Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -8ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』

(原題:Terminator Genisys/2015年アメリカ/125分)

監督:アラン・テイラー

脚本:パトリック・ルシエ 、 レータ・カログリディス

原案:ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード

製作:デヴィッド・エリソン、デイナ・ゴールドバーグ

製作総指揮:レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ、ビル・カラッロ、ミーガン・エリソン、ロバート・コート

音楽:ローン・バルフェ

撮影:クレイマー・モーゲンソー

編集:ロジャー・バートン

出演者:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、J・K・シモンズ、ダイオ・オケニイ、マット・スミス、コートニー・B・ヴァンス、イ・ビョンホン

100点満点中80




 「ターミネーター」シリーズの5作目にて、シュワルツェネッガー本人の出演は12年ぶりとなるリブート作品です。

 一説によると、今作は新たな「ターミネーター」三部作の第一弾であり、続編をうかがわせるような、エンディングが用意されています。(*エンドロール途中で、あるシーンが登場するので、劇場が明るくなるまで席を立たぬことをお勧めいたします。)





 4作目の『ターミネーター4』(原題:Terminator Salvation)とは、ストーリー上つながらない部分が多々あります。 “新起動”ということで、シリーズ展開を完全に“リセット”した内容です。・・・なので、往年のファンからは、不満の弁が噴出しなくもないストーリーです。作品中、たびたび「時間軸」なる言葉が出てくるので、『T4』とのつながりの無さは、全て「時間軸」の違う世界で今作が展開されるという説明で済まされてしまいそうです。


 もっと詳しく言うと・・・今作では、長年シュワルツェネッガー演じている「T-800」に対する「サラ・コナー」の濃厚な“家族愛”のような親近感が作品の中心であり、かつての『T2』や『T4』で、ジョン・コナーが「T-800」に見せた親愛の情が、今作ではサラ・コナーの心の中に置き換わったという設定です。・・・なので、『ターミネーター』シリーズを知り尽くした人たちやコアなファンらからすると、 “疑問符”の付く箇所ですが・・・この部分が今作の“肝”でもあります。今後の連作で、いかに説明していくかが“ある意味”楽しみでもあります。



 監督のアラン・テイラーはTV番組制作出身の映像作家で、あの有名番組『セックス・アンド・ザ・シティ』の第2シーズン以降の十数編や『ザ・ホワイトハウス』の第1シーズンの数編ででメガホンを摂った実績があります。劇場作品では、2013年公開の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』で監督を務めています。



 主演のアーノルド・シュワルツェネッガーはもうご存知ですね。今回は、「サラ・コナー」が9歳の時に彼女を救ったターミネーター「T-800」役です。経年劣化により、中年の容姿となり、その後の時間の経過で、初老の容姿となります。チタン製の骨格も、長年の戦いでガタが来ており、機械の性能としてはかなり衰えています。しかし、「Tー800」の人工知能が優秀なおかげと、長年過去で生きてきた??経験をもとに、その戦闘能力は飛躍的に向上し、危険予測能力も格段に上がっているので、対抗してくる新鋭機種「T-1000」と互角以上の戦いを繰り広げます。



 共演のジェイソン・クラークは「ジョン・コナー」を演じます。前作『T-4』のクリスチャン・ベール演じる「ジョン・コナー」と比べると大変なブ男で、人類を救うリーダーの風格にも掛ける感じがしますが・・・それには、“ある理由”があり、作品の後半で明らかになります。




 共演のエミリア・クラークは「サラ・コナー」を演じます。『T-4』までの時間軸ですと、「サラ・コナー」は、将来に何ら悲観することのない、その日暮しのウエイトレスでしたが、今作『・・・新起動:・・・』では、「ジョン・コナー」を生む前から、たくましい女性兵士に成長しています。これは、彼女が9歳の時に起こった“ある事件”がきっかけであって、この“ある事件”がなにが原因で起こるかは、今作の続編で明らかになることでしょう。簡単に言えば、彼女の身の上にもタイムパラドックスが起こったということです。エミリア本人は英国主審で、今作出演まではTVドラマ中心の活動でしたが、2013年の舞台『ティファニーで朝食を』で主役の「ホリー・ゴライトリー」を演じきったことが評価され、メキメキと頭角を現わした新進気鋭の女優です。



