よいPCケースとは?
http://www.casemaniac.com/goodcase.html
「ケースなんて、ただの箱。なんでもいいんだよ。」という方もいます。
いえいえ、そんなことはありません!
PCケースに求められている機能は実はたくさんあるのです。
最近はますますケースの重要性が増してきたように思います。
それでは「よいケースとはどういうものか」ということについて、
また、PCケースの世界の現状について、店主の考えをお話させていただきます。
・筐体がしっかりしている
・ドライブベイが多い
・作業性が高い
・冷却能力が高い
・フロントポートがついている
・よい電源を搭載している
--電源選びについて
・電源について
・説明書がついている
・静音性について
・アルミケースについて
・MicroATXケースについて
・かっこがいい
・まとめ
「高いケースと安いケースとどこが違うの?」と誰しも最初は不思議に
思うわけですが、その大きな理由の一つとしてまず「筐体の出来が違う」と
言うことがあげられます。
出来が違うというのは、まず筐体の剛性の
高さが違います。良いケースは鉄板(アルミ板)が厚く、非常にしっかり
とした造りになっています。筐体のしっかりしたものは長く安心して使用できます。
安い物では、上に物を載せて使っていたりすると、ケース自体が
歪んできてサイドパネルが閉めづらくなることもあります。
目安としては、スチールケースなら0.8mm以上、アルミであれば
1.5mm以上の厚みがある物ですと、剛性が高いと言えるでしょう。
(メーカーによっては、このような厚みをサイトに
公開している所もあるので、参考にすると良いでしょう)
次にケース全体の工作精度が違います。工作精度といっても
曖昧な概念ですが、例えば安価なケースでは
ネジ穴がずれている、サイドパネルがうまくはまらない、または隙間がある
という事が言えます。
また、ドライブベイも入れるのに四苦八苦したりします。
最近は安いケースでも工作精度が上がってきて、以前の
ように、鉄板のエッジ処理もしていないようなケースはほとんど
なくなってきました。ただ、今でもだいたい1万円以上のケースと
以下のケースでは上記の剛性も含めて、やはり差があるように思います。
ケースのスペックには現れませんが、安いケースと高いケースを使ってみると
よくわかると思います。ここは非常に重要な要素かと思います。
■ドライブベイが多い
スペックといえば、まず数値としてわかるのがドライブベイの数です。
5インチベイにはCD-RWドライブやDVD-ROMドライブ
3.5インチベイにはフロッピーディスクドライブやMOドライブ
3.5インチシャドウベイにはハードディスクドライブを
主に装着します。最近は安価なケースでもミドルタワーでしたら
5インチ×4、3.5インチ×2、3.5インチシャドウ×4のドライブベイを持つものが
ほとんどになってきましたので、あまりケースとしての差がなくなってきました。
CD-RW、フロッピー、ハードディスクドライブをそれぞれ一つしか付けないよ、
という方にはあまり重要ではありませんが、RAID等でHDDをたくさん
つけたい方はまだまだ注意が必要です。できれば1段ずつ開けて
HDDを設置した方が熱に対して余裕が持てます。
■作業性が高い
実際に組み立てるときに作業性ですが、これは前述の工作精度に当然のことながら
正比例します。ですが、よいケースというのはこれ以外にも組み立て作業をしやすく
するための工夫をしています。
例えば、3.5インチベイが外せるものがあります。ハードディスクの固定はケースの
左右からネジ止めしなければならず、ケースによっては非常に面倒ですが、
これらのケースではベイをはずして、外でハードディスクを固定し、後でカシャッと
はめ込むだけですから、大変作業が楽になります。
また、5インチベイでレールではめ込むタイプのドライブベイを採用している
ケースも増えてきています。CDドライブにレールをネジ止めして、それを
5インチベイにガシャッとはめ込むだけですので、メンテナンスが楽になります。
ですので、このタイプのドライブベイを持つケースではマザーボード側の
サイドパネルは必要がないので開けなくなっているケースも多いです。
また、最近ではドライブの固定に全くネジを使わないケースも出てきています。
それから、サイドパネルのネジにドライバレスネジを使用しているケースも
増えてきました。作業が楽になるようにドライバレスにするのが
最近の傾向です。
同じようなものに高級アルミケースには多いのですが、マザーボードベースが外せる
ものもあります。これも頻繁にケース内で作業される方には大変楽になります。
(多少、剛性の面では不安がありますが)
作業性について考慮されたケースを使うと、組み立て作業やメンテナンス
など、マシンをいじるのが大変やりやすく、楽しくなります。
