日銀金融政策の転換 サマリー(3/19,2024)

 

本日12:30過ぎに、日銀から「金融政策の枠組みの見直しについて」という文書が公表されました。また(参考)として、合わせて公表された文書がその内容をわかりやすく図で説明しています。その内容をまとめておきます。

 

1) 図1について、何度かマーケットサマリー、主な経済イベントに記載していますが、すでに実質的なゼロ金利ではなくなってきてました(国債1年物は2/21以降)。そういう意味では現状を追認した形です。

現在(13:30現在)の国債1年物金利は0.058%です。

 

2) イールドカーブコントロールは解除するものの、長期金利が急激に上昇する際には日銀が買い支えるということなので、一気に金融政策が転換するというよりは、大幅な金融緩和策は解除するものの金融状況を緩和的に管理するという意図は放棄していないということだと思われます。

 

3)ETFの買い入れで株式市場を支える点は、これも実際にこのところ(最後は2023年10月4日にTOPIX ETFを701億円)日銀は買い入れしていないので、現状追認したという程度だと思います。TOPIXが2%以上下げた際にETFあるいはJ-REITを買い入れしていました。

 

以下は「(参考)金融政策の枠組みの見直しについて」より。

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最近のデータやヒアリング情報から、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断。マイナス金利政策イールドカーブ・コントロールなどの大規模な金融緩和は、その役割を果たしたと考えている。

 

 引き続き「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を 主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する。現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。

 

図1.

 

図2.

 

※本日の参照サイト

1.

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf

2.

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319b.pdf