当面の金融政策運営について(要旨)

2024年6月13日、6月14日に開催された日銀 金融政策決定会合で「当面の金融政策運営について」が公表されましたので、まとめておきます。声明の内容は会見にも含まれることから合わせたまとめになっています。

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1.日本銀行の金融市場調節方針

  • 無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。 
  • 次回金融政策決定会合までの長期国債およびCP等・社債等の買入れについては、 2024 年3月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施する。
  • その後については、金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるよう、長期 国債買入れを減額していく方針を決定した。
  • 市場参加者の意見 も確認し、次回金融政策決定会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画 を決定する

 

 2.わが国の景気

 

  • 一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。
  • 海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。
  • 輸出は横ばい。
  • 鉱工業生産は、基調としては横ばい圏内の動きとなっているが、足もとでは、一部自動車メーカーの生産・出荷停止による下押しが続いている
  • 企業収益が改善するもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。
  • 雇用・所得環境は緩やかに改善。
  • 個人消費は、物価上昇の影響に加え、一部メーカーの出荷停止による自 動車販売の下押しが続いているものの、底堅く推移している。
  • 住宅投資は弱めの動きとなっている。
  • 公共投資は横ばい。
  • わが国の金融環境は、緩和した状態にある。
  • 物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、 既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金 上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足もとは2%台前半と なっている。
  • 予想物価上昇率は、緩やかに上昇。 
  • 先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
  • 消費者物価(除く生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、来年度にかけては、政府による経済対策の反動等が前年比を押し上げる方向に作用すると考えられる。
  • この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予 想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レ ポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。 
  • リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、 金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。

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ご健康に、ご安全に! 投資は自己判断・自己責任で!!

 

※予想どおり目標金利は維持。今週の日銀金融政策決定会合では短期金利目標0-0.1%は動かさないことから引き続き円安傾向が継続するものと考えられる。国債買い入れを控える方向は事前に報道されたとおり。ドル円相場は変動はしたものの結果としては、ほぼ発表前レベルに戻った。

 

マネタリーベースを引き締める方向を示したことは、これまで植田日銀の路線上、想定された内容であり、市場の大きな動揺を防ぐ配慮が感じられる。

 

※本日の参照サイト

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