■冷却能力が高い
CPUが3GHzオーバーの時代を迎え、CPUが発生する熱がますます問題に
なってきています。CPUの熱はCPUクーラーが吐き出すわけですが、
その熱はケース内にたまります。
また、高回転のハードディスクや、高性能のビデオカードも熱を発生します。
よって、そのケース内にたまった熱を外に吐き出す必要があるのです。
昔はケースファンがついてないケースも結構ありましたが、今は最低でも
2つはつけるべきだと思います。できれば
フロントに1基、リアに1基は設置して空気の流れを作った方がよいでしょう。
また、この点においては口径の大きいファンを
搭載できるケースや、またサーバー用ケースのように
単純に大きいケースの方が、空気の流れの点では有利です。
Pentium4が3GHzをオーバーして、各ケースメーカーよりパッシブダクトを
つけたケースが多くなってきました。パッシブダクトとはINTELが推奨している
構造の一つで、サイドパネルよりCPUソケットの上部に向けて作った
ラッパのような部品ですが、これがCPUの熱を効果的に吸い込む(吐き出す)ようで、
意外に効果があるようです。
ケースファンをつける、パッシブダクトを設けると言うことは、音は
発生しますし、ほこりは入りますし、内部の音も漏れてくるということで
デメリットも多いですが、高スペックのPCを作られる場合は
しっかりとケースファンで冷却するのが必須と言えるでしょう。
それから、ケース内のFDD、IDEのフラットケーブルは大変邪魔で、空気の流れが
悪くなります。できればスマートケーブルに換えることをおすすめします。放熱性が
よくなるだけでなく、ケース内の作業もしやすくなります。
■フロントポートがついている
もうすっかりUSBの周辺機器が当たり前に普及してきましたが、ケースでもフロント
パネル部にUSB、それもUSB2.0ポート等のフロントポートを持つケースがほとんどに
なってきました。中にはUSBだけでなく、オーディオ端子やIEEE1394端子が
ついているケースもあります。
実際、USBポートがフロントにないと使いづらい事が多いです。デジカメ等を接続しよう
とするたびにケースの裏側に回ってUSBポートを探す、などというのはとても
面倒ですので、自分に必要なポートが前面についたケースをおすすめします。
ケースから出ているフロントポートの線と、マザーボードのコネクタの
表記にまったく規格がなく、各メーカーでバラバラになっています。ですので、
これはメーカーに聞いてもショップに聞いてもわかりませんので、自力で
接続する必要があります。改善してほしいところですが、難しそうです。
■よい電源を搭載している
その昔は電源なんて比較的どうでもよいパーツでしたが、CPUをはじめと
する各パーツの消費電力がどんどんあがってきたため、その重要度がかなり
上がってきました。ですので、筐体の出来以外に搭載している電源がケースに
とって重要な要素となります。電源の性能というと、電源容量、安定性、耐久性、
静音性といったところが挙げられます。
電源容量についてですが、安いケースでも400Wが当たり前となり、それ以上の
搭載のケースも増えてきました。ですが、高出力でないCPU、CD/HDD各1基位の
編成でしたら、350Wでも十分なのですが、CPUやビデオカードの電力消費量が
どんどん増えていて、今後も増えるかもしれないということもありますので、
よいCPUやビデオカードを付ける、HDDをたくさん付けるというのでしたら、500W
クラスの電源も検討に入れた方がよいでしょう。
MicroATXも、良い電源では300W以上になってきました。ただ、それだけのものを
動かすとMicroATXの筐体では熱が問題になってきますので、小さめの筐体では
あまり高出力でもうまく使えないかもしれません。
安定性、耐久性といったところは数字に出てこないのですが、各電源の部品の量、
質や回路設計などで決まります。
同じ400Wならどれも電源なんて大して変わらないだろ、と思われがちですが、
いろいろと話を聞いていますとそうではなさそうです。商品開発をしている輸入代理店
やメーカーに話を聞くと、やはり
電源の性能 ≒ 価格
という結論になります。
例えば商品開発の際に、台湾のメーカーは「本当の400Wが欲しいのか?ラベルだけ
400Wが欲しいのか?」と聞いてくるようです。つまり”エンブレムチューン”が普通に
行われているらしいです。また最近は+3.3V、+5V、+12V等の個別の出力も重要に
なってきていますが、これも安い電源は表記されている出力が実際には出ていない
ものもあるようです。
反対に価格が高いからといって、必ずその価格分の価値があるかどうか疑わしいものも
中にはありますが、結局価格と性能は比例するということになります。スペック上400W、
