Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -27ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『永遠の0』(2013年日本/144分)

監督:山崎貴

脚本:山崎貴、林民夫

原作:百田尚樹『永遠の0』(太田出版)

音楽:佐藤直紀

VFXディレクター:渋谷紀世子

撮影:柴崎幸三

美術:上條安里

照明:上田なりゆき

録音:藤本賢一

編集:宮島竜治

音響効果:岡瀬晶彦

装飾:龍田哲児

スクリプター:甲斐哲子

助監督:山本透

出演者:岡田准一、三浦春馬、井上真央、吹石一恵、風吹ジュン、夏八木勲、橋爪功、田中泯、新井浩文、染谷将太ら

100点満点中86




 百田尚樹による同名小説を基に、零式艦上戦闘機の搭乗員が太平洋戦争をいかに生き、散っていったかを描くヒューマン作品。

 日本帝国海軍航空隊に属し、真珠湾攻撃から数々の戦闘に身を投じた天才的な操縦技術を持った搭乗員が、最後まで戦地からの生還にこだわりながらも、終戦間際、なぜ特攻隊員として国に命を捧げたかを、60年後になって、その孫が解き明かしていく展開です。

 時代の奔流に押し流され、悲運の最期を遂げた青年の運命の悲しさを強調するよりも、本人の強い意志で、命が尽きるまで信念を突き通そうとする気迫や戦士としての迫力を強烈に感じられる作品です。

 したがって、私としては、悲しい“涙”より強い“男の勇気”を貰った感があります。いかに困難な状況下でも、一本筋を通し、不本意な流れには迎合しない態度が大切なんだと感じさせてくれた作品です。

 CG映像も迫力があって、空戦・艦攻の激しさを知ることのできる傑作です。 



 監督の山崎貴は1964年6月12日生まれ長野県松本市出身で、13歳の時、スティーブン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』を観て感銘を受け、特撮監督を目指すようになったとのことです。2000年の『ジュブナイル』で監督デビューし、2005年からは『ALWAYS三丁目の夕日』とその続編2作も監督しました。2014年には怪奇漫画『寄生獣PART1』、2015年には『寄生獣PART2』の公開が決まっています。楽しみですね。




 主演の岡田准一は、零式艦上戦闘機に搭乗する天才的なパイロット「宮部久蔵」を演じます。15歳で海兵団に入団し、巧みな操縦技術を持つ航空兵でしたが、妻子を案じ「必ず生きて帰る」と公言し、その命を重んじる思考から、上官に意見することもあり、周囲の人間からは「臆病者」と揶揄されます。人知れず毎晩鍛錬に努める努力家で、整備員を辟易させるほど機体整備にも気を遣い、恐ろしく慎重な操縦思想で、小隊長になってからは、実戦において無理に敵機を撃墜するより、自機・僚機が撃墜されないことを説きます。部下へも馬鹿丁寧に話す様は、周囲から指揮官として指導力がないからだと思われたりします。筑波海軍航空隊で教官となってからは、暴力に訴えて服従させることこそなかったが、教え子に対してはかなり厳しく、教え子に「修了許可」をなかなか出さないため、反感を買うことになります。



 三浦春間は、実の祖父の戦争中の軌跡を追う司法学生「佐伯健太郎」を演じます。司法試験に4回失敗し、やややる気を失ったところへ、祖母「松乃」の死から、実の祖父が特攻隊員として、散っていた事実を知ることとなります。



 吹石一恵は、姉「佐伯慶子」を演じます。フリーライターとして新聞社の終戦記念プロジェクトに携わり、「健太郎」に戦死した実の祖父についての調査協力を持ちかけます。



 夏八木勲は「佐伯賢一郎」を演じます。終戦後、「松乃」と結婚し、「宮部久蔵」の実子「清子」を我が子のように育てます。現役の弁護士でもあります。今作が、本人の遺作となります。




 また、私の大好きな新井浩文が青年搭乗員「景浦」役で登場します。鬼気迫る眼光で、天才「宮部久蔵」の技術に憧れながらもその心の闇に怖れる、これも天才的な戦闘機乗りです。



 その他、若手では染谷将太、濱田岳ら、次世代にも期待できる匠の俳優陣が出演し、作品に厚みを与えています。









(*公開中のため、あらすじは控えます。)