 共演のジェイ・コートニーは「カイル・リース」を演じます。この役は、ターミネーター「T-800」に襲撃される「サラ・コナー」の身辺警護のために、過去にタイムトラベルすることとなりますが、予想に反して、彼女には全く彼の手助けが必要ありません。コートニー本人はオーストラリア出身で、2013年公開の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』で、主人公「ジョン・マクレーン」の息子「ジャック」役を演じています。



 ・・・というように、今作では、1作目~4作目の今までの流れの主要部分が、リセットされているので、1作目と2作目は踏襲していますが、3作目と4作目とは時間軸が違った作品の流れとなっています。このことを踏まえて、劇場に足を運ばれるのが良かろうかと思います。















(*現在公開中のため、あらすじは控えます。)


 


 


 





『プロジェクト・アルマナック』

(原題:Project Almanac /2015年アメリカ/106分)

監督:ディーン・イスレイライト

脚本:ジェイソン・ハリー・ペイガン、アンドリュー・ダウシュマン

製作:ブラッドリー・フラー、マイケル・ベイ

撮影:マシュー・J・ロイド

編集:ジュリアン・クラーク、マーティン・バーンフェルド

出演者:ジョニー・ウエストン、ソフィア・ブラック・ディエリア、サム・ラーナー、アレン・エヴァンジェリスタ、ヴァージニア・ガードナー

100点満点中74点



 モキュメンタリー手法を用いたSF作品で、ある高校を舞台とした青春群像劇でもあります。

 母子家庭で育った男子高校生が、亡き父が残した謎の機械を作動させることで起こる悲喜劇を擬似ドキュメンタリータッチで描いたフィクション作品。素人のような俳優たちが奮闘する様子が、終始、なんか“可愛く”見える展開です。



 出演している俳優たちはほとんど無名ですが、同じモキュメンタリー作品の『クロニクル』のノリを彷彿させます。

 また、タイムスリップを題材にしているので、かの名作『バタフライ・エフェクト』で描かれたようなタイムパラドックスによって、今作の登場人物たちの人生が大きく変わり、主人公を大いに悩ます流れとなります。




(あらすじ)

 マサチューセッツ工科大学の推薦枠に挑戦している「デイヴィッド」は、妹「クリス」、友人の「クイン」と「アダム」の助けを借りて、自己推薦ビデオを作成し、応募する。 選考の結果は合格であったが、同時に申請した奨学金の支給レベルには達することができず、 少額の支給対象となる。「デイヴィッド」の家庭は、10年前に父親を亡くし、契約社員という不安定な職にとどまる母親の収入に頼らざるを得ない低所得の家である。母親は持ち家を売ってでも、息子「デイヴィッド」の将来を切り開きたいと考えるが、本人は納得しない。

 ある日、「デイヴィッド」は自宅の地下室で、父親の愛用していたビデオカメラや見たこともない装置とその関連する図面を発見する。ビデオカメラには、自分や妹の幼い頃、撮ったホームビデオ映像が収録してあるのだが、その映像に、現在17歳となった自分の姿を発見する。、その後、謎の装置と設計図をもとにタイムマシンを完成させ、過去へ戻ることに成功する。宝くじを当てて高級車を買ったり、いじめっ子へ仕返しをしたりと、彼らはあるルールに従うとしながらも、自分たちの欲求を叶えるためにタイムトラベルを繰り返す。・・・だが、その結果、その来る未来たる“現在”に連鎖的な影響(タイムパラドックス)を与え、“現在”にいるはずの仲間が消えたり、世界中で飛行機墜落事故や暴動などの異変が次々と起こり始めることとなる。






