先日、仕事関係の方のお誘いもあり、

看取りに関する講演会に参加してきました。

 

在宅医療を行っているという医師の講演だったのですが、

ちょいちょい???となってしまいました。

 

この医師の言いたいこともわかるんですよ。

だけど、その言い方?話し方?

上から目線で自慢なの?

と思わせるものの言い方のせいか、

残念なお話でした。

 

看取りっていっても状況はさまざまだし、

緩和ケアとイコールの話でもない。

 

例えば高齢だから、末期がんだからといって

生きること、生きようとすること、

生かしてあげたい、生きていて欲しいと思うこと、

がんばることを諦めなければならないことでもない。

 

高齢だから諦めなければならないことでもない。

命に年齢は関係ないはず。

平均寿命や人間の細胞の限界の寿命年齢はあるけど、

人の寿命はそれぞれいつまでかは誰にもわからない。

 

それを“無駄”な医療だという風潮が

SNSなんかをみていてもあるのは知ってるし、

言いたいこともわからないではないです。

 

正直言って、

自分も、昔は簡単にそういうことを言っていたこともありました。

 

でもそれは、

例えば、ある病院で勤務していた時、

もうほぼ亡くなっている患者さんに、

御家族が来るまでに

死に際の駆け込み医療。

使える薬品などを使い尽くす目的で処置をする儲け主義の院長がいた時に思ったことでした。

この院長はこの患者さんをなんとか助けたいとか、

そういう思いで処置を指示したのでもなく、

あくまで、使えるものは使って請求することが趣旨。

それは明らかに無駄な医療と言わざるを得ず、

当時思ったのは、

アメリカなどであれば、患者家族がそんな無駄な医療費を自己負担してまでやって欲しい処置ではないはずで、

日本の皆保険制度故に、

医療側もお構いなしに無駄な処置も行えるんだ、

そう思ったことからでした。

 

この病院はほんと酷くて、

いろいろあるのですが、その話はまた別の機会にと思いますが、

この患者さんは結局、

御家族の到着は間に合わず、

もう少しで着きます、というその時、

この院長は、

暢気に「ぼく食事に行ってくる」と言って、

食堂に行き、

ほどなく御家族が到着した時は食事中。

御家族の到着の連絡をしてもすぐに戻ってくるでもなく、

御家族を待たせることになったという

ほんとにどういしょうもない三代目院長ということからも、

いかに行った医療行為が、

医師として患者さんを助けたいがために、

結果としては功を奏さなかったということではないことは

おわかりいただけるかと思うのです。

 

こういうことから、

助からない人に無駄な処置をすることに反対する意味で、

言っていたことでした。


話がそれましたが、

昨今の、

少子高齢化のせいか、

人の死、身内の死を経験することない若者世代の

死の実感のない発想のせいか、

高齢者を見捨てていいと言わんばかりの風潮、

末期患者は治療を諦めて枯れて死んでいけばいいとか、

皆がみんな自宅で死にたいと思っているかのような話とか、

ほんと?

と疑問に思うことの再確認の機会でした。

 

在宅で看取られたい人、看取りたい人は、

それが適うように在宅医療の仕組みが拡充していくことは必要だとは思います。

だけど、

高齢人口が増えて、看取りが増えるから、

病院はいっぱいだから、

治療を必要とする患者に力を注ぐために、

そうれはない患者は在宅で死んでください、

というのは違うと思うという話です。

 

病床数を減らしてきたのは国です。

開業医を増やしたのも国です。

その後制限を儲けましたが、

やってることは場当たり的なのです。

 

かかりつけ医制度と称して、

紹介状持参なき受診に自費の費用負担させたりしてますが、

かかりつけ医と呼べるような制度が出来上がってもいないのに、ことばだけでこのようなことを始めたり、

というのも、

恐らく、医師会の議員への働きかけ、

医師(病院経営)の利益重視からのお話だったと思います。

 

かかりつけ医と単なる主治医とは違うものです。

本来は。

 

無駄な治療や処置を漫然とルーチンでするのがいいと言っているのではないです。

点滴漬けで溺死させることを良しと言ってるのでもない。

 

ただ、生き方も死に方も選ぶ権利はあって、

他人が決めることでもない。

その選択が正しくできるような正しい情報が必要で、

患者も残される者も、

その選択は変化するもので、

その辺の理解と支援が必要で、

結果としての選択は同じでも、

一足飛びにその選択が正しいとして決めつけて誘導することに疑問があると思う訳なんですよね。

 

とりあえず、

現状、自分は在宅で死にたいとは思っていないので、

みんなが自宅で死にたいと思っているとは思わないでいただきたいですね。

 

在宅医療をやってる医者が素晴らしいわけでもない。

たまにテレビでやってる在宅医。

今回の人は最近は取材お断りしてると言っていたし、

テレビで見た人ではないですが、

やってることは素晴らしいことだとは思うけど、

いささか、俺様は正しい、という驕りになっていませんか?

結果としては、あなたが考えてる結果になるとしても、

そこまでの患者や家族の揺れ動く思いをすっ飛ばしちゃってませんか?

救急隊に迷惑かけないようにするための在宅医療ですか?

高齢者人口が増えるから在宅医療が必要なんですか?

 

いろいろ、考えさせられました。