Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -7ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『テッド2』

(原題:Ted 2 /2015年アメリカ/115分/R15+)

監督:セス・マクファーレン

脚本:セス・マクファーレン、アレック・サルキン、ウェズリー・ワイルド

製作:ジェイソン・クラーク、ジョン・ジェイコブス、セス・マクファーレン、スコット・ステューバー

製作総指揮:アレック・サルキン、ウェルズリー・ワイルド

音楽:ウォルター・マーフィー

撮影:マイケル・バレット

編集:ジェフ・フリーマン

ナレーター:パトリック・スチュワート

出演者:マーク・ウォールバーグ、セス・マクファーレン、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビシ、ジョン・スラッテリー、ジェシカ・バース、モーガン・フリーマンら

100点満点中101




 待ちに待ったセス・マクファーレン製作・監督によるファンタジー・コメディ作品の続編。30年前、ぬいぐるみのテディ・ベアに持ち主の少年の願いが叶って命が宿り、少年の親友となり、数々の事件に巻き込まれた前作『テッド』に引き続き、お下劣なネタ満載での登場です。

 まーその下ネタの酷さは群を抜いており、セリフや小道具が完全にハードコア・ポルノ化しています。実際の映像に裸の男女が出てくるとか、写実的に過激な性的表現が出てくるというようなことはないのですが、登場人物が交す会話が完全に“イって”います。冒頭から失笑せずにはいられない状況で、R15+指定も当然の品の無さです。これが、ラストまで怒涛の如く続きます。ただし、ラストは、前作同様“ほんわか”とする感動のエンディングを迎えます。



 監督のセス・マクファーレンは、多彩な人物で監督業以外で、脚本家でコメディアンで歌手で声優でもあります。今作でも、「テッド」の声を演じています。コネチカット州のケント出身で、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインでアニメーションを学び、卒業後はハンナ・バーベラ・プロダクション(現在のカートゥーン・ネットワーク・スタジオ)でアニメーター兼脚本家として働いた経歴を持ちます。2011年9月11日、母校での講演を終え、ロサンゼルスに帰る飛行機として、アメリカ同時多発テロ事件でワールドトレードセンター北棟に突入したアメリカン航空11便に乗る予定でしたが、旅行会社からの連絡ミスで出発時刻を30分遅く伝えられていたために乗り遅れ、九死に一生を得たため、前作でも今作でも、劇中に「9.11」の絡んだネタを多くちりばめているように感じます。人種や性風俗に独特の感性を持っていて、嫌いな人はとことん嫌いなタイプなのでしょうが、今作でも、モーガン・フリーマンリーアム・ニーソンら大御所が少ないシーンでも出演しているところを拝見すると、好きな方々にはめっぽう人気のある映像作家なんだなーと思わせます。



 主演のマーク・ウォールバーグは、「テッド」の親友「ジョン・ベネット」を演じます。この役は、8歳の時のクリスマスに両親からプレゼントされた熊のぬいぐるみに「テッド」と名付け、その晩、このぬいぐるみに命が宿るという“奇跡”から30年近くも、「テッド」と腐れ縁を続ける自動車セールスマンです。最愛の妻「ローリー」と2年を待たずに離婚し、冒頭から憔悴しきった様子です。



 一方、セス・マクファーレンが声を演じる「テッド」は、ブロンド美女の「タミー・リン」と結婚するも、マンネリ化から結婚生活に危機を迎えます。その窮状を打開すべく、子作り宣言したことから、州政府を巻き込んだ大騒動に発展していきます。傷心しきりの「ジョン」は、自分のことはさておき、親友「テッド」のためにラストまで奔走します。いい人ですね。


 新顔としては、アマンダ・セイフライドが、「サマンサ・レスリー・ジャクソン」役で登場します。この役は、パーティスクールとして悪名高いアリゾナ大学出身の若手弁護士で、前作で「ジョン」の恋人であった「ローリー」とは真逆の、やや享楽主義傾向のある女性です。つまり、アルコールや薬物には寛容で、「ジョン」や「テッド」の生き方に共感するところ“大”です。




 この人物たちに、ニュージャージー州や玩具メーカー、そしてストーカーが絡んで、「テッド」の人権、市民権をめぐり大騒動となります。しかも、冒頭から、R15+基準の下ネタの洪水が数えられないほど鑑賞者に襲ってくるため、失笑に次ぐ失笑の嵐となるわけです。
















(*公開中のため、あらすじは控えます。)




『ミッション:インポシブル/ローグ・ネイション』

(原題:Mission:Impossible-Rogue Nation/2015年アメリカ/131分)

監督・脚本:クリストファー・マッカリー

原案:クリストファー・マッカリー、ドリュー・ピアース

原作:『スパイ大作戦』 ブルース・ゲラー

製作:トム・クルーズ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク、デヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー

