ごみの行方
容器リサイクル法を考える
資源容器プラが北海道、川崎へ!?
私たちの周りにあふれるプラスチック製品は、燃やせばダイオキシンをはじめさまざまな有害物質を発生させ環境への負担が大きいことから、焼却や埋め立てなどのごみ処理の際、大問題になっています。2000年4月に施行された「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法)にもとづいて全国の市町村でとりくまれている分別回収。今回は、プラスチックの袋やトレイなど「容器包装プラスチック類」の行方を追ってみました。
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◇同じプラスチックなのに
「同じプラスチックなのに、袋やトレイは資源ごみで、カセットテープは可燃ごみ、プラスチック茶わんは不燃ごみなんて、ほんとにわかりにくい」
まず大論議になったのは、毎日分別しているごみの分け方でした。容器包装リサイクル法は、家庭ごみのうち、容積で六割を占める「容器包装廃棄物」を資源によみがえらせる趣旨で制定され、各地域で容器包装プラスチックごみの分別収集が始まりました。
「汚れていたら燃やすことになるから、洗ってつるして、台所はごみだらけ」といいながらも、環境破壊が少しでもくいとめられればとの思いでとりくんでいるという会員たち。「でも、地球にとって資源ごみに出した方がいいのか、燃えるごみに出した方がいいのか、わからない」と中村静子さん。
分別したプラスチックごみの行方を追って、近隣三市五町でつくる置賜広域行政事務組合運営の、千代田クリーンセンターに出かけました。
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◇手間をかけて神経を使って
奥羽本線高畠駅に近い田んぼの真ん中に、五階建ての建物が。焼却施設と併設して、ペットボトルやプラスチック製包装容器の処理をするクリーンセンターです。
ビデオでも処理過程を見ることができます。集められた包装容器プラスチックごみは、コンベアに乗って収集袋を破く機械にかけられ、袋は別に回収。すべて自動です。不純物を取り除くのは、人間の目と手による選別。二人の女性が、選別していました。
「最初は、汚物が入ったままの紙おむつがベルトコンベアで運ばれてきたり、相当混乱がありましたが、七カ月たってだいぶ落ち着いてきましたね。でも、プラスチックでも包装容器法の対象外のものが入っていると、引き取ってもらえない場合があるので神経を使います」と施設第二係長の金子修さん。
不純物をとりのぞかれたごみは、圧縮こん包機で圧縮され、約250キログラム単位に透明フィルムでぐるぐる巻きにして、再生工場へ運ばれます。
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◇再処理方法を選べない?
リサイクルの選択や業者の指定は、日本容器包装リサイクル協会からの指定で、今年度は、北海道の新日本製鉄室蘭工場と、神奈川県の日本鋼管川崎工場に運ばれています。いずれの製鉄所でもコークスガス化して発電に利用、コークスは鉄をつくる際の還元剤に、油分は石油化学製品の原料に、カーボンはテニスやゴルフ製品などに、プラスチック材は、コップやCDケースに再利用されるといいます。
再生費用は一キログラムあたり八十二円、うち99%はプラスチック製造、利用、販売にかかわった大企業が負担し、義務を免除された小規模事業者の分など一%を自治体が負担していると説明されました。
「再生費用に、税金から一%しか負担していないというのは、法のごまかしです。企業は、一番手間とお金のかかる収集、分別には知らん顔ですから。包装容器リサイクル法は、ごみ問題の解決にどれほど貢献しているかというと、喜んではいられない問題がたくさん」と、ごみ問題を追いつづける立正大学社会福祉学部の田口正己学部長。
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◇プラスチックの免罪符
日本容器包装リサイクル協会の発表によると、昨年度(2002年度)のプラスチックの再商品化量で最も多いのがコークス、二番目が高炉での利用で、合わせて79%と、圧倒的に燃やすことを目的にしています。
「これだけ分別をていねいにして、あんなに遠くまで運んで、けっきょく燃やしているのか」というのが、正直な気持ちです。しかも容プラの分別をしている置賜地域でさえ、プラスチックの多くは、汚れているなどを理由に、「燃えるごみ」として処理されています。まだ分別収集せず、焼却や埋め立てをしている自治体は、六五%も。
「焼却施設をプラスチックも焼却できるものにしたし、リサイクルによって絶対量が少なくなったことを口実に、不燃物扱いから焼却扱いにした市町村もありますし、ダイオキシンも決してなくなっていません。法律をつくるなら、プラスチック容器包装物を使って利益をあげている業者が、すべてに責任を負うべきなんです。それをしないから、業者は再利用、リサイクルしやすい商品をつくろうともしないし、法ができたことによって、リサイクルできるのならつくってもいい、販売してもいいと、法が免罪符になってしまっている」と田口さん。
「ドイツなど環境先進国のように、環境に負荷がかかるプラスチック類などは、原則として製造・販売を規制する。少なくとも代替素材がなく、どうしても必要不可欠な素材以外、製造・販売を規制すべきですし、根本的には“大量廃棄型社会”、いわゆる大量生産・大量消費の考え方や社会経済システムを見直すべきです」とも。
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◇七分の一に減量できる…
「けっきょくプラスチック製品はつくらせない、使わないことを消費者からも実践していかなければ」と、こごみ班班長の高山耀子さん。班は、2000年12月、町主催の環境問題の学習会の実行委員会に加わって、大成功させ、その後も学校給食の食器を環境ホルモンが出ない素材にかえるよう要請。また「地球にやさしく、できることからはじめよう」をスローガンに、ニュース『ちょっとちょこっと』を月2回発行。環境小組をつくり、系統的に学習しながら、買い物袋の持参や、調味料も町の酒屋さんから再利用できる一升ビンで購入する、生ごみのたい肥づくり、手づくり料理の奨励など活発にとりくんでいます。
さらには高野節子さんのように、近所からも生ごみを引き受け、たい肥化して畑をつくったり、収集日に出された一升ビンやビールびんを抱えて酒屋さんへ行くほどの、名実ともに「町のごみ減量推進委員会会長」も。高野さんとともに町の環境審議委員の高山さんは、分別収集が始まった四月以降、「我が家のごみ排出量調査」を実施、2012年まで十年間の町の環境基本計画案に、実践経験から、一日132~3グラム程度へのごみ減量を提案。都会の家庭ごみの排出量が、一日一人当たり800~900グラムともいわれるなかで、全国で実施したら画期的なごみ減量に。自然豊かな山里、白鷹町から全国へ、環境にやさしい暮らし方を発信します。
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塩ビ・容器包装など新婦人「全国いっせいスーパーマーケット調べ」まとまる
2002年5月10日「全国いっせいスーパーマーケット調べ」は、昨年に続き、塩ビラップ、容器包装、レジ袋、再生品の販売などを調査。全国587支部2422班が、2596店舗を訪問し、店長などと懇談しました。
ダイオキシン発生の重大な要因となる、塩ビ製品のラップやトレイを使っていない店は、昨年の二倍の六割以上、塩ビラップを売っている店も15.8%減少し、59.2%に。容器の回収をしている店は86.9%、トレイ、牛乳パック、ペットボトル(44.3%)の順。レジ袋は八六・二%が無料配布(八割の店が非塩ビ系)。ひきつづき身近なところから環境に負荷の大きいプラスチック包装容器や製品を売らない、買わない運動が求められます。