サマリー(W32: 8/5 - 8/9)

 

この週を振り返って

 

◾️8/6月曜日の日経平均株価の暴落の主因は円キャリートレードの破綻によるもの。その巻き戻しはまだ60%程度とか。まだまだボラティリティ高い状況が続く。

 

■さらに地政学リスクは拡大の方向。

 

◾️AIが認知したアルゴリズムによるハルシネーション(Hallucination)も一因との意見がある。AIによる学習の成果?過剰反応というより現象をそのまま受けた反応から売り続けたとの見方。

 

◾️米国では、市場がFRBに動向を催促する文化がある。しかし日本の市場はそうしたことをしない。これは「由らしむべし知らしむべからず(論語)」が浸透しているせいかもしれない。良くも悪くも「教育」による? ある経済アナリストの言葉に感心した。

 

◾️唐鎌大輔著「弱い円安の正体」、直近の円安は日米の金利差で語られるが、本質的にはあるいは潜在的には日本の貿易収支に現れる日本の経済構造の弱さに依存する、と。象徴的なのは、”デジタル赤字”という用語。

 

主な経済ニュース

 

8/7

・日銀・内田副総裁のハト派発言「株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行なわない、当面は金融緩和維持。また総裁と副総裁の考え方は同じ。」で日経平均株価は一時プラス1100円超え。急反発。ドル円147円超える円安。31日には植田総裁がいきなりタカ派へと言われたが、確かに予想より早めに金利を引き上げたのは「タカ派」を疑うところだが、なにがなんでも金利引き上げるとも言ってないわけで。個人的には市場とのコミュニケーションが課題との印象をさらに確認した内容。前のめりな市場との対話は難しい。

 

今回の株安でせっかく買った株を驚いて損切で手離した人々も多いかもしれない。株をはじめとする金融商品は人に勧められるままに売買するのではなく、自ら判断・責任を持つもの。ある程度の勉強は必要。

8/6

・反発。終値34675.46円 前日より3217.04円プラス。これが"Dead Cat Bounce"でないかとのコメントも。一時的な反発か?あるいはこの調整はもう少し継続するか。

・午後3時に財務省・金融庁・日銀の3者会合開催。3月以来とのこと。できることはほぼないことから状況把握と市場へのパフォーマンスと見られている。

8/5

・日経平均株価、暴落。一時4451.28円安。最安値31,458.42。日経平均VIは70.69(15:20)。これは狼狽売りというのが大半か?決算とか企業の業績度外視した投げ売り。

8/4

・ウォーレン・バフェット氏の投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、4-6月(Q2)のアップル株の保有を50%近く売却・削減。この結果バフェット氏の現金保有高は過去最高の2769億ドル(約40兆5700億円)に増加。投資先の選択に苦慮している様子。また少し前のニュースでは、バンク・オブ・アメリカ(BofA)株を売却した。3回の売却合計は30億ドル(約4600億円)余りに達した。

・7/31のコラム記事は、日銀と国際市場とのコミュニケーションについて問題提起している。日銀だけにとどまらず日本の大きな潜在的課題。

 

主な経済イベント

 

8/5 - 8/9

 
S&P PMI確定値。このPMIは速報値にインパクトあり。
 

 

別表1. 国内データ

8/6-8/8

・月間現金給与額が前年比4.5%増、実質賃金は1.1%増。一方で実労働時間は減少。

・日銀・内田副総裁発言で6日株価暴落の2/3ほどに回復。市場とのコミュニケーションの難しさ。

・貿易収支増。

 

 

8/8-8/9

・4週連続して海外からの投資量が減少している。

・日銀が供給する通貨量(マネタリーベース)と金融機関全体が経済に供給する通貨量(マネーストック)の比率が3ヶ月連続相対的に上昇(信用乗数)している。

 

別表2. 米国データ

 

      ※米国、別表2.2: N/A

 

米週単位データ

・失業保険申請件数が予想より少なく、円安方向に動いた。

     

経済イベントとドル円相場

 

今週の高値147.908、安値141.688。

 

上値は重いが、やや円安方向に動いている。来週火曜日のPPI、水曜日のCPIを前にレンジ形成か。

 

CFTCの投機筋よる円はLong: 68,2043、Short: 79,973(8/6)。先週よりShortは63,598減少。急速にShortは減少。需給(COMMERCIAL)を考慮するとこの週はややLongが増えている。円キャリートレードの終焉を意味するか。

 

 

日本株への海外投資家動向

 

先週のJPXによる海外からの投資量。2週連続の大幅減少。売越しは3週連続。

 

 

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ご健康に、ご安全に! 投資は自己判断・自己責任で!!

 

※本日の参照サイト

 

1.投機筋のドル円ポジション

CFTC: Commodity Future Trading Commission

 ・Commitments of Trader、Current Legacy Reports、Chicago Mercantile Exchange、Futures-and-Options-Combined、Short Format. 「円市場」は上から16番目。

 

2.円キャリートレード関連

i)

ii)

 

3.米国・失業保険申請件数

https://www.dol.gov/ui/data.pdf

 

4.

 

5.

 

6.ISM PMI

https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/ism-report-on-business/services/july/

 

7. ウォレン・バッフェット氏経済活動

 

 

10.

 

11.

 

12.

 

13.