一時外出による検査通院により、

若年性認知症で入院中の妻と、

2ヵ月と10日ぶりに再会できた。

 

検査する病院で根気よく待っている間、

妻が「お腹が空いた」と呟いた。

車椅子で待っていたスペースが、

たまたまタリーズコーヒーの

脇だったせいかもしれない。

 

妻はこの2ヵ月余、

固形物を口にしていなかった。

1日6本のバランス飲料

プラス3本の果汁飲料

高カロリーゼリーのみの食事。

 

 

口に入るものを

食べ物と認識せず

薬を含む固形物を

出してしまうため、

苦肉の策で液体食になったのだ。

 

そんな妻が珍しく、

「お腹が空いた」と言った。

それなのに昼食抜き

なってしまった。

水で我慢させるしかなかった。

 

入院先へ戻ると、

栄養士から最近になって、

食欲が出てきた

との報告があった。

 

ソフト食への移行の旨、

同意を求められたので、

義妹ともども喜んで賛同した。

 

3月中旬の再入院当初は、

胃ろうの話まで

飛び出したのが、

まるで嘘のようだ。

 

折しも、柔らかい食べ物の

差し入れがOKになった。

 

お昼ご飯は食べ逃したけれど、

僕が病院に渡したプリン

ぜひ食べさせてもらってね……。