「当面の金融政策運営について」及び「経済・物価情勢の展望」

 

2026年4月27日と4月28日に開催された日銀・金融政策決定会で「当面の金融政策運営について」,

また「経済・物価情勢の展望(2026 年4月)」が公表されました。簡単にまとめておきます。

 

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2026年4月28日の金融政策決定会合における決定事項と、日本銀行が示した現状認識および先行きの展望は以下の通り。

 

当面の金融政策運営について

金融市場調節方針

  • 無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.75%程度で推移するよう促すことを決定した・・・維持。
  • 本決定は、賛成6名、反対3名の賛成多数によるものである。

  ※反対意見:無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促 すと

        する議案を提出

   ・中川委員:中東情勢の不透明感はあるが、経済情勢を踏まえると、緩和的な金融環境の下

    で、物価の上振れリスクが高い

   ・高田委員:「物価安定の目標」は概 ね達成されており、海外発の物価上昇の二次的波及から 

    国内物価の上振れリスクが既に高まっ ている

   ・田村委員:物価上振れリスクが大きく拡大する中、中立金利に少しでも近づ けるため

 

経済・物価情勢の展望(2026 年4月)

わが国の景気現状

  • 2026 年度は、中東情勢の影響を受けた原油価格上昇が、交易条件の悪化などを通じて企業収益や家計の実質所得に対する下押し 要因となることから、成長ペースは減速すると考えられる。
  • もっとも、企業部門で高水準の収益が続いてきたことなどに加え、政府による各種施策や緩和的な金融環境などが 経済を下支えするため、わが国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続ける とみられる。
  • 2027 年度以降は、原油高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まっていくことから、わが国経済は成長率を緩やかに 高めていくと考えられる。
  ※補足:
   ・本文詳細では、今回の中心見通しについて、中東情勢の影響が今後和らぎ、原油価格が下落
   し、大規模なサプライチェーン混乱は生じないことを前提にしていると明記されています。特
   にドバイ原油については、1バレル105ドル程度を出発点に、見通し期間終盤には70ドル台程
   度まで下落する想定です。
 
   ・企業部門について。輸出・生産は、グローバルなAI関連需要の強さが支えになる一方、中東
   情勢の影響により中東向け自動車輸出等に下押し圧力がかかるため、当面は横ばい圏内とされ 
   ています。企業収益は高水準を維持するものの、交易条件悪化で減少し、設備投資の増勢も鈍
   化する見通しです。
 

物価の動向と見通し

  • 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、賃金上昇を販売価 格に転嫁する動きが続くもとで、原油価格上昇が、エネルギー価格や財価格を中心に押し 上げ方向に作用することから、2026 年度は2%台後半になると予想される。
  • その後は、 原油高の影響が減衰していくもとでプラス幅を縮小していき、2027 年度は2%台前半、 2028 年度は2%程度になると予想される。この間、人手不足感の強い状況が続くなかで、 賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、中長期的 な予想物価上昇率は上昇していくと見込まれる。
  • こうしたもとで、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、2026 年度後半から2027 年度にかけて「物価安定の目標」と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移すると考えられる。
  • 2027 年度までの見通しを前回の見通しと比べると、原油価格上昇を受けて、成長率の 2026 年度が下振れているほか、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比の 2026 年度が 大幅に上振れている。
  ※補足:
  ・景気判断について、まだ「回復」としているが、輸出・生産、住宅投資、家計実質所得にはす
   でに弱さが見られるとも言っている。
 
  ・名目賃金は上がるが、実質所得が原油高で削られるため、消費の伸びは弱い。
 
  ・2026年度のCPI上振れは、原油高による一時的な押し上げを含む。一方、日銀が政策判断で重
   視するのは、賃金・価格設定行動や予想物価上昇率を反映した「基調的な物価上昇率」が2%
   程度に定着するかどうかである。
 

リスク要因等

  • 当面は、今後の中東情勢の展開が、金融・為 替市場やわが国の経済・物価に及ぼす影響をとくに注視する必要がある。 
  • リスクバランスをみると、2026 年度を中心に、経済の見通しについては下振れリスク、 物価の見通しについては上振れリスクの方が大きい。これらのリスクがともに高まるこ とも考えられるが、基調的な物価上昇率が2%に近づいているなか、企業の賃金・価格 設定行動が積極化していることなどを踏まえると、とくに、物価上昇率が大きく上振れ ていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、十分 に留意する必要がある。

 ※補足:

 ・日銀が警戒しているのは、単なるインフレではなく、景気下振れと物価上振れが同時に進むリス

  クである。

 

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ご健康に、ご安全に! 投資は自己判断・自己責任で!!

 

 

※本日の参照サイト

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https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2604a.pdf