500Wあっても、使えないわけではないですが、安い電源(安いケースについている電源)
はやはりそれなり品質のものとお考えください。
■電源について
上で「よい電源を搭載している」ケースが良いと書きましたが、最近は値段の高い
ケースなどでは、電源を搭載していないものが増えてきました。
もう電源は持っている、または自分で選びたいという方には、電源を流用できるので
都合が良いものですが、当然別に電源を購入する必要があります。
電源を単体で購入する場合は、選択肢も大幅に増え、どれを選んだら良いか
分からない場合が出てきます。
私共としましては、特に予算の都合がない限りはあまりに他より安い電源は避けられた方が
無難だと考えます。安いと言うことは、(特価でもない限り)安いなりの性能しかない、
と考えられるからです。
また上記のように、高性能のCPUやビデオカード、または複数のHDDを搭載している場合は、
最低でも500W以上でかつある程度は高価な電源を選ばれた方が、トラブルに逢う可能性が
少ないと思われます。
■説明書がついている
よく初めての組立をされる方から「ケースに説明書がついていないのですが」
とご連絡頂きますが、実はほとんどのケースで説明書はついておりません。
前述のフロントポートに配線はもとより、ケースによってはサイドパネルの開け方や
ドライブのはめ方で悩んでしまう物もあります。一度組み立てれば
「まあこういうものだろう」とわかるのですが、最初は不安になってしまいます。
どちらかというと高いケースに説明書がついている物があります。
(高い物でもついていない物もありますが)安いケースは
間違いなく説明書はないとお考えください。いずれにせよ一番最初に
組立るときは組立解説本が必要となります。
(組立自体はあまり難しくありませんが、一度はお役に立つと思います)
■静音性について
ここしばらく自作PCの世界では「静音化」がブームとなっていましたが、CPUが
3GHz超の時代を迎えて、状況が変わってきました。つまり、今後は
「高スペックのマシンは爆音で、静音化したいのなら低スペックで我慢する」
というように二極分化していくのではないかと思っています。
音の発生源として、ケースの電源、ケースファンもかなりの音を発生します。
昔は特に電源はうるさい音を出していましたが、最近は静音タイプの電源が
増えてきました。静音タイプの電源というのはファンをボールベアリングなどに
して、ファン自体の回転音をさげるのとファンコントロール機能をつけて、
マシンの負荷や温度によってファン回転数を変化させ、あまり負荷がかかって
いない場合は回転数を低くして騒音を押さえています。最近はファンコントロール
機能がついていない安い電源でも静かになりましたが、どうもこれは単に
電源ファンの回転数を下げただけの物が結構あるようです。高い電源は当然ここまで
回転を下げて大丈夫だと検証するわけですが、安い物の中にはそうでない電源も
ありそうで、耐久性が非常に心配です。
ケースファンについてはファンの形状を見直す、軸受けをボールベアリングや
流体軸受にするなどの改善でかなり静かにはなりますが、それ以上音を落とすには
回転数を落とすしかありません。ですので、静音ケースファンというのは基本的には
音が静か=回転数が低い=風量が少ない=冷却性能が低い
ということになります。ファンをつけたからこれで安心だというわけには
なかなかいきませんのでご注意ください。
この場合どうしても静かにしたい場合は、一般的には
ファンコントローラーを導入する事が多いです。これなら
負荷のかかっていない時はファンの回転数を低く、また負荷の大きい
時などは回転数を大きくするというように、ある程度状況に応じて
ファンの回転数をコントロールできます。
また、風量を確保しやすく、回転数が下がるため口径が大きな方が静かになります。
そのため最近は120mmファン搭載のケースが増えてきました。反対に口径が小さい
ファンはどうしても回転数が高くなるためにうるさくなりがちです。一見小さなケースの
方がなんとなく静かそうに思うのですが実はそうではなく、小さいケースの方が
ケース内部の容量が少ないので熱が上がりやすく、ファンをしっかり回さないと
冷えなくなってしまうのです。
また、最近はドライブベイにゴムなどをつけて騒音を押さえようとするケースもありますし、
造りがよくて剛性が高い方がびびり音などが少なくなります。(トータルの音の改善としては
小さいですが、静音化のためにはこういう少しずつの改善の積み重ねが必要になります)
ケースだけが音の発生源ではありませんので、HDDなどのドライブ、最近はビデオカードや
マザーボードのチップセットのクーラー、CPUクーラー(3GHz以上の場合は特に)
かなりの音を出しますので、そちらの改善も必要となります。
できるだけ静音にしたいのは当然ですが、性能と静音性は完全に「あちらを
