

⇩  ⇩  ⇩

 

 

 

その際、食物繊維量を増やすために、

粥などはやめ、常食にすると、

排便へと繋がりやすいと書いた。

 

そこで今回は、

『杜の風・上原』食事について、

掘り下げていこうと思う。

 

『杜の風・上原』では、

排便だけでなく食事についても、

利用者の自立を目指している。

 

施設という場の特性から、

食堂でコミュニケーションを取りながら、

自分で選んだ食べ物を自分で食べ、

食べる満足感を得ることにより、

生活する意欲を維持してもらうのが、

「食事の自立」の大切な目的である。

 

話は逸れるが、

keroぴょんの若年性認知症の妻が、

2度目の入院となった大きな理由は、

失認によりまったく、

食べ物を受けつけなくなったためである。

 

口に入れることができたとしても、

薬まで吐き出されてしまった。

再入院の際、医師に胃ろうの話までされた。

 

 

排便ケアのときに紹介した脳神経外科医で、

覚醒下手術による脳腫瘍手術の名医のひとり、

篠浦伸禎医師の著書、

『クスリを使わない認知症・発達障害・うつ

病の治療最前線』(飯塚書店)には、

胃ろうに関してこう書かれている。

 

「誤嚥を防ぐという名目で、胃ろうを増設す

ることがしばしばあります。しかし介護側か

ら見ると、これも多くの弊害を生みます。

まず胃ろうがあることで、脱水、低栄養、寝

かせきりによる低体力、口腔内が不潔になる

等の問題が生じ、それが誤嚥につながりやす

くなります。また便秘や、胃ろう周囲のスキ

ントラブルにもつながるうえ介護側にとって

も、1日3時間胃ろうをケアする必要がある

ので、時間的な負担が大きく、さらに経済的

にも負担になります。』篠浦伸禎『クスリ

を使わない認知症・発達障害・うつ病の治療

最前線』飯塚書店より引用)

 

さらに、胃ろうについての記述は続く。

 

「胃ろうが絶対的に必要な人は、嚥下に関わ

る脳神経が機能しておらず呑み込みができな

いため造設が必要となるわけです。嚥下に関

わる脳神経が機能していないと呼吸も困難に

なり、普通は病院に入る対象であり施設に入

る対象にはなりません。では、施設に入る人

がなぜ嚥下困難になっているのかといえば、

そのような脳神経の機能障害があるためでは

なく、長い間柔らかいものだけを摂取してい

てまともに口腔機能を使ってこなかったため、

嚥下機能が低下してしまったというのがその

原因です。」篠浦伸禎『クスリを使わない

認知症・発達障害・うつ病の治療最前線』飯

塚書店より引用)

 

入院時、胃ろうの話をされた妻の話に戻る。

 

その後、妻は約2カ月半の間、

栄養補助飲料高カロリーゼリーしか、

受けつけなかった。

だが、ある出来事を境に、

普通食を完食するまでに回復した。

これについては以前書いたので、

詳しく知りたい方は、

ぜひ下記をクリックいただきたい。

⇩  ⇩  ⇩

 

では、なぜ普通食(常食)が良いのか?

長くなったので、続きは次回にしたい。

 

(後編に続く)

 

 

    

ご褒美の1980円!

 

昨日、大役を果たしたあと、角打ちでご褒美代わりの一杯。先月、知り合った方から案内いただいたお店で、ここは『酒場放浪記』の吉田類氏が訪れたことがあるところ。本来は取りあえずビールで一杯のところだが、まずはここでしか飲めないという、長野の蔵元のお酒を駆けつけでいただいた……。

卵焼き、厚揚げ、おでん等を食べて、1980円のひとり飲み。吉田類氏をオマージュし、一句捻ってみたのだが、字余り勘弁……。

 

 

角打ちや ネクタイ緩め 薄暑のおでん