最近、『映画「○○」を見てきた』しか書いていないブログになってきた…。

 

で今日も、その映画を見てきたなんだが…(笑)

 

今回は、オイラが好きな監督の一人・阪本順治作品。過去にも阪本順治作品については書いたことがあった。とにかく阪本順治作品は秀作しかない。

 

「せかいのおきく」は、江戸末期のお話。で、ほぼほぼモノクロで展開。理由は、時代背景からではなく、物語の主軸が下肥買いにあるからだろう。流石にカラーでは写せんだろう。だが、たまにカラー映像に打ち変わる…。これはパンフの中で、映画評論家・上野昂志氏が評論しているように「時折、句読点のように打たれ…」、「なんとも心地よ」さを生み出す。(話は逸れるが、この「せかいのおきく」のパンフでの上野昂志氏の評論がまた最高である)

 

この下肥買いの男を池松壮亮と寛一郎が演じ、寛一郎が演じる中次と武士の娘で寺子屋で子供たちに読み書きを教えるおきく(黒木華)の関わりを綴った映画。

 

ネタバレになってしまうので、細かくは書けないが、黒木華が演じるおきくが中次に心がどんどん傾いていくその様は、淡い恋物語であり、その仕草は皆が経験する青春そのもののようで、心がすうぅっと温かくなる映画である。そして、この時間経過がまた、阪本順治監督らしく素晴らしい省略の技法が活きて、テンポの良さも際立つ。

また、今をときめくと言っても良い池松壮亮が糞尿を扱う役を全うする。ある意味、扱うものがモノなので、よくこの役を応じたなぁぐらいな感じもするが、この役は彼の演技でなければダメだったのではないだろうか?と思うぐらい、輝いている。

 

時代背景や物語背景から、何の映画かと思うかもしれないが、青春恋愛映画だ。

身分、立場…今よりも厳しい世界で係りを持つことが無かろう若き男女が心を惹かれ、世界が繋がっていく…。

だが、今の時代は江戸時代のような身分差別などがないなどと言っても、どんどん差が広がっていく経済格差などで、最初から関わりの持つことのない立場がどんどん生じ出していることは否めず、そのことを考えれば、今を生きる若者の恋愛物語を描いているようである。

 

また、阪本順治監督作品を見たくなる…。

 

せかいのおきく公式サイトはこちら

 

 

 

さて、阪本順治監督作品のDVDでも探してみますかね👇👇👇