『永遠の0』(2013年日本/144分)
監督:山崎貴
脚本:山崎貴、林民夫
原作:百田尚樹『永遠の0』(太田出版)
音楽:佐藤直紀
VFXディレクター:渋谷紀世子
撮影:柴崎幸三
美術:上條安里
照明:上田なりゆき
録音:藤本賢一
編集:宮島竜治
音響効果:岡瀬晶彦
装飾:龍田哲児
スクリプター:甲斐哲子
助監督:山本透
出演者:岡田准一、三浦春馬、井上真央、吹石一恵、風吹ジュン、夏八木勲、橋爪功、田中泯、新井浩文、染谷将太ら
100点満点中86点
百田尚樹による同名小説を基に、零式艦上戦闘機の搭乗員が太平洋戦争をいかに生き、散っていったかを描くヒューマン作品。
日本帝国海軍航空隊に属し、真珠湾攻撃から数々の戦闘に身を投じた天才的な操縦技術を持った搭乗員が、最後まで戦地からの生還にこだわりながらも、終戦間際、なぜ特攻隊員として国に命を捧げたかを、60年後になって、その孫が解き明かしていく展開です。
時代の奔流に押し流され、悲運の最期を遂げた青年の運命の悲しさを強調するよりも、本人の強い意志で、命が尽きるまで信念を突き通そうとする気迫や戦士としての迫力を強烈に感じられる作品です。
したがって、私としては、悲しい“涙”より強い“男の勇気”を貰った感があります。いかに困難な状況下でも、一本筋を通し、不本意な流れには迎合しない態度が大切なんだと感じさせてくれた作品です。
CG映像も迫力があって、空戦・艦攻の激しさを知ることのできる傑作です。
監督の山崎貴は1964年6月12日生まれ長野県松本市出身で、13歳の時、スティーブン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』を観て感銘を受け、特撮監督を目指すようになったとのことです。2000年の『ジュブナイル』で監督デビューし、2005年からは『ALWAYS三丁目の夕日』とその続編2作も監督しました。2014年には怪奇漫画『寄生獣PART1』、2015年には『寄生獣PART2』の公開が決まっています。楽しみですね。
主演の岡田准一は、零式艦上戦闘機に搭乗する天才的なパイロット「宮部久蔵」を演じます。15歳で海兵団に入団し、巧みな操縦技術を持つ航空兵でしたが、妻子を案じ「必ず生きて帰る」と公言し、その命を重んじる思考から、上官に意見することもあり、周囲の人間からは「臆病者」と揶揄されます。人知れず毎晩鍛錬に努める努力家で、整備員を辟易させるほど機体整備にも気を遣い、恐ろしく慎重な操縦思想で、小隊長になってからは、実戦において無理に敵機を撃墜するより、自機・僚機が撃墜されないことを説きます。部下へも馬鹿丁寧に話す様は、周囲から指揮官として指導力がないからだと思われたりします。筑波海軍航空隊で教官となってからは、暴力に訴えて服従させることこそなかったが、教え子に対してはかなり厳しく、教え子に「修了許可」をなかなか出さないため、反感を買うことになります。
三浦春間は、実の祖父の戦争中の軌跡を追う司法学生「佐伯健太郎」を演じます。司法試験に4回失敗し、やややる気を失ったところへ、祖母「松乃」の死から、実の祖父が特攻隊員として、散っていた事実を知ることとなります。
吹石一恵は、姉「佐伯慶子」を演じます。フリーライターとして新聞社の終戦記念プロジェクトに携わり、「健太郎」に戦死した実の祖父についての調査協力を持ちかけます。
夏八木勲は「佐伯賢一郎」を演じます。終戦後、「松乃」と結婚し、「宮部久蔵」の実子「清子」を我が子のように育てます。現役の弁護士でもあります。今作が、本人の遺作となります。
また、私の大好きな新井浩文が青年搭乗員「景浦」役で登場します。鬼気迫る眼光で、天才「宮部久蔵」の技術に憧れながらもその心の闇に怖れる、これも天才的な戦闘機乗りです。
その他、若手では染谷将太、濱田岳ら、次世代にも期待できる匠の俳優陣が出演し、作品に厚みを与えています。
(*公開中のため、あらすじは控えます。)



