 


 



『ヒッチコック』(原題:Hitchcock /2012年アメリカ)

監督:サーシャ・ガヴァシ

脚本:ジョン・マクラフリン

原作:スティーヴン・レベロ著アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ

製作:アイヴァン・ライトマン、トム・ポロック、ジョー・メジャック、アラン・バーネット、トム・セイヤー

製作総指揮:アリ・ベル、リチャード・ミドルトン

音楽:ダニー・エルフマン

撮影:ジェフ・クローネンウェス

編集:パメラ・マーティン

出演者:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビール、ジェームズ・ダーシー、マイケル・スタールバーグ、ラルフ・マッチオ、 トニ・コレット、マイケル・ウィンコット、ダニー・ヒューストン、リチャード・ポートナウ、ウォレス・ランガムら

100点満点中77点


 スティーヴン・レベロ著アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』を原作とした、アルフレッド・ヒッチコックの大ヒット作『サイコ』製作の舞台裏を描いた作品。


映画『サイコ』・・・1960年製作公開された作品で、ロバート・ブロックがエド・ゲインの犯罪をヒントに執筆した小説『サイコ』が原作である。


エド・ゲイン・・・1906年8月27日 - 1984年7月26日は、アメリカ合衆国の殺人者、墓荒らしである。彼の犯罪は、彼が地元の墓場から掘り返した死体で作り出した恐ろしい「戦利品」と「記念品」を警察当局に発見されたことで名を馳せた。彼の有罪判決は2人の人間の殺害のみであるにもかかわらず、しばしば連続殺人者と呼ばれる。人間の死体を使って、ランプシェイドやブレスレットを作ったことで知られており、アメリカの殺人史を代表する1人である。(WIKIより)


 監督のサーシャ・ガヴァシは、ロンドン出身の脚本家でもあります。スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画『ターミナル』(2004年)の脚本も務めました。『ヒッチコック』が彼の初監督作品です。




主人公「アルフレッド・ヒッチコック」を演じるのはアンソニー・ホプキンスで、特殊メイクを施し、本人に似せようとしていますが、基本的な面相がかけ離れているので、あの風貌を再現できていません。つまり、全く似ていませんし、役つくり、演技でも本人にはなりきっているようにも思えません。ここは少し残念なところ。


 妻「アルマ・レヴィル」はヘレン・ミレンが演じます。この役はイングランド出身の助監督、脚本家、編集技師で、「ヒッチコック」と1926年に結婚し、それ以降、彼の創作活動を、影でひたすら支えてきたパートナーです。実際に1939年の『断崖』や1950年の『舞台恐怖症』で、ヒッチコック作品の脚本も手掛けています。主演女優にすぐに夢中になる夫を、横目で見ながら、キッチリ彼の次回作準備をアシストした上、家事と自分の仕事を両立させるスーパーウーマンです。



 『サイコ』で主演女優の「ジャネット・リー」はスカーレット・ヨハンソン(↑上)が演じます。本人よりヨハンソンの方が性的魅力が強い印象で、現代風の癖のある美人という感じでもありますが、作品自体にあまり“華”がないので、唯一作品内で“いい匂い”を漂わせています。




 作品全体が、次回作『サイコ』を世に出すことへの“産みの苦しみ”を描きながら、そのテーマは“夫婦の絆”ですので、最後まで観ると、心が温まりますし、クスリッと笑いたくなるような、ヒューマン作品となっています。


(あらすじ)

 MGM製作配給の『北北西に進路を取れ』の大ヒットで、がぜん巨匠の呼び声が高まった「アルフレッド・ヒッチコック」は、契約上、あと1本の作品製作の契約が残っているパラマウントでの次回作の構想に苦慮していた。


