2007 Office systemを借金をしてでも買う理由


ユーザー視点の辛口評価で好評の戸田 覚氏による好評連載。今回はWindows Vistaと同時に発売になる「2007 Office system」について。全部入りのパッケージ「professional」の実売価格は通常版で6万円強、「Standard」でも5万5000円と高価だが、戸田氏は「借金してでも買う価値がある!」と断言。その魅力を語る。


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 久々に、感動するほど素晴らしいソフトに出会えた。「2007 Office system」(以下Office 2007)だ。「なにを、いまさら……」と思われるかもしれないが、これは、忌憚(きたん)のない実感で、Officeを使うすべてのビジネスパーソンにおすすめしたいと思っている。

 確かに、新しいソフトが出たときには、ネガティブな意見が多く出てくる。

 動作が重い、いらない機能ばかり、慣れたインターフェースではない、値段が高い、自分には使いこなせない――といったところが中心だろう。

 すべて同意する。

 Office 2007は、ヘビーでいらない機能がたくさんある。新しく採用されたリボンは、慣れない人にとっては当面使いづらいだろう。また、魅力的な機能だとわかっていながら、使いこなせないと考える人もいるに違いない。

 だが、みんな承知の上で、Office 2007を強力に推奨したい。理由はただひとつ、Office 2007によって作れるドキュメントが、Office 2003とは比べものにならない完成度だからだ。

 これまでOfficeは、何度もバージョンアップを重ねてきた。僕は、WordやExcelが単体の時代から使い続けてきたが、ここまで大胆に変化したのは初めてではないだろうか。少なくとも、Office 95からのおよそ10年間は、僕にとっては、小変更にとどまってきたといえる。ここでいう「僕にとっては」とは、ビジネス文書を作るユーザーにとってはという意味でもある。Office 95とOffice 2003で作った資料を見ても、ほとんど差を感じることはない。画面デザインや操作性、機能にはもちろん違いがある。だが、完成した書類は大差ないのだ。だから、今回ほど力強く推薦することはなかった。

 しかし、Office 2007は素晴らしい。特にビジュアライズされた書類を短時間で作る力は、想像以上である。

■書類使い回しに強い味方だ


 もはや、本連載の読者にはおなじみであろうSmartArtも、これまで図解に苦しんできたユーザーにとって絶賛してしかるべき機能だ。出来上がる図解の完成度にも文句の付けようがないが、それにも増して、時間がかからないというメリットが素晴らしいじゃないか。

 Office 2007以前の環境で苦労しながら手作りの図解を3時間かけてこしらえたとしよう。Office 2007を持っていれば、数段質の高い図解が10分で完成する。いや、大げさではなく操作に慣れれば5分でも十分だろう。

 写真の貼り付けもしかり。写真にフチや立体感を付けたり、周囲をぼかす貼り付け作業が簡単にできてしまう。これは以前さんざん苦労させられた機能だ。

 共通機能のテーマ、Excel 2007のグラフ、条件付き書式、Word 2007のテキストボックス……ドキュメントの完成度を高める機能は枚挙にいとまがない。

 ただ、ちょっと疑問に思うのが、ワードアートの表現だ。どうしてPowerPoint 2007だけ優れていて、Word 2007は以前のままのショボいワードアートを使わなければならないのか。PowerPoint 2007を買ってもらいたいがための差別化ならそれでもいい。だが、PowerPoint 2007を持っているユーザーには、Word 2007でも最新のワードアートが使えるようにしてほしい。ちなみに、Word 2007やPowerPoint 2007のグラフ機能は、そんなことができている。Excel 2007を持っていれば、素晴らしいグラフ機能をそのまま呼び出して使えるのだ。

 書類完成度を高める機能以外にも、Office 2007を押す理由はある。地味だが「ドキュメント検査」機能がとても役立つのだ。Office 2007を手に入れたら、「Officeボタン」-「配布準備」-「ドキュメント検査」をチェックしていただきたい。

 この機能は、書類を配布する前に個人情報をチェックして自動削除できる機能だ。例えば同僚の作った書類を、さも自分が作ったフリをして取引先に提出するようなケースで非常に役立つ。プロパティに入っている個人情報の有無をチェックして、自動で取り除けるのだ。最近は、書類をデータの状態で渡すケースが増えている。文面そのものに出ている個人情報だけでなく、プロパティなどに隠れている情報をチェックされると、誰が作ったかばれてしまう可能性が大きいのだ。

 とはいえ、過信は禁物で書類中に入っている個人名や署名などはチェックから漏れてしまう。文面のチェックはお忘れなく。

 自分がOffice 2003で、ライバルがOffice 2007なら、ドキュメントの差で商談やプレゼンに負けてしまう可能性がある。また、Office 2007を導入すれば、相手に知られたくない情報を排除できる。だから僕は、借金をしてでもOffice 2007を導入することをおすすめしたい。特に素晴らしいのがPowerPoint 2007。次がExcel 2007で、Word 2007が3番目と言った印象だ。どちらにしろ、単体で購入するのは現実的ではないので上記の3本はまとめて入手したい。

 唯一納得できないのがプライス。Officeは、とにかく高すぎる。表題じゃないが、ローンやリースしたくなるプライスだ。

 ちなみに、今回のOffice 2007は柔軟なアップグレードが可能になっている。例えばExcel 2007単体製品からOffice 2007の各パッケージにアップグレードしたり、既にOffice 2007を持っていても、上のエディションへアップグレードすることが可能だ。しっかりと情報を集めて、上手に乗り換えてほしい。

http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20070116/120564/