新日本橋をスタートして銀座・築地界隈をめぐって歩いたこの日
汐留あたりでゴールということにして、大江戸線で向かったのは東中野で、お目当ては6月末で店じまいをしてしまうという情報を聞きつけていた「生駒軒」です
「生駒軒」については、いまだ暖簾会の全容がはっきりしていないから、積極的な踏破活動まではしていないけれど、店じまいをすると聞けば、その前に是非足跡を残しておきたいと考えるのが人情というもの
しかも、年々減る一方の町中華ジャンルだから「生駒軒」に限らず最後をしっかり見届けておきたいという思いもあります

辿り着いたお店の戸口には、それを承知で来ているとはいえ、店仕舞いを予告する悲しいお知らせ


入ってみれば、年季の入りまくった店内のカウンターの内側にいるのはご高齢のお母さんとその娘さんという組み合わせなのかな
してみると、こちら、町中華ではたまに出くわす先代の奥さんが暖簾を守ってきた未亡人系のお店なのかもしれません

店内にも貼られている閉店案内を一読してから卓上のメニューを検め、さらにカウンターに貼られたセットメニューも確認したうえで私がオーダーしたのは「タンメンセット(870円)」
次の機会がなく確実に一期一会ということになるであろうこういう場合は、麺も炒飯もいただいておきたい一方、今日はラーメンよりもタンメンかなという気分に従ってのチョイスです

テーブル上には誇らしげに主張する「生駒軒」の紋章


たとえお店は古びていても、調味料の入れ物類がピカピカに磨き上げられているのはいいお店の証しだし、女性らしいセンスも感じます

で、ややあって「半炒飯」と「ザーサイ」、少し遅れて「タンメン」が到着


まずは「タンメン」からいただいてみれば、最近は「トナリ」あたりのものが基準になっちゃっているからやけに穏やか過ぎて大人しく感じるけれど、もともと「タンメン」というのはこういうものだったよなと思い出します

 

 


一方「半炒飯」も穏やかな味わいだけれど、「タンメン」の残りスープと合わせると、いかにも町中華らしい味わいに満足します

ちなみに、カウンターの上には店仕舞いに向けて処分しているのか“ご自由にお持ちください”と書かれた食器類


目についた小鉢のようなものを手に取ってみれば、裏面には「生駒軒」と染め抜かれています


これ、たぶん「かつ丼」あたりが現役メニューだった頃に使っていた丼の蓋だろうな
一見客の分際で誠に僭越だけれど、これ、記念にいただいて持ち帰ってつまみ用の皿にでもさせてもらいましょう

(6点/10点満点)