◆テーマA
■記述にあたって、「職業指導」の範疇として生徒に対する指導法を述べなさい。
少子・高齢化社会についての問題点を述べ、解決の方策(対策)を論じなさい。

まず、現在の日本の状況について、少子・高齢化社会についての知識を身につけてもらう。

日本はさまざまな問題を抱えている。そのひとつ、少子・高齢化社会について論じ、生徒達とともに問題の対策を考える。
ここ数年で、少子化と高齢化が同時に、かつ急速に進行している。それにともなって、さまざまな問題も起きてきている。「出生率の低下」と「平均寿命が延びたこと」が原因となり、日本の人口の高齢者の割合が年々高くなり、数年後には確実に「人口減少」という事態を招く。少子・高齢化は、先進諸国において起こる現象だが、日本ではその進展スピードが際立っている。急速な人口減少や高齢化は、日本の社会全体に大きな影響を与えることから、出生率の低下を抑制し、将来予想されるニーズと急激な変化を和らげるための方策が必要となる。
2004年日本の出生率を見ると、1.29。先進国の欧米では反転して高くなった国も多いのに対し、日本はなお低下を続けている。


ここで出生率について生徒に考えてもらう。なぜ、出生率が低下したかを問う。最初は個人個人で考える。時間が経ち、自分なりの意見がまとまったら、二人で討論する。そして、グループ討論してゆく。討論の結果を発表してもらう。そして、先生がまとめる。


出生率が低下した理由を挙げる。
・ 女性の労働力率の上昇
・ 男は仕事、女は育児という風潮
・ 養育・教育費
・ 晩婚化や未婚率の上昇
・ 企業の支援制度
・ 託児所などの設備
・ 家庭・育児に関する教育不足
など、ほかにも想定される問題は多くある。
時代とともに人々の意識や生活が変化し、結婚・出産の目的や必然性も変化してきた。また、女性は高学歴になり社会へ進出するひとが増え、若い女性を中心に所得水準が上がってきていることから、女性が仕事を辞めることにより失うコストが大きくなっている。仕事に没頭し結婚に対する意識が薄れてきた人も多い。このため、社会的に独身でいることが周囲にも受け入れられやすくなった。その一方で、子育て中でも働きたいと考える女性もいる。子育てと仕事を両立させようとしても、託児所が近所に無いなどと、保育サービスが不足している現状では子育てによる負担が大きくなり過ぎる。育児休暇を取るとすると会社に多大な影響が出て、辞めざるを得ない、というように、現在の雇用環境からすればその何れかを諦めざるを得ないことが多い。また、一度仕事を辞めると退職前のキャリアや経験もほとんど考慮されないため、妥当な再就職の機会は少ない。このように、子育てと仕事の両立が難しくなってきている。社会の実情とマッチしなくなった現在のシステムの下では、結婚や出産に対するコストや負担がこれまで以上に大きく感じられるようになり、これを先延ばしにする人が増えてきている。
家庭内での子育てにおいて、人間としての独立してゆく教育が十分ではなく、子供は就職した後も親のすねをかじるケースが多い。その場合、子供は家事負担もほとんどなく、収入の大半を自分のために使え、優雅な独身生活を過ごすことができるので、特に女性にとって明らかに負担の増える結婚や出産には踏み切りにくくなっている。また、核家族化の進展や子育ての負担感増大により、専業主婦の育児不安・ストレス等の問題が顕在化しつつある。このため、子育てをサポートするシステムの必要性が一層高まっている。
こうした極端な少子化傾向を現在の社会システムへの警鐘として受け止め、少子化問題解決の糸口を探るなかで、社会改革の必要性をあらためて確認するとともに、改革実現の方向性を見出したい。


また、高齢化によってどんな問題が生じるかを生徒に考えてもらう。

日本は医療技術の進歩などにより、戦後わずか半世紀の間に平均寿命が50歳から80歳に延び、長寿国となった。寿命が延びることは非常に良いことではあるが、先ほど述べたように同時に少子化も進行している。


少子化の時と同様に、最初は個人個人で考える。時間が経ったら、二人で討論する。そして、グループ討論してゆく。討論の結果を発表してもらう。そして、先生がまとめる。

・ 寝たきりの人の半数が3年以上の長期であり、家庭介護者の9割が女性、5割が60歳以上である(厚生省調べ)。
・ 公的介護保険制度に必要な施設や人材等の体制作りが遅れ、「保険あってサービスなし」となることが懸念される。
・ 老人科を備えた医学部は皆無に近く、高齢者医療の専門家は驚くほど少ない。
・ 介護体制の不備による高齢者のいわゆる社会的入院と、高額な末期医療が、高齢者医療費を膨張させている。
・ 労働力の減少による経済成長率の低下