『アデル、ブルーは熱い色』

(原題:La vie d'Adèle – Chapitres 1 et 2 /2013年フランス/179分/R18+)

監督:アブデラティフ・ケシシュ

脚本:アブデラティフ・ケシシュ、ガリア・ラクロワ

原作:ジュリー・マロ、『ブルーは熱い色(フランス語版)

製作:アブデラティフ・ケシシュ、ヴァンサン・マラヴァル、ブラヒム・シウア

撮影:ソファニ・エル・ファニ

編集:カミーユ・トゥブキス、アルベルティーヌ・ラステラ

出演者:アデル・エグザルホプロス、レア・セドゥ、ジェレミー・ラウールト、オーレリアン・ルコワン、サンドール・ファンテックら

100点満点中77点




 フランスのグラフィックノベルを原作とした恋愛作品で、少女から大人の女性へと成長していく主人公の恋愛観に重点がおかれて描かれています。

 異性より同性が恋愛対象なのだと自覚し始める主人公の苦悩と周囲の目。満たされない気持ちを肉体の快楽で満たそうとして失う、人間関係の複雑さと浅はかさが対比的に描かれてもいます。

 また、女性同士の赤裸々で大胆なセックスシーンが幾度も登場するので、ある意味衝撃的で、家庭で鑑賞するには注意が必要です。

 今作は、第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で、パルム・ドールを獲得し、史上初めて監督と出演女優2人にもこの賞が送られました。




 監督のアブデラティフ・ケシシュは、チュニジア出身の脚本家で俳優でもあります。2007年の第64回ヴェネツィア国際映画祭では、『クスクス粒の秘密』がコンペティション部門で上映され、女優のアフシア・エルジがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)とベルリン国際映画祭のシューティング・スター賞ダブルを受賞し、他に審査員特別賞、国際映画批評家連盟賞、SIGNIS賞 スペシャル・メンション、ヤング・シネマ・アウォードを受賞しました。




 主演のアデル・エグザルホプロス(↑)は主人公「アデル」を演じます。この役は、これといって取り柄のない高校生でしたが、ある日、偶然一人の女性に出会ったことで、自分がレズビアンであることに気づき、自立した女性へと成長していきます。 エグザルホプロス本人はパリ出身の女優で、フランスのテレビドラマに多数出演しています。




 共演のレア・セドゥ(↑)は美術学生「エマ」を演じます。この役は、14歳からレズビアンであることを自覚し、それ以降男性には目もくれずその道をひた走り、専門の絵画の対象も静物から女性の裸体へと変わって行きます。セドゥ本人はパリ出身の女優で、身内に映画界の重鎮が複数います。2009年公開のタランティーノ監督作品『イングロリアス・バスターズ』でハリウッドに進出し、2011年公開の『ミッション・インポシブル/ゴースト・プロトコル』にも出演しているフランス映画界のトップ女優です。その彼女が、今作では過激なセックスシーンに挑戦しています。


(あらすじ)

 「アデル」は一見地味な高校生であるが、その素朴な美しさは多くの男子生徒の認めるところである。1学年先輩のイケメン男子「トマ」からの告白に、彼と付き合うことを承諾する。彼とのセックスはそれなりに良いのだが、「アデル」は今ひとつ満たされないものが常に心に残る。それは、数日前に出逢った、髪を青色に染め青い目をした女子大生のことが気になっていたからである。ある晩、同性愛者の男子に誘われ、レズ・バーに行ったところ、「アデル」は偶然、あの青い髪の女子大生と再開する。彼女の名前は「エマ」という。この晩以降、同じ志向をもつ二人の女性は、急速にその距離を縮め、恋愛関係から同棲生活となる。その充実した同棲生活は、お互いを高め合い、「アデル」は小学校の教師となり、「エマ」はプロの画家としての第一歩を踏み出そうとしている。ところが、仕事に没頭する「エマ」とすれ違ううち、「アデル」はその寂しさを同僚の男性教師とのセックスで満たそうとするのだが・・・