ケータイのつながりやすさでは、以前、このコラムで「人口カバー率」について解説しました。人口カバー率はケータイが利用できる場所を表わす指針として、よく利用されていますが、算出方法が実状と合っていない部分があります。
では、つながりやすさを判断する方法がまったくないのかというと、そうでもありません。それぞれの携帯電話サービスが提供されている期間がひとつの目安になります。一般的に、運用期間が長い方が基地局などの設備が進むため、利用できるエリアも広くなり、つながりやすくなるからです。
たとえば、NTTドコモは現在、「FOMA」と「ムーバ」という2つの携帯電話サービスを提供中ですが、ムーバはPDC方式による第二世代のサービスで、1993年から提供されています。これに対し、第三世代携帯電話のFOMAはW-CDMAという方式を採用し、2001年にサービスを開始しています。両サービスは通信方式が異なるため、基地局などの設備も最初から整備する必要があり、サービス開始当初、FOMAはムーバよりもつながりにくかったわけです。しかし、その後、順調にFOMAのエリア整備が進み、この秋にはムーバを逆転するところまで、充実したそうです。
KDDIの「au」は他社と少し事情が異なります。同社の携帯電話サービスは1998~1999年に掛けてスタートした「cdmaOne」をベースにしています。その後、2002年には第三世代携帯電話サービス「CDMA2000 1x」(現在は「CDMA1X」と表記)を開始し、2003年には高速版サービスの「CDMA1X WIN」を追加していますが、これらのサービスは基本的に互換性を保った状態で拡張されてきた経緯があります。そのため、携帯電話のネットワークとしてはすでに7~8年の運用実績があり、その分、エリアも充実していると言われています。
10月にボーダフォンから移行したソフトバンクは、1994~1997年に掛けて、当時の各地域会社(旧デジタルホン及び旧デジタルツーカー)がPDC方式による第二世代携帯電話サービス(現在のソフトバンク6-2シリーズ)を開始し、2002年に旧ボーダフォンがW-CDMA方式による第三世代携帯電話サービス(現在のソフトバンク3Gシリーズ)を開始しています。両サービスのエリアの違いは初期のFOMAとムーバの関係に似ており、ソフトバンク6-2シリーズのエリアが比較的、充実しているのに対し、ソフトバンク3Gは現在、各社が提供する携帯電話サービスの中ではもっとも歴史が浅く、エリア整備が急務と言われています。
サービスが提供された年数だけで、携帯電話ネットワークのエリアが決まるわけではありませんが、ひとつの指針にはなります。同じ携帯電話会社が提供するサービスでも通信方式によって、エリアが異なるということも覚えておきたいポイントです。