FOMC議事要旨(7月)

2026年67月28日、29日に開催されたFOMCの議事内容が公表されたので、まとめておきます。

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金融市場の動向

  • 中東における緊張の高まりを背景に、原油価格が上昇した。
  • 国債利回りが上昇し、株価はわずかに下落、ドルは緩やかに上昇した。
  • 市場では7月会合での据え置きが基本シナリオとされつつも、約3分の1の確率で利上げが織り込まれ、9月までの利上げが完全に織り込まれていた。
  • 金融システムにおける準備預金の水準は、潤沢な範囲内を維持した。

経済情勢と見通し

  • インフレは依然として高水準であり、5月のPCEインフレ率は4.1%(コア3.4%)となった。6月は総合3.7%、コア3.3%に低下したと推定されている。
  • 労働市場は安定しており、6月の失業率は4.2%と過去2年間ほぼ横ばいである。
  • 第2四半期の実質GDP成長率は減速したものの、消費支出の堅調さやAI(人工知能)関連の構築需要によるビジネス投資に支えられ、実質国内民間最終需要は好調に推移した。
  • スタッフの見通しでは、中東紛争や関税の影響が和らぐことでインフレは低下し、2028年に約2%に達すると予想されている。

金融状況と金融システムの脆弱性

  • タカ派的と受け止められた連邦公開市場委員会(FOMC)のコミュニケーションを反映し、市場が予想する金利経路と国債利回りが上昇した。
  • 金融システム全体の脆弱性は「顕著(notable)」と評価されている。
  • AIへの期待感と強い企業利益に支えられて株式のバリュエーションは高く、株式プレミアムはITバブル期に次ぐ低い水準にある。
  • ヘッジファンドのレバレッジは、すべての戦略において過去最高水準付近で推移しており、上位ファンドに高度に集中している。

FOMC参加者の経済・AI評価

  • 参加者は、インフレが依然として高水準であることを認識した。特に、データセンター資材(チップや鉄鋼)やスマートフォン、電力などに価格上昇圧力が見られることが指摘された。
  • AI投資がインフレに与える影響については、総需要の押し上げにより早期に広範な価格上昇を招くとの見方がある一方、中長期的には生産性の向上によりコスト削減と供給拡大をもたらし、インフレを抑制するとの見方もある。
  • 労働市場ではAI関連部門の技術者(電気技師、機械工、エンジニアなど)への需要が極めて強く、賃金が上昇している。一方で、AIによる広範な解雇への懸念は現時点では顕在化していない。
  • 議長から、年6回への会合回数変更(議論の時間を増やすための提案)についての意見が求められたが、2026年中の変更はないことで合意された。

金融政策の決定

  • メンバーのうち9名が、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを3.50〜3.75%に据え置くことに合意した
  • 3名のメンバー(ハマック、カシュカリ、ローガン)は据え置きに反対し、0.25%の利上げを求めた。
  • 声明文には、物価安定の達成に対する強い決意を示す「will deliver price stability(物価安定を達成する)」という文言が維持された。
 
まとめ
 
6月分と7月分の違い
 

2026年6月16–17日の会合(前回)と、7月28–29日の会合(今回)の主な違いは、以下のとおり。

 

1. 政策決定における投票結果と反対票

  • 6月会合では、12対0の全員一致で政策金利(FF金利)の据え置きを決定し、利上げを求める反対票はなかった。
  • 7月会合では、9対3の賛成多数での据え置き決定となり、3名のメンバー(ハマック、カシュカリ、ローガン)が0.25%の利上げを求めて据え置きに反対した。

2. 最新のインフレデータの推移

  • 6月会合時点での最新実績(4月)はPCEインフレ率3.8%(コア3.3%)であり、5月は総合4.1%(コア3.4%)へ上昇すると推定されていた。
  • 7月会合時点では、5月実績が総合4.1%(コア3.4%)と確定し、6月は総合3.7%(コア3.3%)へ低下したと推定された。

3. 金融市場における利上げの織り込み

  • 6月会合時点では、市場は2027年初頭までの据え置きと、同第2四半期での利下げを予想していた。
  • 7月会合時点では、7月の据え置きを基本シナリオとしつつも市場は約3分の1の確率で利上げを織り込み、9月会合までの利上げを完全に織り込むなど、市場が想定する金利経路が上方シフトした。

4. 株式市場とAI(人工知能)関連株の動向

  • 6月会合前の期間は、S&P 500が約6%上昇するなど好調で、AIインフラ関連のIPO加速も期待されていた。
  • 7月会合前の期間は、S&P 500がわずかに下落した。それまで市場を牽引していた**AI関連インフラ企業の株価上昇が足踏み(stall)し、ハイパースケーラー企業のクレジットスプレッドが拡大した。

5. 中東情勢と原油価格

  • 6月会合前は、米国とイランの合意覚書の発表などにより中東紛争の解決に楽観論が広がり、原油価格は大幅に低下していた。
  • 7月会合前は、中東における緊張の再高まり(escalation)によって原油価格が再び上昇し、インフレ見通しの不確実性を高めた。

6. FOMCの運営に関する議論

  • 6月会合では、金融政策の運営全般を検討するための5つの独立したタスクフォースの立ち上げや、政策声明文の簡素化が発表された。
  • 7月会合では、十分な情報蓄積と戦略的課題の検討時間を確保するため、議長から年間会合回数を8回から6回に減らす案が提示され、意見が求められた。今回は議論のみ。

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※本日の参照サイト

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