製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ

撮影:ロバート・エルスウィット

音楽:ジョー・クレイマー

編集:エディ・ハミルトン

100点満点中84



 1966年から1973年までアメリカ合衆国のCBSでTV放映されたドラマ『Mission:Impossible』(邦題『スパイ大作戦』)の映画版リブート作品の5作目。  

 諜報組織「IMF(Impossible Mission Force)」の面々が米国政府やCIAでも着手できないような“超”極秘任務を、誰の手も借りず孤軍奮闘しながら完遂する姿を描いています。今作までの劇場シリーズ中、たびたび「IMF」は、解散や消滅の憂き目をみますが、今作でも冒頭から、CIA長官からの圧力で組織解散となり、前半は主人公「イーサン・ハント」の単独作戦となります。




 ちなみにRogue Nationとは「ならずもの国家」とでも訳すのでしょうか?今作では、同盟国の誤った思惑による大義のため、罪のない一般市民をも巻き添えにすることもいとわない対テロ作戦を遂行する「シンジケート(組織)」の蛮行を阻止すべく、「IMF」のメンバーが活躍します。冒頭から、主演のトム・クルーズの命をはったアクションが展開されます。特に、中盤のバイクアクション鬼気迫る勢いで、このシリーズにかける彼の熱い意気込みが感じられます。








 監督のクリストファー・マッカリーはアメリカ合衆国 ニュージャージー州プリンストン・ジャンクション出身で、脚本家でもあります。1995年公開の『ユージュアル・サスペクツ』で、第68回アカデミー脚本賞を受賞しています。主演のトム・クルーズとは、2014年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の脚本や2012年の『アウトロー』の監督・脚本などで一緒に仕事をしてきた仲で、クルーズのプロデュースする最近の作品の多くで脚本を担当しています。クルーズのお気に入りなんですね。




 共演のジェレミー・レナーは「ウィリアム・ブラント」を演じます。この役は、IMF解体後は、CIAに転属しながら、「イーサン・ハント」を陰ながら支援する事務方よりのエージェントです。レナー本人は、2009年の『ハート・ロッカー』で注目され、2012年の『ボーン・レガシー』では、薬物により人体改造された諜報部員「アーロン・クロス」を演じています。ぶ男ですが、少し陰のある不完全なヒーロー的雰囲気をもった名優です。




 また、私の大好きなサイモン・ペグは「ベンジー・ダン」を演じます。この役は、格闘や潜入を実行するより、ハッキングや傍受で「イーサン」を側面から助けるメンバーです。少しドジですが、憎めない魅力をもった人物ですが・・・敵に付け込まれてしまいます。ペグ本人は、イングランド グロスター出身の俳優で、シリーズ関連では、『ミッション:インポシブル3』からの連続出演です。英国の喜劇俳優ニック・フロストとの共演作品が多数あり、2004年の『ショーン・オブ・ザ・デッド』や2011年の『宇宙人ポール』などがあります。SF作品『スター・トレック』の「モンゴメリー・スコット」役は当たり役ですね。



 新顔としては、元?英国MI:6の諜報員「イルサ・ファウスト」をレベッカ・ファーガソンが演じています。この役は、MI:6から「シンジケート」に潜入を命じられた女スパイで、やはり、IMFのメンバーと同様に英国政府から見捨てられながらも使命感に燃え、任務を遂行しようと奮闘します。ファーガソン本人は、スウェーデン ストックホルム出身の女優で、日本ではまだあまり知られていませんが、端正な顔立ちの古風な美女です。今後の活躍が楽しみですね。


 その他、ヴィング・レイムスやアレック・ボールドウィンも出演していますが、スパイ映画としては全体的に登場人物は少な目で、ストーリーも入り組んでないので、観賞中、誰だっけ?なんだっけ?と迷わず最後まで安心して観ることのできる、アクション重視のシンプルな作りです。











(*現在公開中のため、あらすじは控えます。)

 




 

『her/世界でひとつの彼女』

(原題:Her /2013年アメリカ合衆国/120分)

監督・脚本:スパイク・ジョーンズ

製作:ミーガン・エリソン、ヴィンセント・ランディ

製作総指揮:チェルシー・バーナード、ナタリー・ファリー、ダニエル・ルビ

音楽:カーケイド・ファイア

撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ

編集:エリック・ザンブランネン、ジェフ・ブキャナン

出演者:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、スカーレット・ヨハンソンら

100点満点中86



 近未来のロサンゼルスで、人間の知能に限りなく近づいた人工知能を備えたOS(基本ソフト)を搭載したコンピュータ・オペレーティング・システム・サービスの会社と契約した離婚調停中の中年男性が、自身の恋愛観や結婚観を今一度見直すこととなるSF要素のあるヒューマン作品です。

