2025年夏、岐阜県の養豚場で働いた。
母豚が子豚を出産する、分娩舎担当になった。
仕事が大変なのは覚悟して行ったが、主な仕事は一日4回の餌やり、糞かき、離乳した後の洗浄、分娩介助、発熱した時の注射、子豚が下痢した時のビオスリー供与等、体力的にはさほど大変ではなく。
岐阜県なので暑さも心配だったが、母豚が暑さに弱いため、分娩舎の中は外より涼しくされていた。
一番の喜びは。。
子豚ちゃんとふれあう❤️❤️
それ目当てで行ったので
本当に今まで会った動物の中で最強にかわいい🩷🩷
(クレイドルマウンテンで会った野生のウォンバット、タスマニア島のhelpxで会った羊の生まれたての赤ちゃんも狂うくらいかわいかったけど💖💖)
特にかわいいのは、父親が茶色とか黒の豚さんで、茶色や白地に黒ブチの子豚ちゃんで、生まれつき小っちゃい子💖💖
茶色の子は瓜坊みたい🧡🧡
けれども、仕事で忙しく、ふれあう時間はあまりなかった
それに、私は養豚場の仕事に向いていない
まず、去勢ができない
そして、何より、淘汰を見るのも辛くて、向いてない
そういう残酷なのが平気な人が向いてる
今回養豚場で働いて、こんなことが日本中でまかり通っているんだ、ということに衝撃を受けた
そしてネットで調べて、初めて問題意識が芽生えた
淘汰というのは、元から小さく生まれたりして、生後3週間位で母豚から離乳しても小さくて、出荷される生後半年で大きく育つ見込みがない子豚を、殺すこと(生後3週間よりだいぶ前でも、小さいと容赦なく淘汰されることもある)
私は一度そばで淘汰されたことがあったが、見ることはできなかった
淘汰された小さな変わり果てた姿を見て、泣きそうになった
本当に、なんで平気なの?
人間なの?
何年も従事してると慣れるものなの?
本当は辛いのを隠してやってるのかもしれないけど
あそこで働くためには、誰かがやらないといけないのはわかるけど
私にはできない
絶対やれと言われたら、辞めるしかないと思ってた
だから、向いてない
それにしても、あの方法しかないのだろうか?
半年間飼育してから出荷できないとなって淘汰よりは、餌も手間も省けて効率のためなんだろうけど
どうせ半年後に出荷なのだから、半年早くなっただけ、と、私には割り切れない
生後数日で殺されるなんて
小さく生まれて、虚弱で多分母乳があまり飲めず、死んでしまう子もいる中、小さく生まれても、気が強くて、兄弟たちに混じって、生存競争に加わって、一生懸命お乳を飲んでた
3倍位ある大きい兄弟たちと寄り添って寝る姿は可愛くて天使みたいだった
おちびさん、今日も元気かな、と餌やりの度に見守っていた
それが生後1週間位のある日、姿が見えず
記録の紙を見たら、淘汰と書かれていて愕然とした
尾切りの時に小さいからやられたらしい
小さくて、離乳してしばらく経った時のワクチン接種の時に淘汰される子もいる
確かに、病気で大きくなれない子もいるだろう
でも、授乳期間を少し長くして待てば、大きくなる子もいるはずだ
それを一色たに淘汰しなくても、柔軟にできないものだろうか
せっかく生まれた命を、物みたいに扱って、金儲けの道具としか扱っていない
それを言い出したら、母豚も、赤ちゃんを生む道具か機械としか扱われていない
私は、養豚場は向いてないとわかったけど、子豚ちゃんや母豚はかわいくて、また一緒に働きたいとは思う
けど向いていなくて、また長くは続かないのはわかっている
けど、今回の経験を通して、夢ができた
けど、私は本当に決断力がないので、実現は本当に難しい
実現にはリスクがあっても踏み出す勇気が必要だから
その夢というのは、淘汰されそうな子豚さんたちを救い出して、保護豚カフェを開き、小さい子豚さんのうちはカフェで可愛がってもらって、大きくなったらそばの農場でのびのび暮らしてもらって、何年か経ったら出荷するしかないかもしれないけど、それまでは幸せに暮らしてもらう農場を造ること‼️
そばで自給自足用の畑で無農薬有機栽培もやる
でも夢でしかない‼️
まず、この閉鎖的で旧態依然とした養豚業界で、例え殺す予定の子豚でも、譲ることにOKする養豚場はなかなか見つからないと思う
どこも秘密主義で、自分たちのやってることが明らかになったら困るから、例えお金払っても、譲ってくれる所はなかなかないと思う
お金の問題ではないと思う
もしその子豚が病気だったら、という責任問題もあるし
もし万が一この問題をクリアできたとしても、田舎である程度の広さの土地を確保して、カフェ用の小さい家を用意して(それも豚を飼うことを理解してもらえる土地を探して)。。となると、資金面でもハードル高いし、その保護豚が大きくなった後出荷する先も確保しなきゃならないし(ペットフード用に出荷するという手もあるらしい)、カフェが全然お客さん来なかったら、大赤字で失敗して借金だけ残るという可能性も大
NPO法人にできたら、社会的信用もできて、補助金ももらえるらしいが、NPO法人にするには、10人以上人を集めないといけない
そんなに雇う余裕ないし
一人で立ち上げるには動物保護施設にして、寄付とかもあまり期待できないし
この淘汰という事実が、全然知られてないから
私も今回初めて養豚場で働いて、初めて知ったことだから
道は遠い
破産覚悟で投資する勇気、私にはないからなぁ
この歳だし、先も見えてきて、やる気も体力もなくなってきて、何とか逃げ切れるかも、となってる中、リスク高すぎな冒険はかなりきつい。。