立てればこちらが立たず」という相反する要素ですので、気をつけて行ってください。
ケース内の熱が上がりすぎると、各パーツの寿命が短くなってしまいます。
とにかく静音化をされる場合は、ケース内の温度に十分気をつけてください。
(こういう状況だからかえってやりがいがある、という話もありますが)
■アルミケースについて
現在ケースはスチール製のものとアルミ製のものの2つに分かれます。アルミ製
ケースといえば高い、というイメージがありますが、アルミケースの利点はどこに
あるのでしょうか。
まずはアルミの方が熱伝導率が高いのでアルミケースの方が冷却能力が高い、
という話がありますが、そんなには差がないというのが現状です。それよりは
ケースファンでしっかり空気を吐き出す方が効果が大きいようです。
アルミケースは軽いという利点があります。軽いと言うことは結構重要で、
重いケースを引き出しづらいような場所に置いていると、作業をするのが一苦労に
なります。これが軽いアルミになると持ったり、動かしたりということが大変楽になります。
あとは、アルミパネルが持つ高級感でしょうか。スチールシャーシにプラスチックの
フロントパネルにはない、アルミならではのクールなイメージがアルミケースの利点といえます。
ただ、もっと圧倒的にかっこいいものや特別なデザインのものがほしいところです。
アルミケースの欠点としては剛性が弱くなる等言われているわけですが、
何でもかんでもアルミケース、という時代は終わり、しっかりしたものしか出てこなく
なってきました。高級ケースとしてアルミケースでいろんなものが今後も
出てきそうに思います。
■MicroATXについて
最近のマザーボードはSound、LANだけでなくVGAも内蔵のものが増えてきて、
ミドルタワーには7個程度ある拡張スロットを使う機会はどんどん少なくなってきました。
ドライブをHDD1つ、CD1つしか使わないのであれば、MicroATXのケースで十分だと
いうことになってきました。また、MicroATXのケースの方がミドルタワーよりも
デザインの自由性が高く、個性的なスタイリングを持ったケースも出てきています。
MicroATXのケースの時代か、と思うのですが、問題もあり、まずはMicroATXの
マザーに種類がありません。また一番の問題は電源容量に限りがあるということと
熱対策が難しいことです。ですのでMicroATXの場合は軽いスペックにされた
方が良いでしょう。
CPUの電力消費量と発熱についてはINTELさんに何とかしてほしいところ
で、問題もありますが、MicroATXのスタイリッシュなケースを積極的に
扱っていこうと思っております。
■BTXについて
最近INTELが提唱しているケースの新企画でBTXが話題になっています。
BTXはどんどん高発熱化しているCPUからの熱を効率的に排出したい、というのが主な
目的ですが、問題はBTXでは現在のATX対応のマザーボード、ケースは基本的に
流用出来なくなってしまいます。
Prescottコア以降のPentium高出力/高発熱化路線をやめることになったINTELですが、
それでもBTX化を推し進めるようです。
ただ、現状ではBTX対応ケース、マザーボードなどは非常に少なく、各メーカーもとりあえず
様子見という状況です。(ケースメーカーとしてはATX/BTXで型を作り替えたくない、というのが
本音なので、あまりBTXに熱心でないところが多いです)
INTEL提唱の規格で主流にはならなかったものもたくさんありますので、間違いなく将来BTXに
なるとは限りません。とりあえずは組み込みPCがBTXに徐々に切り替わるだろうが、
コンシューマーレベルではもっと時間がかかるだろう、というのが多くの業界関係者の意見でした。
ですので、今からBTX時代のことを考えて筐体を選ぶことはあまり必要ないと思います。
■かっこがいい
さて、これまではケースの機能についてお話ししてきましたが、ケースにはもう一つ
重要な要素があります。それは外観、つまりかっこです。CPUやメモリなんていうのは
ケースの中に入ってしまえば見えませんので、誰もかっこなど気にしませんが、ケースは
毎日見るものですから、かっこは非常に重要です。
ケースの種類はたくさんあり、迷われることもあると思いますが、最後は自分の
気に入ったデザインの物を選ばれるのがよいと思います。
さて、結論を申し上げますと「良いケースは高いケースです」となるわけです。
しごく当たり前の話ですが、やはり高いのには理由がある、ということになります。
とはいえ、みなさん目的が違いますし、まず第一に予算というものもあります。
上記の点をふまえて、いろいろな条件での店主のおすすめケースを一覧できる
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