 最愛の妻との離婚調停に疲れ果てた男性が、生身の女性との関係構築に臆病となり、やや衝動的に契約したPCサービスの人工知能との心的?交流を通して、この人工知能と恋愛関係に発展していくという恋愛作品でもあります。


 中年男性をホアキン・フェニックスが演じ、人工知能の声をスカーレット・ヨハンソンが演じています。2013年10月12日に第51回ニューヨーク映画祭でクロージング作品として上映され、その年の放送映画批評家協会賞では、ヨハンソンが助演女優賞にノミネートされましたし、この年の第86回アカデミー賞では脚本賞を受賞しました。



 監督のスパイク・ジョーンズはメリーランド州ロックビル出身の映像作家で、1980年代は、GAPやアディダス等のテレビ・コマーシャルのディレクターを務め、1992年からは、ビョーク、ビースティ・ボーイズ、テネイシャスD、ケミカル・ブラザーズ等のミュージシャンのミュージック・ビデオを多数手掛けました。劇場作品としては、1999年公開の『マルコヴィッチの穴』や2002年公開の『アデプテーション』があります。奇想天外な脚本を、それに逆らうことなく、自然な形で映像化するのが得意な監督です。



 

 主演のホアキン・フェニックスは、代筆ライター「セオドア・トゥオンブリー」を演じます。この役は、契約者から依頼された手紙の返信等の代筆をする作家?で、受け取った往信の内容や写真の様子から、返信の内容を考え、PCに口述筆記させて、1日に5~10通の手紙を代筆するという仕事をしています。日本では・・・あまり馴染みのない職業ですね。この「セオドア」は、幼馴染みの妻との離婚調停で心をすり減らし、倒錯的に人工知能との擬似恋愛にのめり込んで行きます。代筆業で発揮するイマジネーション力が、他人との関係では全く発揮されず、夫婦の関係も破綻しています。フェニックス本人は、俳優一家フェニックス家の次男として生まれ、ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックの義兄でもあります。2000年公開のリドリー・スコット監督作品『グラディエーター』では、ローマ帝国の皇太子「コモドゥズ」を演じ、第73回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。




 声のみ出演のスカーレット・ヨハンソンは、人工知能「サマンサ」を演じます。ハスキーな彼女の声はとてもセクシーで、なおかつ知性溢れる応答をするので、相手の「セオドア」は彼女との会話の虜となり、擬似セックスまでしてしまいます。



 

 共演のエイミー・アダムスは、「セオドア」の親友「エイミー」を演じます。この役は、「セオドア」の学生時代からの親友で、短期間交際していたが、男女の関係を超えて友人関係を長年保っています。アダムス本人は、2013年公開の『マン・オブ・スティール』では「ロイス・レイン」役を演じています。その後の出演作品も多く、今後、さらに活躍が期待できる女優さんです。



 また、ルーニー・マーラー(↑)は、「セオドア」の妻「キャサリン」を演じていますし、オリヴィア・ワイルド(↓)は、「セオドア」が紹介されるバツイチ美女を演じています。




 ホアキン・フェニックス演じる「セオドア」の周りは、美女だらけという状況です。






(あらすじ)

 手紙の代筆サービスを行う会社で、代筆ライターとして働く「セオドア」は、その仕事の確かさにおいて、自他共に認めるところである。依頼者のバックボーンから友人関係、生活スタイルまで完全に把握した上で、想像力と文章力を駆使し、パソコンに口述筆記させて、あたかも依頼者本人が書いたかのような、完璧な手紙文に仕上げ、発送する作業まで行うのである。

 ただし、彼の私生活は寂しい状況である。数年前から妻「キャサリン」とは別居状態で、彼女が雇った弁護士からは、離婚届に署名しろとのメールがたびたび届く。「セオドア」としては、最愛の女性と結婚し、二人の関係は良好だと思っていたにも関わらず、妻「キャサリン」は出て行ってしまったのだ。彼の喪失感は相当なもので、離婚の決断もさる事ながら、次なる恋愛にも、その一歩を踏み出せないでいる。その実、新たな人間関係構築には臆劫となっていて、とりわけ異性との真剣交際には臆病となっているため、紹介されたバツイチの子連れ美女からの熱烈なアプローチにも拒絶反応してしまう。

 そんな「セオドア」が、やや衝動的に契約したのが、最新の人工知能を搭載したオペレーティング・サービスである。このサービスは、パソコン上の諸作業を口頭で指示して行わせるだけでなく、二つ折りのカメラ付きタブレットとワイアレス・イヤホンを使用することで、彼の表情を見せながら話し相手にもなってくれるし、デートのようなこともできるのである。この人工知能は、自らを「サマンサ」と名のり、日々刻々知的に成長し続け、より人間に近いコミュニケーションが可能となっていく。離婚の決断をし、傷心の「セオドア」を気遣うかのように、いたわりの言葉をかけてくる「サマンサ」に対し、「セオドア」は次第に恋心を抱くようになるが・・・