 パラマウントからは、MGMの『北北西に進路を取れ』と同様の作品を要望されているが、もうこの手のスパイ・サスペンスを撮るつもりは全くない。主演女優が、冒頭30分で殺害され、その殺害方法が陰惨であることから、次回作『サイコ』製作にパラマウント側からは、難色を示されている。また、映倫の審査通過も難題である。しかしながら、この猟奇連続殺人事件を扱った小説に惚れ込んでいる「ヒッチコック」は、愛妻「アルマ」と住む豪邸を抵当に入れ、80万ドル以上の借金をしてまで、この企画を推し進める決心をする。彼の心にあるのは、駆け出しの頃、資金不足でも、新発想の作品製作にのめり込んで行ったわくわく感と完成後の解放感であった。この感覚を、次回作『サイコ』で味わいたいのだ。何とか、妻「アルマ」を説得して製作資金の目途を解けた「ヒッチコック」ではあるが、その後も、問題山積であり、また、「アルマ」が不倫をしているという疑念が彼の中に生まれる。悩んだ彼は、とうとう、『サイコ』のストーリーの素となった殺人鬼「エド・ゲイン」と妄想の中で会話をするようになる。













 

 

 

トゥームストーン/ザ・リベンジ』(原題:Dead in Tombstone /2013年アメリカ/100分) 

監督:ロエル・レイネ

脚本:シェーン・クーン、ブレンダン・カウルズ

製作:マイク・エリオット

編集:ラドゥ・アイオン

出演者:ダニー・トレホ、アンソニー・マイケル・ホール、ミッキー・ローク、 ディナ・メイヤー、ジェームズ・ジョーダンら

100点満点中71点



 私の大好きなダニー・トレホ主演のビデオ作品で、悪魔と契約した悪人が復讐を果たしながら人間性にも目覚めるヴァイオレンスアクション西部劇です。荒唐無稽で、やや強引な流れですが、トレホファンなら必見の作品。

 2010年公開の『マチェーテ』以降、トレホ君の主演作は3作目で、4作目の『Machete Kills』は全米では2013年10月1日に公開済みで、本邦公開は2014年3月1日公開予定です。今度は、米国政府に雇われた「マチェーテ」(トレホ君演ず)が、ミサイル攻撃によって世界戦争勃発を企む武器商人(メル・ギブソン演ず)と戦うという内容だそうです。この作品も楽しみです。



 主演のダニー・トレホは、武装強盗団の首領「ゲレロ」を演じます。異母兄弟の弟「レッド」に裏切られますが、「ルシファー」(悪魔)との契約により現世に甦り、自分を陥れた裏切り者たちを地獄に叩き込む役です。



 弟「レッド」はアンソニー・マイケル・ホールが演じます。冒頭、兄「ゲレロ」に

より、絞首刑から逃れます。本人は1999年のビデオ作品『バトル オブ シリコンバレー』では、ビル・ゲイツ役を演じていましたね。



 「ルシファー」役はミッキー・ロークが演じます。???スマートさが無いので、よくよく、どう見ても悪魔には見えませんし、かなりの大根芝居で、作品の質を大いに落としています。



 保安官の夫を亡くした未亡人ガンマン「カラテア・マッセー」はディナ・メイヤーが演じています。今作撮影中44歳となった彼女ですが、その個性的な美貌はさらに磨きがかかったようで、殺伐とした西部の町で、男性の服とガンベルトを身に着けても、漂う妖艶さを隠さず、魅力的なあだ花を添えています。


(あらすじ)

 開拓時代の西部。武装強盗集団の首領「ゲレロ」は、非道な犯罪を日夜繰り返していた。異母兄弟「レッド」がつかんだ情報を基に鉱山の町「エデンデール」で銀行強盗を決行した日、この「レッド」の裏切りにあい、「ゲレロ」は命を落としす。  


 しかし、死んだはずの「ゲレロ」は見知らぬうす暗がりの中で目が覚め、そこで「ルシファー」を名乗る謎の男と出会う。「ルシファー」から今までの償いとして、永遠に地獄で苦しみ続けろと言われた「ゲレロ」だが、「ルシファー」に対し、彼は取引を持ちかける。その取引とは、「ゲレロ」を再び現世に蘇らせる代わりに、自分を殺した裏切り者6人を殺し、6人分の魂を「ゲレロ」が「ルシファー」に差出すという驚くべき取引条件であった。「ルシファー」はこれに大いに興味を持ち、復讐に駆り立てられた「ゲレロ」と契約する。そして「ゲレロ」は墓地の棺桶を突き破り復活、「トゥームストーン」(墓石)と名を変えた町に再び現れるのだった。