これらを見ると、今の日本社会では高齢者にとっていい環境とはいえない。他の先進国と比べても高齢者に対する環境作りが進んでいない。また、この環境が物語っているように、高齢者に対する意識や知識がある人がほとんどいないだろう。
高齢者といっても多様であり、また時代によっても高齢者像は変わる。高齢者の肉体的・精神的な個人差も非常に大きい。65歳以上人口に占める要介護者は15%程度で、残りの約85%は他人からの介護なしに生活している。元気に暮らししている方が多いが、一方、寝たきり・痴呆・虚弱など、何らかの介護を必要とする方がいて、年々増えている。介護の長期化・重度化が進む一方、核家族化や少子化により家族における介護の担い手が減少・高齢化していることから、介護問題はより深刻化している。このため、老後の不安も非常に高まっている。



少子化・高齢化対応
対応策は大きく分けて、少子化と高齢化の二つある。その対策はさきほど述べたような問題点をなくすことである。そして、これから日本の未来を担う若者は少子高齢化社会にどう向き合うべきかを考えなければならない。少子化と高齢化の対応策を生徒に考えてもらう。


少子化の対策
まず、働く女性が増えていることから、彼女らにとっても育児がしやすい環境を開発しなければならない。具体的には、ホームタウンなどに託児所・保育施設のサービスを充実させたり、企業が育児休暇を充分にとらせることができるような環境にしたり、育児相談所のようなものを作ったりしてもいいのではないかと考えました。先日の選挙で知ったことだが、現在、保育所は公営である。この保育所の運営を民間企業への業務委託を解禁し、公立保育所の民営化を推進したらいいのではないか。民営化することで競争環境が生まれ、より育児サービスが向上するだろう。フレックスタイム制度の拡大、在宅勤務制度や長期休暇制度の導入等により、勤務時間を主体的に管理できれば、子育てしやすくなるだけでなく、モチベーションも高まるだろう。また、養育・教育費も多大なお金が必要になる。健康保険のような、国からの援助するような制度を導入したい。男は仕事、女は育児という風潮があるが、現在はともに働き、ともに育児の風潮も徐々に浸透してきた。


高齢化の対策
高齢者の問題は、高齢者にとって過ごしやすい環境とは何かということを考え、今後の生活をどう過ごすかという点と、私達がしてあげられることは何かを考えなくてはならない。
私の住んでいる町は歩道に点字ブロックが設置され、バリアフリーの工事が行われている。このように、町の規模でユニバーサルデザイン化が進んでいます。しかし、東京を歩いているとそれほどユニバーサルデザイン化が進んでいないように思われます。道の本数が多いため、工事に踏み切れない状況かもしれません。また、道幅が狭いのに放置自転車・放置バイクがかなり多く見られます。これでは車椅子の方が通行することは困難です。無駄な道路工事をするのではなく、だれもが通行しやすい歩道を工事し、放置自転車・放置バイク対策に駐輪場・バイクの駐車場を駅付近に建設すべきである。
何もしないでいるのは高齢者にとっては苦痛だろう。私達がしてあげられることの一つは、仕事を与えることだ。定年過ぎても働ける方はまだおられる。中には足の不自由な方もいるが、その方には在宅の仕事を与えることができる。これから多くなるであろうという高齢者も日本の経済を支える軸となるだろう。働く以外にも、住民の交流を深める地域コミュニティの形成をフォローするような、住民参加のイベントを企画したり高齢者の趣味や生活に役立つ活発な情報提供・発信を行ったりすることを積極的に行ったほうが良いだろう。
働くことが困難な高齢者のことも考えなければならない。例えば、働く意思があるのだが、足が不自由で外出することが困難な高齢者には、在宅ワークが有効であると考えた。在宅でできる仕事を与えるのは私達であり、私達は仕事内容なども考えてあげることができる。痴呆などの障害のある方は、老人ホームなどの施設を必要とする。これからますます増える高齢者に対し、現在の老人ホームの数は少ないであろう。私達はこの老人ホームを建てる上で、機械などの設備やバリアフリーな構造の建物設計にするなどの技術的な手伝いが将来できるだろう。

また、座学だけでは少子・高齢化のイメージがしにくい部分もあるだろう。実際、生徒達は高齢者との触れ合いの機会が少なく、現状がどんなものであるか理解していない生徒がほとんどである。総合的な学習の時間などを利用し、老人ホームなど訪問する機会を設けるなどして、生徒と高齢者が触れ合うことが必要であろう。この老人ホームなど訪問は生徒達が現実を理解してもらうという利点でなく、高齢者にとっても若い人たちと触れ合うことは幸せな時間を過ごすことができ、元気になるであろう。

少子・高齢化社会の到来への対応は、単に制度を変えればすむというものではない。むしろその前提となっている、少子化・高齢化そのものに対し、社会的にどのような対応をとっていくのかを私達は考えなければならないことを伝えるように授業を展開すべきである。


参考文献
http://www.h-hasegawa.net/hase8.htm
http://www.yuai.jp/ombudsman/ombudsman.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%B3
http://www.doyukai.or.jp/database/teigen/980529_2.htm
http://www.doyukai.or.jp/database/teigen/990305.htm
http://www.doyukai.or.jp/database/teigen/970425.htm
http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/teigen.htm#1-1