先日、読売ジャイアンツに所属している阿部慎之助選手の引退が表明され、会見も行われた。

2000本安打、400本塁打も打った打者、しかもそのポジションが捕手ということを考えると、この成績は非常に評価されるべきで、この引退の道は球団が本当にしっかり作ってあげないと、「球界の盟主」だと事あるごとに叫ぶ巨人としては末代までの笑い種になるだろうと思う。

とは言え、先日の引退会見は恐ろしさを感じた。報道陣に阿部のTシャツが配られ、それを会見中に着るというのだ…。敬意を払うほどの好成績を残した選手であるが、こんな異常な光景は見たことがない。恐らく巨人軍からの差し金であろうが、これは敬意ではなく、無理矢理阿部をすごい選手だったんだと言わせているような猿芝居を演出させているようで、かえって阿部を馬鹿にしているようにしか見えなくなってしまった。この異様さを何処も指摘していない所にマスコミの質の低下なのだろう…

そして、27日。今シーズンの東京ドーム最終戦ということだろう。阿部が先発マスクを被るという演出でスタンドを沸かせた。初回、普段はリリーフを務めるマシソンが先発を務め、2回は阿部の大学の後輩・沢村拓一がマウンドに上がった。かつて日本シリーズでガチガチに緊張していた沢村は阿部のサインが見えておらず、阿部が慌ててマウンドに行き、頭をポカリ殴って叱る事件があった。そういう因縁もあり、また大学の後輩ということもあり、投球練習中には母校・中央大学の校歌が流れるという、粋な演出を見せた…。

これは会見に無理矢理Tシャツを着せて「良い会見」を押し売った巨人軍とは同じだとは思えない粋な計らいだと思えた。スポーツ界はこうした大学だとか、高校だとかは何かとモノを言う。同じ大学の後輩だったからこそ、ポカリ事件もあったと言えるぐらいなのだ。

だが、この粋な演出を壊したのは、他でもない巨人ファンである。校歌が流れるその間「がんばれ沢村」コールで、その音をかき消してしまっているのだ…。一緒に歌えるほど有名な校歌でもないだろう(笑)だが、校歌や国歌というものにはある意味敬意を表する必要は常にあるべきだ。球場にいたら、「中央大学の校歌が流れた」なんてファンにはどうでも良い演出の一つだろうが、もし本当に阿部慎之介、沢村拓一が巨人の選手として好きならば、この巨人軍という球団からの計らいを理解出来なければダメで、同時に巨人ファンはサッカーW杯で渋谷の交差点に集まり、見知らぬ人とハイタッチをしているただのバカ騒ぎしている阿呆と全く同じレベルなのだとしか言わざるを得ない質の低下だ…

巨人のマスコミを使った異常な演出、ファンと共に阿部、沢村の同大学出身のバッテリーを楽しむ演出を理解できないファン…
巨人は事あるごとに「球界の盟主」と声高にいう。これにファンも日本で一番の球団だ的なことを言う奴もいる。

だが、最近のこんな姿を見て、球団の質も低下していて、それにファンも相当ダメだねと思った。どこが「球界の盟主」なんだろうかね?(笑)