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概要
総務省統計局が公表する消費者物価指数(CPI)では、「総合」、「生鮮食品を除く」、「生鮮食品及びエネルギーを除く」の3指標が示される。季節に影響されないコアとなるCPIを観察することは、実質的なCPIを知り、インフレ動向を知るうえで重要である。
日銀ではこれらの3つの指標のほかCPIに基づき、より実態をつかむためいくつかCPI数値が試算されている。ここでは「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」として公表されるCPIの試算に関する用語の定義を簡単にまとめておきたい。
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用語について
コア指標とは
- 消費者物価の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた指標
- 物価の基調をみるための指標として利用される
除く生鮮食品
- 消費者物価指数(CPI)から生鮮食品を除いた指数
- 天候などに左右されやすい生鮮食品の影響を除くことで、より安定した物価の動きを把握できる
除く食料・エネルギー
- 消費者物価指数(CPI)から食料とエネルギーを除いた指数
- 食料とエネルギー価格は変動が大きいため、除くことでより基調的な物価の動きを把握できる
除く生鮮食品・エネルギー
- 消費者物価指数(CPI)から生鮮食品とエネルギーを除いた指数
- 近年、金融経済月報等で活用されている
刈込平均値
- 価格上昇率の高い順に価格上昇率を一定間隔で除去し、その平均値を算出した指数
- 極端な値の影響を受けにくく、より安定した物価の動きを把握できる
最頻値
- 品目別価格変動分布において最も頻度の高い価格変化率
- 価格分布の中央値に近い値となる
加重中央値
- 価格上昇率の高い順にウエイトを累積して50%近傍にある価格変化率
- 価格上昇率の高い品目への影響をより大きく反映した指標
※下の図は、端的に刈込平均値、加重中央値、最頻値の違いを示している。
各コア指標の特徴と景気変動との関係
除く生鮮食品・エネルギー、除く食料・エネルギー、刈込平均値
- 変動の大きな品目を予め控除しているため、需給ギャップとの連動性が相対的に高い
- 景気変動をより的確に反映しやすい
最頻値、加重中央値
- 価格分布のシフトを表す指標
- 粘着性があり、需給ギャップとの関係も弱め
- 景気変動よりも、中長期的な物価水準の変化を捉えるのに適している
- コア指標は、様々な一時的要因の影響を取り除いた物価指標であり、物価の基調をみるために利用される
- それぞれのコア指標は、異なる特徴を持ち、景気変動との関係も異なる
- 景気分析においては、複数のコア指標を組み合わせて利用することが重要
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ご健康に、ご安全に! 投資は自己判断・自己責任で!!
※本日の参照サイト
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